MPC2000 は史上最強のライブシーケンサーである。  
 

 いきなり挑戦的な見出しですが、僕はそれぐらいこいつの可能性に期待しています。(まだ納得いかない点が多いが
OSがアップデートできるという事実がぼくをそうさせるんです。)

 Midi Production Centre の名の通り最近の電子音楽(良い響きだ)作りに必要なものが一通り入ってますし、
(エフェクターはオプションだけど安いしね)なによりその可搬性は僕みたいな貧乏音楽家にはぴったりです。
シーケンサーは好みが別れるかとは思いますが質実剛健な感じで僕は大好きです。ステップレコーディングの
ろくにできないアメリカ物なんかじゃDrum'n'Bassなんか作ってるときマニアックにブレークビーツを弄くり回せないし。
(ロールなんかどうやって作んじゃあんなもんで)。そんなわけで僕はASR−XよりMPC2000を選んだのでした。(安いし)

とりあえずフレキシブルに変えられるシーケンスの長さ(ビート単位で。拍子も後から返られる)やコンピュータライクな
カット&ペースト等、そしてハウス・ギャラージで役立つシャッフルクオンタイズなど便利そうな機能は一通りそろってます。

僕は体より頭の中でグルーブを組み立てる人なのでステップレコーディングを使う事が多いのですが、専用のボタンが
揃っていることやMPCファミリの進化の中で培われてきたユーザーインタフェイスなど実際に使用していてかなり快適です。
リアルタイムレコーディングはその名前の通りの機能なので説明しませんが、この二つの録音法両方についていえるのが、
非常によく設計されたロケート機能です。
 シーケンサには通常プレイ・ストップ・録音・巻き戻しなどのボタンが付いているものですが、MPC2000にはさらに
「オーバーダブ」、「プレイスタート」ボタン、そして巻き戻し・早送りの変わりに5つのロケートボタンが装備されています。
「オーバーダブ」は通常の録音ボタンが現在のデータを上書きするのに対し、マージしながら記録していきます。
「プレイスタート」はスタートボタンがロケイターのいちから再生を開始するのに対して、押した瞬間シーケンスの
最初からプレイします。
ロケートボタンは小さい左右の矢印+Go Toボタン+大きい左右の矢印の5つによって構成され、
最初はなぜgotoボタンがあるのかわからないと思いますが、組み合わせによって(特にドラムのプログラム中)行きたくなる
であろうポイントに瞬時に移動できることに気づけばもうリズムプログラマーにとっては手放せないほど快適な設計です。

こういった一番原始的なレベルでの快適さを実現しているあたりMPCの歴史みたいなものを感じます。

細かい事を言えばステップレコーディング中ベロシティーやコントロールチェンジ等非常に多くの数値がせっかく装備した
10キーパッドから直接入力できない、演奏中はシーケンスのパラメータ(MIDIチャンネル、プログラムナンバー等)
を変更できない等(プログラムのエディットはOS1.5から演奏中も出来るようになった)
詰めが甘い部分も有りますが、この辺はソフトウェア次第ということで、アカイの積極的な態度に期待したいです。
 (以前英語のサイトで開発スタッフが日本人で全員英語をしゃべるわけではないために
言語問題からOSの問題対策が遅れているといった事をアカイサイドが言っていたような記述を目にしたのですが
アカイに日本語でメール送っても読んでもらえるんだろうか?)

そしてなにより元河合楽器Q−80の、現MC−303のオーナーとして何よりうれしいのが最近のOSのバージョンから追加された
ドラムパッドを使ったトラックのミューティングです。
Q-80,MMT-8,MC-303 のどれかを使ったことがあればあの便利さはすぐに分かるとおもいます。
しかも16*4の64トラックですからほとんどの場合一台でシーケンスはほとんどまかなえるはずです
(MIDIアウトも2系統付いてるし)
それでも後から付け足した機能なので4つのグループの切り替えが一つのボタンを用いたトグル式と少々扱いづらい
面も有りますが、それでも他のどのシーケンサより使いやすいです。
 でも将来のOSにむけて希望もあります。それはずばり、「トラックのグループ化」です。
ややこしそうですが、全然たいしたことはなく、MC−303のドラムトラックのように、一つのボタンで8個ぐらいの
トラックのオンオフを一辺に切り替えたいのです。こうすれば、いちいちドラムを全部消したいときに両手の指を
伸ばさなくてすみます。 他にも細かい事は「バージョン2への希望」のページをご覧ください
とにかくシーケンサ部に関してはかなり完成されていると言えるMPC2000ですが、それ以外の面では

その他のアイデア等もぜひ(出来てるはずの)前向き意見交換所または僕当てのメールで教えてください。
MPC2000はまだまだOS次第でいくらでも化ける機械です。(でもアカイはMPC3000の頃からなんかこういった
アプローチには消極的なのだそうな。でも弱気になっちゃだめだ!)
 

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