オットリンクのトーンエッジと言うマウスピースは1940年代に登場して以来、現在までも作り続けられている銘品ではあるのだが、むしろテナーで人気があり、アルトでトーンエッジのヴィンテージを求める人は少数派である。初期のトーンエッジはバレル上の「Otto
Link」のサインが斜めに刻印されており、”スラント”(ななめ)などと呼ばれて、ダークなサウンドがテナーでは特に人気がある。1960年代にニューヨークからフロリダへ工場を移転し、”スラント”サインも真っ直ぐに変わったが、スタンゲッツやウエインショーターなどが使用し、むしろこちらの方が実用的でもあり、ヴィンテージは高値で取引されている。1970年代にはバビット社に買収され、現在に至っている。バビットの初期までは比較的作りが良く”アーリーバビット”などと呼ばれている。アルトでは使用プレイヤーは少なく、あまりに楽器がブライトすぎる場合には良いかもしれないが、筆者のスタイルからは最も遠い位置にいるマウスピースなので当面使う事はないと思う。 |