Jake

ジェイク クリスタル

Ballad

Funk


 

筆者の長年の友人が最近アルトもテナーもジェイクにしたとの事で、愛用のジェイクをちょっと貸してくれたのでインプレッションしてみる事にした。

筆者の持ってたジェイクマウスピースのイメージは・・と言うと、ラバー系にしてはパワーも入るし、ジャジーな音からパワフルなロックサウンドまでカヴァーできるスタジオミュージシャン御用達という感じだけど、シロウトが出したい音を自由自在にコントロールするのはなかなか骨が折れるナ、いうものだった。

今回久々に吹いてみて、大枠のイメージは変わってないのだが、色々と気付いた点も多かったので、まとめておこうと思う。

その前に、ジェイクマウスピースの成り立ちを・・・・

ジェイク氏はスタジオミュージシャンとして有名で、ユーミンを始め数々の(石川さゆりとか)ポップス〜歌謡曲、ジャズetc...のレコーディングに参加している。

もともとはフィリピン出身で、若い時からミュージシャンとして活躍されていたようなのであるが、20代で来日し、70年代〜80年代頃は日本のスタジオなどで多くプレイした。その環境の中、オーソドックスなジャズのマウスピースでは、いささかきらびやかさに欠けると感じたことだろう。また、サンボーンがスタジオで活躍しだしたこともあり、パワーのあるフラジオトーンも要求されたことだろう。もちろん演歌やジャズのシブシブの音色も要求される。

ジェイク氏はそのすべてのサウンドを吹きわける技術を持っていたが、そのすべてに対応できるマウスピースが市場に無い事に気付き、なんと自分で作ってしまったのであった。その後、仲間のミュージシャンが「俺にも」と製作を依頼し、そのパフォーマンスの高さが評判になって一般市場にも出回ることになった、、、、と筆者は認識している。

現在ジェイク氏は76歳で、現役ミュージシャンとして活躍されているが、マウスピース製作はもうやめられてしまったとの事で、まことに残念だ。(ESMのジェイクカットという仕上げだけしたものがまだ流通しているようだが)

で、マウスピースのインプレッションである。

オールマイティーなサウンドのマウスピースではあるが、オールマイティーに色々なスタイルの人にマッチすると言う訳ではない。息の量は割といるので、初心者向きではないし、ラバーとしては驚く程安定した、パワフルなフラジオもそういう吹き方をしない人には必要ではないし、コンパクトな息でシブめにジャズだけをやりたい人には、現在多く存在するネオビンテージ系のマウスピースの方がピンとくるものがあるだろう。

このマウスピースが似合う人は、息をたっぷり使って太く、豪快にも繊細にも吹きわけられるテクニックの持ち主という事になるのだが、トーンはマイヤー系のものより若干カタめな印象なので、現在のダーク〜ブライトの二極化したサウンド(ダーク勢力が強いように思えるが)傾向の中では、あまり無い性格のものであろう。80年代はビーチラーとか、レイキーとかラバーで良く抜けて音の明るいマウスピースが流行ったものである。

筆者も含めて色々なジャンルに手を出す、基本的にパワフルに吹きたいプレイヤーにとっては今だに魅力的である。ちょっとこもったような鳴り方も時代を感じるとも言えるが、筆者などには懐かしさを感じるような響きだ。

筆者の座右のマウスピース、トナレックスも似たような意味合いで選んだものだが、ジェイクの方がややサウンドが現代的で、コントロールの幅も大きい。トナレックスの方がジャジーで古い感じのサウンドだ。ジェイクは80年代っぽいというか、よりエレクトリックにもマッチするパワフルさを備えている。

この時代の他のマウスピース(ジェイクは限り無く現行品に近いのだが)は仕上げの良いものが少ないので、ハンドフィニッシュのジェイクはある意味貴重品であろう。

以前あんなにコントロールに苦しんだジェイクマウスピースを、今は楽しく吹く事ができることに自らの成長を感じて、ほくそ笑む筆者であった。

<2012年10月>


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