CAVOのレーベル「CIAL MURRA」の企画。
個性的なCAVOともまったく違う、ユニークなバンド達が出演した。
1つ目は益獣さん(元トラウママザーファッカー孤独)。
僕もかなり前からよく知るソロパフォーマーなのだが
ここ1〜2年アングラ/ハードコアシーンで変に大ブレイク中の注意人物である。
ブレイク→沈没、そしてまた浮上→ブレイクという具合に、
日々苦闘しつつ表現行為に取り組んでおられる。
最近ではいろんなバンドにゲストとして、または正式メンバーとしてで登場する。
この日は顔を黒と金に塗って登場し、マイクを握りながら
自分の悩み等を大声で一人語り、ドツボ感を店いっぱいにふりまいた。
2番目は元サイケデリックジャンパー土居昌樹率いる十字軍。
ソロ時代のスローなサイケ曲をすべて封印し、3ピースのバンドで登場した。
今までの前身の力を抜いたようなダルな歌ものと打ってかわり
ロックしようとしている。
バックはいろんな人が入れ代わり立ち代わり辞めているが
最近では僕が入ってしばらく練習してたのだが
現在土居氏まったく連絡が取れない。
誰か彼から連絡があった人はご一報を・・・
3番目は
CAVOのドラマー、BOZCOのソロ。
CAVOでもおなじみのディジュリドゥを演奏。
ディジュリドゥにエフェクトをかけてディープな波動をよびおこした。
身にまとった白装束に一筋の光線があてられてそれが動き回る。
やがてプロジェクターでビデオが投影されたりして
暗闇でBOZCOの身体が光り輝き浮遊しているようだった。
次のバンドがセッティングしている間にしゃべってたら
ステージで誰かが大声を上げ出した。
その男は奇声を発しながら、床やカベに拳を打ち付け悶絶している。
聴衆は何が起こったかわからず一同唖然。
何発目かにとうとう拳を粉砕骨折してしまったようだ。
指が曲がったまま固まっている。
さらにマイクで自分の頭を強烈に殴る。
何度も何度も手加減なしに殴り続けるうちマイクはボコボコになってしまった。
白目を向いているその青年こそ次のバンド、オシリペンペンズのボーカルだった。
オシリペンペンズの演奏がはじまると
奴は手をだらんとさせ目をひんむいてまわりをにらみながら
日本語でいろいろとわめきちらしている。
「うんことカレーは紙一重」という歌詞が印象的だ。
他のメンバーもクセのありそうな3人で
ベースはパンカビリー(サイコ?)風ルックスで
ツッパリ感全開でTHE STALINみたいな狂い果てたベースラインを弾いている。
時にはリズムがぶれたり途絶えたりもする。
ヴァイオリンはノイズっぽい音になっていてわけがわからない状況。
ドラムも往年のツネマツみたいな開衿シャツみたいなのをきていて危険そうな表情だ。
リズムはベースと同じくかなり自由奔放。
フリージャズならぬフリーパンクって感じだろうか。
初期衝動という言葉ですませてしまいたくないが、
我々は彼らの衝動の固まりをリアルタイムで目撃したのかもしれない
トレンチタウンというレゲエバンドがでてきた。
出演の理由はどうやらバイト先の知り合いだかららしい。
これもスカムの一種なのかなとか深読みするのはやめよう。
トリは、まちゅこけ。
ボーイッシュで、かわいい女の子のボーカルを中心に
CAVOの一部、そして益獣さんらが演奏する。
ギター、ドラム、笛、鉄片その他の編成。
メロディーはロシアかアイリッシュかスコットランドか、
どこか寒い国の民謡を思いだすようだ。
トラッド&アバンギャルドである。
ギターを抱えて歌うボーカルは、
折れそうな感じの繊細な感じ。
その反面、強い意志を感じさせる
なんとも不思議な魅力を持つ女性である。
今回は和服を来た謎の覆面ダンサーも登場し、
和扇子を振り、紙吹雪をまいて場を盛り上げた。
オーディエンス達も人種の壁を越えて(外人も多かった)
肩を組んで足をあげて踊って大騒ぎしていた。