電子水母
まず一聴して
聴いた人はまずビビった事だろう。淡々とした流れっぱなしの電子音が
8分近く流れたのだから。で、ファーストみたいに頭からおわりまで入っていた
ボーカルが完全に無くなっていたから。
というわけで今回こういった発表形式になった背景及び意図を説明すると
1.吉川グラインドに専念するためライブは長期欠席
2.プロモビデオを作ったのはいいが発表するタイミングを失う
3.個人的にパンク・オルタナ路線には飽きがきていた。
の3つの理由がありました。
ファーストの路線で行うには吉川抜きではあれ以上のものを作ることは到底不可能
であり、縮小再生産やったところで自分がつまんないのは目に見えていたことと
スパズマムがレコーディングで1年3ヶ月費やしてその末にメンバ−統制がまったくとれてない状態になり活動が行き詰まったのを見た為、
TAG RAGのいい所であるレコーディングに時間をかけられるというやり方を
敢えて取らず、「堂々めぐりで最初のテンションが下がっていく」
「迷って即断することができなくなる」
の弊害を避ける為、全てのディレクション及び方向性を一人で担い、
スタジオ録音6時間、総製作時間9時間のハイスピードで仕上げたのが今回の
セカンドアルバムなのです。(でもプリプロは6日位かかったけど…)
(ちなみに作曲、編曲、コンセプトプランニング、ジャケットデザイン&版下作成、
録音、ミックスもボーカルの入っている3曲以外は全て一人でやってます。)
また、ここ1〜2年の個人的な交流関係がストレートに現れているのも特色で
音色だけをただ流したのみの意表を突くアンビエントは「沈黙を恐れない」
(おおっ!カッコいい言い回し。まったく似合って無い。まるでインテリみたいだ)
という考えのもとに作ったものなので、後からあの上に何か乗せることを前提に作っております。
で、それが今一部で売られているナスカ・カーセレクションのカセット収録の
電子水母パート3がそれです。聴いた人は何とかその意図が通じるものと
思っております。
というわけでかなりの無茶をしたアルバムの為世間的にはどんな言われようをされるか
内心不安ではありましたが結構様々な雑誌で取り上げられ好評だったので
ホっとしてます。
いちおう全国誌に限らせて頂きました。下はそれに対する作者の注釈です。
・全編どこかで聞いたような聞いたことのないようなサンプリングが炸裂。
オモロイ、笑える、かっこいい。(POPEYE:サワサキヨシヒロ)
彼だけが電子ブルース2がフライドエッグの曲であることを指摘しました。
基本的に電子ブルースと名前を付けた曲には分かり易い位の元ネタがあります。
何とギターウルフとPOLY6と並べてレビューがのってました。
・ファーストで提示した作風を全て放棄、解体した作りだが、
ナスカ・カー独自の音になっているのは非凡さを感じる。
テクノもロックも越えた真の意味でのミクスチャー(スタジオボイス)
今回一番多かった意見です。次はもっとブチ壊します。
・ナスカ・カーの道はダビングミュージックの道なり、
これによってBGMも進化するであろう。(マーキー:松本昌幸)
この人位でしょう「電子水母をライブでやってくれ」というのは。
うちがライブでは基本的に盛り上げ係であることを正しく認識している人です。
(ライブ体験者)
・きわめて表面的な点に捕らわれやすいが30過ぎの電子哀歌の側面を強く感じる
(インディーズマガジン)
インタビューもこの人でしたが正月みるくでやったライブを「ダメさが良かった」と
何度も強調。真意がよくわかりません。
・ハマるとやばい音世界(サウンドアンドレコーディングマガジン)
意見的には一般的。ジャケ写送ってくれの連絡は一番早かった。
・東にファンタスティックエクスプロージョンあれば西にナスカ・カー。
恐怖の大王ってお笑い大王「ナスカ・カー」の事?
野郎テクノでブッ飛ばせ!!とにかくその毒は確実に脳を犯す。
(クッキーシーン:小暮秀夫)
さすが元「Delic」。ライブ体験者なので指摘が的確です。
・木曜スペシャルでもとりあげないような安い電気紙芝居の趣き、
淋しい人向け。(壮苑:松山晋也)
何故、婦人向けの編物の雑誌に?比較対象がチャイルディスクという点は問題です。
うちは割と俗っぽいサービスに走る傾向が強いので・・・比べられても困りますが。
・テクノ、ロックと区別することがまったく無駄である俺節が炸裂。
(クールトランス)
一般的です。たぶんプロフィールを見て書いたという所でしょう。ファーストが
ASAYANだのWARPなどお洒落系(服屋系)に取り上げられたのと同レベルです。
・こんなんやっていいんか?正にやりたい放題。恐怖の大王も降ってくるわな。
(CD-ROM FAN)
向こうから載せますと連絡がありました。うちなんか著作権がかなりやばいので
こんな毎日新聞系の雑誌から連絡が入ると何かビビってしまいました。
・俺みたいな社会不適格者には最大の傑作(EATマガジン)
さすが良く分かってらっしゃる。でもファーストより点数がいいのは何故だろう?
・わかっている曲名、所々挿入される出所不明のサンプリング、ファーストを
より進化させた音楽性。あんたら何者?いったい何処へいくの?凄すぎるわ!
(ワッツ・イン・ES:今月のインディーズ)
この人も「俺みたいな社会不適格者には最大の傑作」って書いてました。でも、
そんな私は会社では管理職である上に、いちおう妻子持ちです。
・ばかばかしさもここまで徹底されればかえって痛快である(STEREO:志田歩)
何でこんなアンプとかプレーヤーの機材の雑誌に!!こっちの方が驚きました。
・様々なサンプリングと電子音がちりばめられているが印象に残ったのは吉川の
ボーカルのみ(ミュージックマガジン:行川)
いちばんこちらサイドの対象から外れていた評論家。たぶんアドバンスのカセットを 斜め聞きしてさらっと書いたのが丸見え。対象外だったら仕事断われよ。
で、こんな人がCDジャーナルで
「これはサウンドトラックである。事実CD-ROMで映画(プロモビデオ)も見れる」
と書いているのはたぶん、CDを手にいれたからであろう。商品としての最終形態を
認識してないと評価がかなり変ることはありうることなのでレコ評を丸のみにして
信じることは非常に怖いことであると痛切に感じました。
ということで、誰かが「ナスカ・カーってどんなの?」って聞いたら迷わず
カセットにダビングして聞かせてもOKですよ。ファーストの時はムーグさんが
10本近くダビングしてADS近辺とか回りに配ってたみたいだし、セカンドも
キリヒトのけんちゃんが回りにダビングして配ったといってました(不幸の手紙?)
いちおう中もジャケも凝って作っているのでその辺は気にしてません
又まわりで手に入らなければ通信販売もしますので4649