以前試奏したときは軽いイメージが先攻したため、上記のような感想になってしまった。確かに軽く吹いた時の柔らかさとハスキーさが同居したサウンドはこのマウスピースの一番オイシイ所であるかもしれない。しかし近年筆者のよりハードにアルトを鳴らしたい衝動から、よく使用してきたマイヤーではちょっと高音&ビッグサウンド時の詰まり感がキツすぎる状態になってきた。楽器をもっとヘビーなものにすれば解決するかもしれないが、そう簡単に楽器を変える(買える)訳にはいかない。そこで、久しぶりにジョディを試した所、小さい音が太すぎず、アルトのいい「軽さ」が出ていて、大きな音やフラジオもマイヤーより反応が良い。大きな音でも耳障りな周波数が絶妙にカットされているので、元気さは感じるがウルさくない感じになる。フェイシングがマイヤーのミディアムよりもちょっと長いようで、そのへんがビッグ&ハスキーなサウンドにも影響しているように思える。逆に言えば、多少息を持っていかれる感はあるので、自身の練習でカバーしなければ・・・と思う次第である。
「クセの無さ」に関しては以前と同じ感想で、ヤナギサワラバーのような「面白く無さ」を感じる事もあるが、「味は演奏でつければ良い」と思う方には良いマウスピースで、ひきかえに、「ピッチの安定」「フラジオの抜け」などが手に入る。「クセの無さ」というよりはクセの変化が穏やかなだけで、「ジャジーな音」というキャラクター付けは十二分にできているので、後は使う方次第という所だろう。
なお、番手については多少のバラツキもあろうかと思うので、できれば吹いてみてから決めていただきたい。前はマイヤーよりも一番手大きめでも・・・と書いたが、結局筆者もマイヤーと同じ6番を吹いている。最近は各ショップでもチラホラ見かけるようになってきた。クセの少ない、いいマウスピースだと思うので、もっと広まって欲しいと思う。
2009/11/16
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