梶 寿美子と箏アンサンブルプリマルーチェ公演
その若さがうらやましい 倉 橋 義 雄
できることなら、一生のうちに2度も3度も生まれたい。 生まれる、というのは、最初からやり直すことです。 だから、生まれると若くなり、何度も生まれたら、どんどん若くなります。 私の人生これでよし・・・・と思ったら、そのとたんに若くなくなるのでしょうね。 若年寄はいやですね。 老若人を見ていたら、気持ち良くなります。 生みの苦しみがあるように、生まれることも苦しいことなのでしょう。 私の人生こんなのいやだ・・・・とわめいたり、のたうちまわったり、 私の力を見せてやるぞ・・・・と自信過剰になったり、 生まれることは、たいへんなことばかりです。 それでもなお、私は、できることなら、2度も3度も生まれたいのです。 いままでの人生をチャラにして、2度も3度も最初からやり直したいのです。 そして、いつまでも、若くありたい。 しかし、それは、しんどいことでしょうねえ。 梶寿美子さんは、一生のうちに何度も生まれて、複数の誕生日を持っています。 戸籍上の誕生日、宏さんと結ばれた誕生日、ガンと出会った誕生日、 ほかにも私が知らない誕生日がいっぱいあるのかもしれません。 そして本日ここに、ガンを克服した誕生日です。 どの誕生日も、しんどかったでしょうねえ。 でも、その若さがうらやましい。 つくづく、うらやましい。 梶寿美子さんの生まれる勇気と力を、私は、こっそりいただこうと思っています。
|