唯一気になる点はリードのマッチングか?当初筆者はバンドレンの青箱2番をメインリードに使っていた(一時期レジェールシグネチャーにハマっていたが、葦のフィーリングが恋しくなり、一番寿命が長そうな青箱に落ち着いたのだ)のだがリードミスが多発するようになってしまった。フェイシングや色々な部分を改良していただいたのだが、なかなか収まらない。
そこでリードをダダリオジャズセレクトに替えてみたところ嘘のように収まってしまった。ハイバッフルと青箱は相性が悪いというのが通説だが、アルトのSAXZではかなりいい感じだったので、テナーも行けると思い粘ってみたが、早くリードを替えるべきだったのだろう。
アルトがメインの筆者だけに息のスピードやくわえる力などの安定感が弱い部分があるのかもしれないが、このセッティングで解決する事ができて良かったと思う。
なお、マウスピース径が太いため(ポンゾールの真鍮タイプでなくアルミタイプの太さにに準ずる)合うリガチャーが少ない。筆者はSAXZさんでリング型の専用リガチャーを作っていただくまではフランソワルイ製のオットーリンク用を使用していた。リンク用のものなら若干キツいがだいたい行けると思う。
<総評>
非常にクオリティが高く、筆者の理想とする吹奏感のマウスピースが完成したと思う。日本人のプロプレイヤーは楽器を鳴らし切るタイプが少ないので、日本製のハイバッフルマウスピースは概して、少ない息でバランス良くコントロールする事を念頭に作られた物が多い。逆に外国製の物は楽器を鳴らし切る事が多いプレイヤーを対象にしているため、異常に息を多く要するものが多い(少ない息でも鳴らしやすいガーデラは日本人にも好まれたが)。標準的日本人の体格であっても楽器をもっとフルパワーで鳴らしたいと思う御仁には是非試していただきたいマウスピースだ。もちろんパワーだけのバカ鳴りマウスピースにはなってないのでご心配なく。筆者が活動するバンドでは唄伴からファンクまでこれ一本で全部いけそうだ。
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