いつの日か
混声合唱のための唱歌メドレー
源田俊一郎 編曲
合唱:さだ混声合唱団
指揮:藤田貞智
1) 七つの子 からす なぜなくの 1分16秒 2) 夕焼小焼 ゆうやけこやけで日が暮れて 1分50秒 3) 里の秋 静かな静かな里の秋 2分15秒 4) 赤とんぼ ゆうやけこやけの赤とんぼ 3分00秒 計 8分21秒
1)七つの子 作詞:野口雨情 作曲:本居長世
からす なぜなくの
からすは山に、かわいい七つの子があるからよ
かわい かわいと からすはなくの
かわい かわいと なくんだよ
からすは、損な鳥です。あの真っ黒な体と、あの「カー」の鳴き声のために。
からすをかわいいと表現した詩、曲はこれを除いてあるでしょうか。
雨情のやさしさを感じながら、七つ(羽)のかわいい子を歌いたいものです。
七つの子とは、七羽の子でしょうか、七歳の子でしょうか?
七歳の烏は子供でしょうか?
もう少し
からすは何故なくの と七歳の子供が尋ねる。
母親が、からすには、おまえと同じ七歳の子供がいるの、かわいかわいと
からすはないているの、と答える。
父親も、かわいかわいとなくんだよ、と子供にさとす。
源田さんの編曲は最初のかわいは女声で、2回目のかわいは男声ですね。
七つの子は、七歳の(人間の)子ではないのでしょうか。
山の古巣に行ってみてごらん
丸い目をした いい子だよ
2)夕焼小焼 作詞:中村雨紅 作曲:草川信
夕焼け小焼けで 日が暮れて
山のお寺の鐘が鳴る
お手々つないで 皆かえろ
烏と一緒に 帰りましょう
夕方の時報として、音楽を聞きますが、圧倒的に多いのが夕焼小焼です。
きれいな夕焼けを見て、このメロディーを口ずさんでいるのは私だけでしょうか。
誰もが、ふと西の空の茜色の夕焼けを見て、かけがえのない自然の美しさを
素晴らしいを感じたことがあると思います。そんな気分が出るといいのですが。
ミーソソー ミーレドー ドボルザークを少し。この曲も時報に使われますねー。
子供が帰った 後からは
円い大きな お月様
小鳥が夢を 見る頃は
空にはきらきら 金の星
3)里の秋 作詞:斉藤信夫 作曲:海沼實
静かな静かな里の秋
お背戸に 木の実の落ちる夜は
ああ 母さん とただ二人
栗の実 煮てます いろりばた
私は、昭和18年生れです(終戦は20年でした)。小学校のクラスには父親の
いない子が10人くらいいました。里の秋は、きれいなメロディーで、のどかな
山里の風景を歌ったものと思っていました。背戸とは裏口のことです。
10年くらい前、TVで戦争に行った父親を待ちながら母親と暮らしている子供を
歌っていると知り、ある感慨を持ちました。
父親のいない母親と2人暮らしの子供の気持ちに思いを馳せながら、歌いたい
ものです。
明るい明るい星の空
鳴き鳴き夜鴨の 渡る夜は
ああ、父さんのあの笑顔
栗の実 食べては 思い出す
4)赤とんぼ 作詞:三木露風 作曲:山田耕筰
夕やけ小やけの赤とんぼ
負われて見たのは いつの日か
赤とんぼを「負われて見た」子供は、誰の背に負われていたのでしょうか。
3番の歌詞にある、15の姐や(雇われて子守をした少女)でしょう。
この曲自体は暗くないのに、もの悲しさが漂っています。なぜでしょうか。
山の畑の桑の実を
小籠に摘んだは まぼろしか
15で姐やは 嫁に行き
お里のたよりも 絶え果てた
露風は、5歳の時に、母親は離婚して実家に帰っています。姐やに負われて見た
赤とんぼですが、母親の背にも負われたことがあるのでしょうか。
そんな露風の気持ちが、この歌に母親へのなつかしさを感じさせるのでしょうか。
夕やけ小やけの 赤とんぼ
とまっているよ 竿の先
いつの日か を、誰に負われたのか、なんて思いながら歌いたいです。
NHKが募集した「日本の歌 ふるさとの歌」で、この曲は第一位でした。
日本全国の夕暮れ時にマッチするのは、何でしょうか。
山田耕筰の美しいメロディーも素晴らしいですねー。
いつまでも日本人が歌い継ぐ名曲です。
この4曲とも旋律がきれいで、ことばも いいので、美しい声で歌いたいです。
先日、安田祥子・由紀さおりの童謡コンサートに行きました。
4曲とも聞きました。心の中にすっと入ってきて、いい時間でした
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