Meyer Rubber

マイヤー(ラバー)定価¥11,000

6MM

5MM

5MM(Like Art Pepper)


  渡辺貞夫氏やグローヴァーワシントンJr (オールドを使用)などの使用でも知られ

 アルト奏者が先ず手にするポピュラーなマウスピースである

  ほとんど、どの楽器店にも置いてあり手に入れやすい。

楽器に付属のマウスピースにパワー不足を感じた人が最初に購入するには

 違和感なしに、すんなりパワー感とブライトなサウンドを手にいれることができる

初心者からプロまで多くの人に愛される定番のゆえんだろう

  ある意味でアルトの本来持つサウンドに一番マッチしているとも言える

 しかし反面個性は出しにくくマニアライクな楽しみは少ない。

小さいことだが、値段が安くなった分キャップがゴールドメッキのもの

から、黒のプラスチックに変わってしまった。相当安っぽい。

  使用プレイヤーを見てもマウスピースとかなんとかはもう超越してしまったハイテクニックな人が多い

余りリードやマウスピースに気を使わず演奏に集中したいひとで

  セルマーよりパワフルなサウンドが欲しい場合にはよいだろう。

初心者でも扱いやすいマウスピースである。

個人的には息の入り方が心地よく、音楽に集中できるのがよいと思う。

ただし、一般品はバラツキが結構あるので、できれば経験者に選んでもらうことがベターだろう。

 ジャズ系の人に人気があるのはニューヨークマイヤーというオールドのマウスピースで、

かつてマイヤーがニューヨークにあったころの少量生産のものである。

素材のハードラバーは史上最高とも言われている。

レスポンスも微妙な音の艶もこちらの方が数段上であるが入手は困難である。

最近80thアニバーサリーモデルというニューヨーク復刻版が出た。↓

 これもスタンダードモデルよりも数段よいが、樹脂の原料までは同じにはできないようで

音色はやや明るめの現代的な音になっているようだ


Meyer N.Y. (80th Limited Edition)

マイヤー(ニューヨーク復刻版)定価¥29,500(販売当時、現在は製造中止)

6

Ballad

Funk


  マイヤー80周年を記念して作られたモデルである。

マイヤーがかつて60年代までニューヨークで作っていたハンドメイドの物を復刻したと言うモデルだ。

外観は一般のマイヤーとほぼ同じだが、

LIMITED EDITION

NEW YORK

の刻印が誇らしげに刻印されている。

本物のオールドのメイヤーは特にジャズアルトプレーヤーからはアメリカでも日本でも絶大な支持があり、ビンテージ価格もうなぎ登りだ。(5万円以上は最低でも覚悟しなければならない)一方80周年モデルの素材は通常のモデルと変わりないと思われるので、全くニューヨークオールドモデルと同じと言うわけにはいかないが、一般のモデルよりも仕上げがかなり丁寧で、ビークの長さが若干長くその分バレルが削られているので、その分軽量になっているハズだ。チャンバー形状は後期のニューヨークマイヤーを参考にしたようである。さて、吹奏感だが、一般品よりもさすがに反応がよい。基本的なサウンドは変わらないのであるが、けっこうブライトでヌケが良く、妙な抵抗がないので、息がストレートに楽器に入り、その結果よく楽器が振動する、という感じになる。同じリードが柔らかく感じるのが無駄な抵抗が無い証拠だろう。キャノンボールなどの楽器が鳴りきる感じは確かにこちらの方が出る。(ブライトさがもうちょっと控えめでこれだけ通ればベストだが)早いフレーズを大きな音で吹くときほど、その違いが明確になる。ジャズのフレーズを吹いている時に最も気持ちのいいマウスピースだ。作りがいい分フラジオなどの安定性が非常に良く、この辺を良く使う人には一般モデルより断然良い。フュージョンやR&Bにはちょっとマイルドかもしれない。これに比べると、一般品は少しこもったような、ペラペラした感じの音に聞こえる。ただし、その音色の差を3倍の価格差を出してまで、初心者の人が買うのはちょともったいないかもしれない。(お金があるなら買うべきです、後々長く使えます)一般品だけを吹いてみれば「これでもいいかな?」と言う感じは受けるのだ。また、ダークさも一般品の方があり、「パリッ」と鳴るのが好きな人は「NY」、ややダークなジャズサウンドを目指す人には「一般モデル」がいいだろう。このマウスピースを端的に言うならば、ビンテージの形的なコピーではなく、その先の楽器の「鳴り」のイメージを同じにしたかったのだろう。キャノンボールやフィルウッズの様な「これぞアルト!」と言った、パリッと楽器が鳴ってるジャズサウンドを求める人。ノーマイクで生音勝負する人には是非試してみてもらいたいマウスピースだ。ビンテージニューヨークの替わりとは考えないほうがよい。エレクトリックに対抗するブライトなラバーを探している人には、おかど違い。レイキー、ESM、ランバーソン、ジャンボジャヴァなど他にいくらでもある。

フュージョンのバンドをやりはじめてから、色々試した所、なかなか具合がいいのでまた使いはじめた。shureのピックアップマイクにしてから感度が良いので、結構ハードに吹いてもあんまりうるさく無いこのマウスピースがサウンド的にしっくりきたからだ。上の文章で「ビンテージメイヤーは5万円」なんて書いてるが、今や10万オーバーは当たり前で、なんとこの80周年モデルでさえ5万円に届こうかというプレミアになっているようだ。使っている方は「そんなにいいかぁ〜?」と思うのだが、定価が高かったのであまり数がでなかったのかもしれない、困ったものである・・・・

(2008年12月)


"G" by Meyer

"G" by Meyer 定価¥11,000

6

"G"というのはグレゴリーの頭文字で(フレディーグレゴリーではなくMCグレゴリー)アメリカでは特に人気の高いヴィンテージを復刻させたマウスピースになっている。MCグレゴリーはポール・デスモンド(テイクファイブでおなじみ)のようなウエストコーストの軽くまろやかなサウンドを表現するには不可欠で、また現在そのようなマウスピースが無いため、ヴィンテージが高値で取引される、といった現実がある。さて、この"G"だが、なぜメイヤーから発売されたのかわからないが、通常のメイヤーと比較すると、肉厚で、チャンバーは狭くなっており、効率は落として、息音(ホワイトノイズ)が大きくなる設計のため、ボリュームは小さめだ。抵抗感もマイヤーよりも強く、吹くのがしんどいわりにボリュームが出ないという非効率な設計になっている。逆に言えば現代のマウスピースが効率優先でキレイな音がするものばかりになってしまったため、このようなコンセプトのマウスピースも存在価値があるのだと思う。ただ、ショートチャンバーのため思いっきり吹き込めば、以外と明るい音で鳴るという状況もありうるが、ここはやはりMCグレゴリー的にソフトな高音を楽しみたい所だろう。惜しむらくは、素材が通常のマイヤーと同じものであると言う点と、フィニッシュがこれまたマイヤーレベルで、個体差もある点だ。(NYモデルくらいのレベルでやってくれればよいのに・・)設計的にはヴィンテージを踏襲しているのだろうが、当時の職人技的なフィニッシュまでは期待できないと言うところだ。ただ、気軽な値段でヴィンテージの雰囲気を味わうには良く、ウデのあるプレイヤーならポールデスモンドサウンドを出すことも不可能ではない。初心者にはしんどいのみであまりメリットは無いと思う。通常のマイヤーよりも一つサイズを落したほうが吹きやすいように思った。それにしても、「ニューヨーク」のマイヤーが「ハリウッド」のMCグレゴリーを作るというのは奇妙な感じがするものだ。値段を考えるとお買い得なものだが、入荷量が少ないらしいので良いものに当たればなかなか良いと思う。(2002年5月)




Meyer(Richie Cole)

マイヤー(リッチーコール)定価¥19,500

5M (音源ナシ)

バリのリッチーコールが結構パリパリ鳴るので、同じ系統かと思って避けてたのだが、今回試奏して驚いた、意外マイルドなのだ。まず外見から行くと、本体のテカリがあまりなくニオイがなんだかゴムくさい、最近のマイヤーは見た目もほとんどプラスティックっぽく、堅くてニオイなんかほとんどしない。コレは素材からして違うのではないだろうか?さて、とりあえず吹いてみると、バリのRCモデルとは違い、非常にウォーム。マイヤーの普通のモデルよりウォームだ。あまりパワー感のあるイメージではなくて肩透かしをくらった感じだが、ヴィンテージ路線と考えると良いかもしれない、マットなマイヤーというと”G”があるが、”G”が「イコライジングで中高音をちょっと削って、ホワイトノイズを加えた」感じならば”RC”は「トーンコントロールの高音を絞った」感じかもしれない。普通のマイヤーでもややうるさいと感じる人は試されたし。(2005年3月)

写真を提供していただいたISHIOKAさんによると、6本の試奏の結果バリバリに鳴るものから、ダークなものまで結構バラつきがあったとのこと。ダークかつバリバリ鳴ってくれるなら、ビンテージのNYマイヤーのイメージに近い。確かにビンテージのマイヤーは現行よりもダークだが、狭めのオープニングであっても息通りがすばらしく、その結果、ピアニシモの反応も早く、フォルテでは詰まらずに楽器を「パリっ」と鳴らしてくれるところが美点だと思う。

このマウスピースはなんでもリッチーコールがフィルウッズから譲り受けたNYマイヤーを元にしてるとのことで、マイヤーのマイヤーによる復刻だと考えると興味深いのだが、リッチーコールの指示がどれほどのモノだったのかが気になる部分ではある。

(2007年10月)


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