日本にはなかなか輸入されて無かったフィルバロンのマウスピースであるが、今回marmaduke saxophone
accessoriesのデックス氏の御好意により試奏することができた。セルマーリファレンスや、ヤマハ82Z、その他楽器メーカーに吹き荒れる「マーク6」復刻の嵐。マウスピースも「NYマイヤー」や「NYリンク」など50年代のビンテージ復刻が盛んになってきた。本家マイヤーも80周年に復刻モデルと称して発売したが、あれはサウンド的には純粋な「復刻」作業とは違うように思えた。(気に入ってるマウスピースの一つであるが)その問題の多くは素材のハードラバーにあったと思う。最近は合成樹脂の成分の多いラバーが良く使われているが、昔のものはゴム成分が多いようなニオイがする。このフィルバロンもザラザラしてゴム臭い。吹いてみると先ずは息の通りの良いマウスピースの特徴で、リードが柔らかく感じる。これなら1ランク堅いリードにしても良さそうだ。さて、吹いてみると先ずはマイヤー風のダークかつエネルギッシュな鳴りで、気持ちが良い。マイヤーよりもややダークかもしれない。同じフィルバロンの「JAZZ」モデルよりは若干コンパクトで軽めの音色になり、アルトらしいとも言える。現行マイヤーよりもっとビンテージテイストの欲しい人にはお勧めできる。NYマイヤーの替わりになるかと言う観点で見ると、スピード感の点で若干不満は残るが、サウンド的にはなかなか迫っているとは思う。2005/06/10 |