ソロイスト、ソロイブミ。

2002年に復活したセルマーソロイスト(ソリスト)シリーズ。いったい何者なのか?ビンテージのショートシャンク、ロングシャンクと吹き比べてみた。

左からNEWソロイスト、ロングシャンク、ショートシャンク

ショートなの?ロングなの?

ビンテージのソリストにはシャンクの長さが短いショートシャンクと長めのロングシャンクの二種類がある。Newはいったいどっちなのか?並べてみると長さはロングとほぼ一緒、Newは一応ロングシャンクの復刻版と言うことになるのだろう。内部構造も目視ではほぼ同じように見える。

音色は?

ショートの反応の早い、細いがキレのある音色に比べて、ロングはややこもった感じの音になるが、Newも近い音色と言ってもいいだろう。ただビンテージの方が息がスムーズに入り、楽器を鳴らし切ってくれる。それに比べるとNewはMAXではちょっとつまった感じになり息が入っていかない。したがってダイナミクスにおいてやや差を感じざるを得ない。音色はロングだが、反応や吹き心地はS80などのセルマーの一般的なマウスピースに近い物がある。

ディティールは?

Newソロイストのレールはちょっと太めで、安全志向。この辺もマイルドな音色になる要因かもしれない。

なんでロング?

今人気なのはケニーギャレットなどでお馴染みのショートなので、なんでロングを復刻したのだろう?コンセプトに疑問??

まあ、ショートの代わりにスーパーセッションを出したと言うことか・・・

はたしてビンテージの代用となるのか?

音色的にはまあまあビンテージらしさは出ているが、ビンテージ特有の反応の点ではもう一つ。Newが悪いマウスピースだと言うわけではない。ビンテージがすごいマウスピースなのだ。そのためアメリカを中心に中古価格が高騰しており、気軽に買えるNewはジャズ入門マウスピースとして、一つ持っていても悪くはない。前回のテナー吹き倒しの時みたいに、真剣に新しい楽器を買おう、と言うような場合に、まずマウスピースだけ入手するにもいいだろうし、音程のチェック、スケール練習などにもいいと思う。