Cello & Coo Sopranino

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<マウスピースはセルマーC#、リードはバンドレン3番>

2012年購入。今を時めく台湾製ソプラニーノです。

写真ではちょっと分かりにくいですが、管体はレッドブラスでキーはイエローブラスという仕様です。

もちろん筆者初めてのソプラニーノでありますが、なんと完全ストレート管のサックスも初めてです。

夢のソプラニーノ

なぜソプラニーノ?もちろん昔から渡辺貞夫さんのファンだからです。

サックスを初めたい!と思った高校一年生の時、欲しかったのがアルトではなく、なんとソプラニーノ!

しかし親切な楽器屋さんの反対や、当然予算の障害があってアルトになったわけです。

(当時はセルマーのマーク6かヤナギサワしか市場に無かった)

それから数十年、ソプラノ、テナーなども吹いたりして、サックス本体はもう十分・・・だったのですが、

いいオッサンになってくると「元気なうちに夢を叶えたい」などと思ったりするワケです。

しかも今は時代が変わって安価で性能の良い台湾製の楽器が出て来てたりするし、チャンスだ!

と独り勝手に思ったのが事のはじまりです。

そこでネットで色々調べると、ソプラニーノの定価って大体大雑把にこんな感じです。

セルマー100万円、ヤナギサワ50万円、台湾製某有名メーカー35万円

Cello & Coo18万円(この楽器)、無名台湾製10万円、某中国製6万円

と言うのが2011年現在での価格です。

不景気だと言うこともありますが、冷静に考えるとソプラニーノの使用頻度はアルト、ソプラノ、テナー、フルート

についで5番目くらいにしかならないので、どう考えてもセルマーはありえない!

ヤナギサワも予算がキビシイので、店鋪で試奏できる中では最低クラスの(値段が)Cello & Cooからいってみたわけです。

(写真だけで見ると台湾製某有名メーカー35万円、Cello & Coo18万円、無名台湾製10万円はほとんど同じように見えます)

近年貴重になりつつある手彫り彫刻も入って、なかなかゴーカ。

試奏の結果

うむ?レッドブラスの管体の影響が結構大きくて、セルマー等とは違った響きで、柔らかさがあってとってもいい!

ふんわりとした太い低音にソプラニーノのイメージに合った軽めの中高音。

大振りで見た目にはあんまり気に入って無かった左手小指のテーブルキーもやっぱり扱い易い。

音程も全体的に問題なくて、意外にずっしり吹き答えがあるので、ペラペラした音色にならない。

「なかなかやるじゃないか!」となったワケです。

店の説明によると、台湾製の無名品を輸入して、日本で本格的に調整して販売しておるのだ。とのこと。

もう今は無くなったけど○○岬みたいな感じかな?などと勝手に納得した次第です。

そこで、ようし!これで「ダウン・イースト」とか「パストラル」とか「マイディアライフ」とか吹きまくってやろう!

と購入を決めたと言うわけです。

楽器を良く見てみる

パームキー、テーブルキーはカドソン等と同様で、セルマーのセリエ2に基づいたモダンキー仕様になってます。

確かに小指はラクだけど、突起が大きくて取扱いがちょっとコワイし、せっかくのコンパクトさがちょっと薄れるなぁ。

でもその辺の力のかかる支柱やアームなどは洋白が使われておりますので、強度は御安心を・・・というところでしょう。

台湾製もだんだんと抜かり無い設計になって来ております。

ボタンもオーソドックスな白い貝で良かったです。

HighF#キーとかフロントFキーとかは別に無くても良かったのになぁ。

サムフックもサムレストもイエローブラスのラッカー仕様のようです。

ストラップを掛けるリングはありません。手持ちです。

筆者はソプラノでもストラップ無しなので、なんの問題もありません。

ブランドロゴの空欄がなんだか悲しい・・・思いっきりノーブランドじゃないですか!(笑)

真っ黒なケースよりはオシャレな配色と言えなくもないが・・・

ケース外形は多分トランペットの使いまわしで、ムダに高さが高い。

丈夫なのは良いけどちょっと重いなぁ。せっかく楽器が小さいのに持ち運びに困ります。

ソプラニーノはケースメーカーの製品なんてないので、少々悩ましい問題です。

渡辺貞夫さんのアルト+ソプラニーノのWケースなんかうらやましいですね。

「MADE IN TAWAN」の刻印が異常にデッカイです(笑)。たぶんテナーに彫っても目立ち過ぎるくらいデカイです。

(ブランドロゴよりも確実にデカイのです!)

やはり近年台湾サックスの品質向上に対する自信の表れでしょうか?うむ〜。

接着剤のはみ出しやら、キーの裏側jなんかはヤスリ跡とかが適当に仕上げられて大雑把ですが、音にはカンケー無い所。

こういうのが気になる人はヤナギサワとかちゃんとお金を出して買いましょう。筆者はヘーキです。

<使ってみて>

まずは付属のマウスピースとリガチャーがあんまり良く無いので、とりあえずセルマーのC*から始める事に・・・

ソプラニーノはマウスピース選べないですなぁ(笑)

付属のマウスピースで試奏したら誰も買わないと思うので、ここは付属を思いきってセルマーなんかにするべきじゃないでしょうか?

リードもヴァンドレンの青箱しか選べません。ま、コレはいいかな?

リガチャーはロヴナーのソプラノメタル用ので合うやつがあったので、とりあえずそれにしました。

マウスピースはソプラノで比較してもセルマーのラバーよりヤナギサワのラバーの方が軟らかめの音色なので、

そのうちヤナギサワのラバーの7番くらいを手に入れようかと思ってます。

キーのレイアウトなどはほとんど気にしない「慣れれば良い」派なので、運指のしにくさなどは感じないです。

多分セルマーと比べてもそんなに違和感がない様に思います。

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ビブラートの掛け過ぎには要注意ですね、下品になるし、音程も危なくなります。

ここはグっとこらえてノンビブラートでいきたい所です。

肺を使ったビブラートを伸ばした音にちょっと掛けるくらいで十分でしょう。

アゴを使って掛けると掛かり過ぎの感がありますので。

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ライブでちょっと吹いてみると、音程の正確さには非常に驚きました。

仲間のギタリストからは「いつものカーブドソプラノより音程がいい」

とのこと。確かにSC800は80年代のヤナギサワのカーブドで、

音程もクセがあって放っといても音程が取れる楽器じゃないですから、時代の進歩なのかもしれません。

ちょっと楽器の反応やキーなど重いと言えば重いかもしれませんが、

そもそも小さい楽器なんで、たいして気になりません。

吹き込んで行けば反応も早くなってくることでしょう。

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結論からすると、コストパフォーマンスは非常に高いです。

十分楽器として成立してると思います。

今後ライブ等で使用して、追加インプレッションを書いて行きたいと思います。

2012/02/24


数回ライブで使用しましたが、やはり音程がなかなか良い。セルマーのEマウスピースを中古で入手してますます吹きやすくなりました。リードはファイブラセルのソプラノ用を使用。結構イケるもんです。ライブ中でも吹いても2曲くらいなので、プラリードは乾燥などに強く非常に頼りになります。

2013/10/11

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