Marmadukeから第3の刺客とも言うべきスクエアチャンバーのマウスピースが登場した。
平たく言えばクロードレイキーとかラニヨンのBIONIXのスタイルに近いものだが、レイキーほどトンネルは狭くなっていない。ラバーの響きを活かしつつスピードのある息をつくり出して、いわゆる「固めの音」を目指したものだ。
Marmadukeには珍しく本体に彫刻が刻まれている。音色やプレイに人とは違うこだわりを持つプレイヤーに使って欲しいとの表れだろうか?
音色は弱めに吹けばラバーらしいウォームな響きで、音量を上げるに従ってハードな音色になっていく。レイキーに比べるとその変化は穏やかで、コントロールしやすいように思う。フルパワーで吹きまくれば相当にアバレてくれるマウスピースでもあって、ラバーでゴリゴリ吹きたい人やアグレッシブなスタイルを目指す人にもオススメだ。
意外に押さえも効くので、ビバップに使うのもアリだと思う。レイキーでジャズをプレイする人もたまにいるが、そういう方々にもちょっと幅を広く持てていいんじゃないかと思う。エレクトリックだったらフュージョンと言うよりはファンクとかホーンセクションなんかに合いそうだ。キレイじゃない方向にも行けるのが魅力でもある。
筆者の愛用するビーチラーのトナレックスもスクエア系のチャンバーだが、バッフルが全然無く(逆にえぐれてるくらい)、それを考えるとこのマウスピースにはバッフルも割とあるので、レイキーとトナレックスの中間くらいと言う事もできる。(素材等は大きく違うが)
実の所筆者はレイキーを吹くのが大変苦手で、なかなかコントロールに苦労するのだが、Marmadukeははるかにコントロールしやすく、「これだったらイケるかも?」と思わせるものがあった。
個性派のマウスピースなので好き嫌いは分かれるだろうが、ラバー系にこだわりをもちつつ、パワフルな演奏をしたい人にはもってこいだろう。個人的には泥臭いスタイルで個性を発揮したいプレイヤーに試してみていただきたい。
2013/10/11
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