Vibrato A1

(Ballad) Meyer80th#6

(Funk) Meyer80th#6

2013年購入。

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<オモチャ?いやいやホンモノの楽器じゃないですか!>

こういうコンセプトの楽器、好きだなぁ〜。。。。

タイ製の楽器だそうです。

そう言えばタイの国王さんってサックスを吹いてジャズを演奏するって聞いた事ありますね。関係ないけど。

話はいきなりそれますが、

プラスチックのウクレレと言うのは1950年代に存在してて、

70〜90年代には一旦廃れたのち、

現在は色々なコンセプトのプラスチックウクレレが作られております。

転じてサックス界では、奇しくも同じ1950年代に作られた、

世界初の樹脂製サックス「グラフトン」があって、

現代にプラスチックのサックスが蘇って無いのが不思議なくらいでした。

その50年代に存在した「グラフトン」は製造台数が少なかったこともあって、

現在は大変なヴィンテージ価格になってしまってますが、

そもそも結構凝った造りのサックスで、当初から「廉価版」という位置付けではなかったことでしょう。

筆者も何度か吹きましたが、ビックリするほど甘い良い音がします。

さて、今回購入した「ヴァイブラートA1」はどうなんでしょう〜!?

↑↑↑↑元祖プラスチックサックス「グラフトン」↑↑↑↑

(ネック、キーシステム、ベルの一部は金属です)


<デザインを見る>

グラフトンに比べて、ネックもキーもプラスチックですから、

プラスチック率は随分上がってます。

なので、めっちゃ軽い!ストラップ無しでも吹けます。

キーのタンポがシリコンで出来ており、A1sはカラフルなオレンジのタンポでPOPです。

A1はタンポがグレーですが、カラフルな予備パッドなんかが別売であるといいですね。

ネックにオクターブの装置がなんにも付いてないように見えますが、

裏側にちゃんとあります。Connの6Mのアンダースラングに近いデザインですが、ほとんど出っ張りが無い、すっきりしたものです。

フロントFキーとかF#キーまで付いていて、左手テーブルキーはマーク6に似たコンパクトなデザインです。

キーガードなどは金属のものと違って厚みがあり、がっちりした造りで、

ちょっとSFっぽいデザインが楽しいですね。

板バネを使った所は無くて、全てコイル状のバネです。部品は代用もききそうなのでメンテはしやすそうですね。

コルクは一切使われて無くて、ネックはスポンジです。

A1sの方にはなんと透明ボディもあるそうなので、スゴイですね。


<A1かA1sか?>

A1とA1sという2種類のグレードがあります。

A1sの方がちょっと値段が高い設定です。

音色はあんまり変わらないのかな?というイメージを持ってましたが、結構違います。

A1がABS樹脂混合で、A1sが100%ポリカーボネイドという事らしくて、

簡単に言えば、A1が軟らかめで、A1sが硬めの音色です。

ヴォリュームは当然普通の金属製サックスよりも小さいので、

部屋で吹いたりする事もあるかと思いますが、A1sだとちょっと耳うるさいかな?と思える音色です。

安いA1の方が木管っぽい音色で、部屋で吹いてても気持ちいいですね。

ライブで使うならパワーのあるA1sなのかも知れませんが、

ライブだったら普通の金属サックス使いますもんね〜。

と言う事で筆者が選んだのはA1の方です。

グラフトンに音色が近いのもどっちかと言うとA1だと思いますね。

ポリカーボネードはカーポートの屋根に使われるくらい、耐候性が高いので、

毎日外で吹く人はA1sの方がいいかもしれません。

(そんな人いないと思いますが!?)


<音色は?音程は?>

ノリで楽しむ楽器にはあんまり不粋な事は言いたくないですね!

い〜じゃないですか!そんな小さい事は。

普通の楽器より音程の幅は確かに広くて、息の量等でも音程が変わったりするので、

初心者では完璧な音程で吹くのは難しいかもしれないです。

(でも金属サックスでもそりゃ音程取るのは難しいもんですが)

ビンテージサックスを吹いて来たジャズ系のプレイヤーなら

クセを早くつかんで、音程もすぐにつかめるようになると思います。

それより、ちょっとくらい音程が外れてても楽しく吹ける気軽さの方が重要です。

音色は柔らかくて独特ですが、サックスらしい良い音です。

オモチャじゃなくて「楽器」の音がちゃんとします。

残響は少ないので、金属の楽器より薄い感じの音にはなりますが、

吹いてる本人的には結構気持ちいいですね。

残響のある部屋なんかで吹けば全然問題ないでしょう。

マウスピースをいいやつに変えれば、結構音量も出るので、

バンドでも使えない事はありません。

生音の絶対音量は小さめですので、マイクは使いましょう。

フラジオなんかも意外に出ます。

通常のセルマーの運指でオーケーです。

アコースティックな設計もちゃんと出来てる所がスゴイですね。


<操作性>

あんまり機種ごとの違いに違和感を感じない筆者なんで、

ゼンゼンOKの範疇です。

CONNやなんかと比べると、モダンキーシステムなので楽勝です。

それぞれのキーの配置とか、高さに不満がある人もいるかもしれませんが、

筆者的には「持った感じがちょっと太いけど、セルマーと大してかわんない。」

という感想です。

通常キーは軽めで、サイドキーは全般に重め。(通常閉まってるキー)

つまりは通常キーは軽いけれども、しっかりと力を入れて押さえなさいという事でしょう。

でも、そんなに力んで力を入れなくても十分吹く事ができます。


<付属のマウスピースは?>

最高!とはさすがに言いがたい。。が・・・

パワーの入るタイプじゃないのは、初心者も対象にしてるのと、

楽器のキャパがやはり低いので、あんまりパワーのあるマウスピースを使わない方がいいと言う事だと思います。

でも、他社のマウスピースも当然使えるので、これで楽しまないテはありません。

ただ、どこにでも持ち出して気軽に吹くことが眼目の楽器ですから、

10万も出して買ったNYマイヤーなんかがいくら良くても、

置いててヒヤヒヤしないよう、避けた方がいいんじゃないかと思います。

オリジナルマウスピースは音量も小さくて、ソフトな音なので、

家の中で吹いたりするには悪く無いように思います。

それよりも、付属のリングリガチャーがちょっとイマイチかも?

例えばハリソンなんかに変えれば、ずいぶん吹きやすくなります。

付属のマウスピースにキャップが付いて無いのもマイナス。

改良を求む!

バンドなんかで元気よく吹くんだったら、マイヤーとかの良く鳴るラバーの系統に変えた方が楽しいです。

筆者はやっぱり愛用のトナレックスでいきたいですね、白いし。

メタルも使えない事はないですが、あんまりパワー入れてもボディが耐えられないでしょうから。

 

<使用上の注意!>

普通のサックスと違って、パッドそのものがシリコンのキーカップとなっていて、

当然フニャフニャなので、キーをしっかり押さえないと息もれが大発生します。

ここんところ注意して吹くと、この楽器はいいですね。

ヴィンテージのコーンとか吹いてる人は慣れてるんで、この辺は大丈夫でしょう。

その他の人でも、よっぽど押さえる力が弱い人じゃなければ、スグに対応できると思います。

筆者の生徒さんに渡したら「コレ面白いスね!」

となんにも考えずにブーブー吹けてました。

あと構造的に恐いのは、オクターブキーの連結部分です。

ネックとの結合部分に飛び出してる例のヤツです。

本来のサックスは真鍮や洋白などの金属で出来てますが、

コイツはプラスチックの棒が飛び出しています。

プラグを入れて保護しようにも、付属のキャップは無く、

普通のアルトのキャップはカパカパで小さく、テナーのやつは大きくて入らない。

保護のためのキャップは是非付けて欲しい所です、

(筆者はシャンパンのコルクを削って代用しました)

また、ネックを取り付ける時も、この棒を折ってしまわないかビクビクしながら

ネックを押し込んで行きます。

ネックジョイントはゴムのパッキン(Oリング)なので、気密性はいいですが、滑りは悪いです。


<色んな所で吹こう!!>

<イメージ映像です・・・(笑)。他人の迷惑にならない所で吹きましょう!>

以前、先輩の(知り合いの)ヨットで「何か洋上で吹いてくれ」とのリクエストにカーブドソプラノで答えた事があったのですが、

あの時に「この楽器があれば!」という感じです。(笑)

金属バネや金属ネジも使用されているので、水中で吹くのはちょっとどうか?とは思いますが、

浜辺とか、洋上とか、プールサイドとかアウトドア全般にいいですね。

軽いので、山登りやハイキングなんかにも持って行って吹いちゃってください。

1kgを切る軽量なので、ヒョイヒョイとどこにでも持って行けます。

もうちょっとコンパクトに分解できれば、ハワイにでも持って行って、ウクレレなんかと共演できるのになぁ。

それから部屋吹き。

フレイズのコピーなどに使いやすい!軽いし、音小さいし、音程もそこそこ良いし。

e-Saxに楽器入れてやるよりは遥かに気軽。

EWIとかの電子楽器よりはサックス吹いてる感じが全然あるので、

ちょっとした練習にも使えます。

筆者は仕事机の横の壁に掛けて、すぐに吹けるようにしております。

ホンモノのSAXだとホコリたまるし、もし落ちたらコワイし、

当てて傷が入るのもイヤなんでとてもマネできません!

軽いので、筆者などはストラップ無しで全然いけるのが良いです。

(ストラップリングは付いているので、必要な人はストラップを付けて吹こう!・・・付属してます)

サムレストがシリコンで滑りにくいのがいいですが、

サムフックがプラなので、ストラップ無しだとちょっと滑ります。

毛糸を巻いて滑り止めにしましたが、テープ系でもいいかもしれません。

ゴムチューブとかを切ってはめるのもアリかも?


<ケースとか・・>

別売で、専用のソフトケースが販売されてます。

普通のサックス用のソフトケースに近いものですが、

力一杯押しつぶされると、楽器ごとつぶれますから(笑)

クッションが効果的なのかどうかも疑問ではありますが・・・

クラリネオみたいな、四角い箱を保持できる軽い素材のケースの方が良いような気がします。

買った時に付いてくるダンボールの箱が意外にいいケースなので、これをダンボールから耐水素材のものに変えて、

耐久性をちょっと上げてもらえれば、これでも十分なような気もします。

開口部をよく封筒なんかに付いてるヒモで締めるリングのやつとか付けてくれたら十分かと。


<改善を求めるとすると>

1、足を生やして欲しい。自立すると机の周りなんかにも置いておけるし。スタンド無くても色んな所にヒョイと置ける。

2、ベルとかも取り外し出来るようにしたら?金属だとハンダ付けとかで一体化が好まれるけど、

  プラなんだし、分解して小型化できてもいいんじゃない?(ベルの先っちょだけ取れればよい。)

3、カラーバリエーションがあったらなぁ。数色の組み合わせとかも楽しいし、逆にゴールドっぽいやつとか。

イシバシ楽器が輸入元なので、詳しくはコチラまでお問い合わせください。

2012/12月 購入

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