セルマーが2000年春に発表した、ソプラノ専用のマウスピースである。まず外見の特徴は、かつての「ソロイスト」シリーズのように全長が短くエンド部分がくびれている。そこには"Super
Session"と金文字で刻まれていて、なかなかかっこいい。ジャズファンのビンテージルック好きをくすぐる心憎いデザインである。
音の方は、これまでセルマーにはなかった「H」「I」「J」と言った大きなオープニングのせいもあり、大きなボリュームとキレのあるサウンドが出せる。セルマーのマウスピースにしては、そうとうカタめのクリアな音である。ただ、そこはセルマーで、行儀のよさは隠せない。
小さい音から大きな音まで、素直に息が入り、響きのいい音と音程の取りやすさを兼ね備える以前のモデルはチャンバーの奥が四角になっていたが、このSuper
Sessionは奥へ向けて、丸く細くなっている。バリのラバーも同じ形状であり、サウンドキャラクターも多少似ている部分がある。(バリの方がこもった音がする)もし自分のスタイルに合えば買って損はない。
初心者には開きがやや大きいが、ほぼ初級から、上級者の使用にも耐える(長く使える)マウスピースである。また、アルト、テナーからの持ち替えの人には、このくらい開きのあるマウスピースが違和感がなくてよいと思われる。
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