アルトに引き続いてテナーもバージョンアップを果たして新型になった。より「古い」音を目指してばく進中のマーマデュークであるが、デックス氏曰く「目標はジョーンアモンズです。」というとてつも無くシブい所を目指している。
筆者はとてもジーンアモンズのように吹けないので、ファンクではウェインショーターをちょっとだけ意識してアプローチしてみたので、聞いてみていただきたい。
まず、全体のデザインは相変わらずシンプルなものだが、前回のものに比べてバレルが太くなったように感じる。ずんぐりとしたシルエットがいかにも古い音を連想させる。(シャンクは長くなっているようだが)素材はエボナイトにこだわるマーマデュークらしいものである。
ちょっと吹いただけでも、シューシューという息の音が混じり、ビンテージ心がくすぐられるサウンドになっている。リンクのラバーの雰囲気はかなり出ているように思う。
筆者はビンテージのリンクなど持っていないので、直接比較は出来ないが、現行のリンクのラバーと比べれば音の太さ、MAXボリュームの大きさ、ぬけの良さ、音程、サブトーンの息の音量などほとんどの分野で上を行っている。筆者が所有している少ないテナーラバーマウスピースの中ではダントツにビンテージ色の強い音色であった。おまけに吹きやすい。
小編成のコンボや狭めのハコでのアコ−スティック演奏。もしくは一人でジャズ曲の練習をしたり、雰囲気を楽しむのにも良いと思う。
筆者のようにガーデラの楽器とかカイルベルスとか硬めの音のテナーを吹いてる方は、リンクのメタルでは全体に硬すぎるきらいもあるので、こういうラバーのマウスピースでジャズに対応するのも良いだろう。
筆者の気分としては、ちょっと体力はいるが、広めのオープニングのものにリコの固めのリードなどを付けて雰囲気を楽しみたいものだ。(狭めのオープニングでも十分雰囲気は出るので、くれぐれも無理はなさらぬよう。。。)
より苦労なく昔のサウンドにアプローチできる、ビンテージ好きの方々にはこのマウスピースの登場は朗報だと言えよう。
2012/12
|