<ライブで使ってみた>
最近活動中のフュージョンバンドで使ってみた。サンボーンの曲からナベサダ、スパイロジャイラなどアプローチが違う曲がレパートリーにあるので、すべてをまかなえるか試してみる事にした。以前までは「元気の良いラバー」ですべてをまかなうか、「少しマイルドなメタル」でいくか迷ってた時期があったのだが、「元気のいいラバー」ではどうしてもサンボーンのようなキレが出し辛く物足りなかった。「マイルドなメタル」もなんだかなぁ・・という感じでいったりきたりしていた。楽器を2台並べて、一つはハイバッフルのメタル、もう一つはラバーを付けて吹きわけるか?と思った事もあったくらいだ。
このマウスピースの完成でそのような悩みはすべて吹っ飛んだ。最大パワーではシルバーの豪快な鳴りで、誰よりも抜ける音で吹く事ができるし、メロウなバラードでも流れるようなメロディでもすべてが違和感なく吹ける。しかもトーンに独特なキャラクターを持っていて、説得力のある音色が得られる。適度にバズノイズもあって、サブトーンもなかなかの味だ。筆者にとっては反応が早すぎるマウスピースだと息を少しずつ入れる事が難しいので、このくらい息をラフに入れてもすぐには鳴ってくれない感じがとても使いやすい。
サンボーン氏のように大スターならば、常に抜ける音で前に出てプレイしてもいいだろうが、筆者のマインドとしては普段はバンドに溶け込んだサウンドで行っておいて、「イザ」という時に前に出る感じで行きたいのだ。この感じわかってもらえるだろうか?
ハイパワーなフラジオでも詰まる事は皆無で、この辺はサンボーンモデルの長所が完璧に発揮されている。フロントF#での歪みも安定して素晴らしい。
JAZZ〜ファンクまで幅広いジャンルで演奏するバンドでも(ドラムなどの生音かなりデカい)使ってみたが、ジャズでVoにカラむソフトめな音色においてもバランス良く吹け、ドラムがフルパワーでガンガン来る曲でのロングソロでも力負けせずに吹き切る事ができた。ヒステリックに暴れる事さえ出来て最高だ。
その他デッドなスタジオ、少々うるさく響くスタジオでの一人での練習、15人のホーン隊をバックにしたラテンビッグバンドでのソロなどでの環境でも不満を抱く事はなかった。
アンブシュアがリラックスして吹けるので、比較的長時間の演奏でも苦にならないのはありがたい。
不安があるとするならば、もうマウスピースについてあれこれ悩む事ができないのか・・・ということくらいだった。いや、ホントに。
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