秋の歌 「月下の一群」から

              詞  :ヴェルレーヌ
              訳詞:堀口大學
              作曲:南 弘明
      さだ男声合唱団
        (さださんが1人で4パート)
       ピアノ:
SadaFujita                   さだ男声合唱団 目次へ
    

 
秋の歌 ポ−ル・ヴェルレーヌ
       (堀口大學訳)

 秋風の
 ヴィオロンの
 節
(ふし)ながき啜泣(すすりなき)
 もの憂き哀しみに
 わが魂を
 痛ましむ。

 時の鐘
 鳴りも出づれば
 せつなくも胸せまり
 思ひぞ出づる
 来
(こ)し方に
 涙は湧く。

 落葉ならね
 身をば遣
(や)
 われも、
 かなたこなた
 吹きまくれ
 逆風
(さかかぜ)よ。
   学校で習ったのは、
      上田敏の訳詩でした


  落葉 上田敏 『海潮音』より

 秋の日の
 ヰ゛オロンの
 ためいきの
 ひたぶるに
 身にしみて
 うら悲し。

 鐘のおとに
 胸ふたぎ
 色かへて
 涙ぐむ
 過ぎし日の
 おもひでや。

 げにわれは
 うらぶれて
 ここかしこ
 さだめなく
 とび散らふ
 落葉かな。
 Chanson d'automne
       
Paul Verlaine

 Les sanglots longs
 Des violons
  De l'automne
 Blessent mon coeur
 D'une langueur
  Monotone.

 Tout suffocant
 Et bleme, quand
  Sonne l'heure,
 Je me souviens
 Des jours anciens
  Et je pleure

 Et je m'en vais
 Au vent mauvais
  Qui m'emporte
 Deca, dela,
 Pareil a la
  Feuille morte.


  秋の歌
    ポール ヴェルレーヌ
(直訳)
  秋の         
  ヴァイオリンの       
  長いすすり泣きが    
  単調な         
  物憂さで      
  私の心を傷つける。 

  時の鐘が      
  鳴るとき       
  胸苦しく青ざめて  
  私は昔の日々を  
  思い出し      
  そして泣くのだ。  

 
  私を         
  落葉のごとく    
  あちこちへと    
  連れ去ってゆく   
  この悪い風に    
  私は消えゆくだろう。