沙 羅 沙羅より

                 作詞: 清水重道
                 作曲: 信時 潔
                 編曲: 木下 保

              さだ男声合唱団 (さださんが1人4パート)
             
Piano : Sada        


         林、音なく
         日の暮れは
         夢のごとし

         真玉夕つゆ
         おもくして
         沙羅の花ちる

         ささら
         沙羅の花
         ほの黄色なる
      さだ男声合唱団 目次へ 


 沙羅双樹はインド原産の常緑樹で熱帯樹の為、日本では育ちません。
 釈迦が亡くなったとき(入滅のとき)に、

 四方を囲んで植えられていたが、木が枯れて鶴の羽根のように白くなったと伝えられています。

 平家物語に登場する沙羅双樹は、ツバキ科落葉樹の「夏椿」だと思われます。
 この白い花、朝咲いて夕べには散ります。その散りかたは、花びらを散らさず、花が地面にポトン
 と落ちます。
いさぎよい散り方をするので、平家物語では世の無常を象徴する花としたのでしょうか。

「平家物語」の冒頭

      祗園精舎の鐘の声   諸行無常の響きあり
      沙羅双樹の花の色   盛者必衰の理をあらはす
      おごれる人久しからず  ただ春の夜の夢のごとし

 京都の妙心寺塔頭・東林院の沙羅が有名ですが、5弁の白い花で、普段見る赤い椿に似ています。
 歌曲「沙羅」も夏椿でしょう。

 信時潔 は歌曲の表題を沙羅として、日本の静寂・幽玄を曲にしたのでしょう。