■行き先■

僕はここにいる
けれど魂の半分は、、、

道は永遠じゃなかった
僕の望んでいたように感じたものも
実際のところは違っていた
終点が来る事を残念に思うよ

いつも悲しいんだ
君に届けばいいと思ってる
でも信じなくてもいいよ
ただ悲しいんだ
君の笑顔が
僕をダメにする
そんなのってあんまりだ



■光の届かない場所■

僕の知ってる世界は美しいから
絶望なんてできないんだ
まだ悪魔に会った事がない
幸運なだけかもしれない
僕は知らないだけかもしれない
君は傷ついているのかもしれない
本当には
誰にもわからないよ
君の見ていた先は
あまりにも真っ暗だったから

光のあたった所しか見ていない僕たちには
君の見た暗がりを理解するのは無理だろう
君が幸せでありますように
そんな言葉さえ
君を不信の沼に引きずり込む
その一方で君は酷い言葉には好意的だ
君の知ってる世界は
あまりに渾沌としていて
例えば小鳥たちだって道に咲いている花を疑っている

みんな驚いているんだ
君に何があったのか
誰にもわからないよ
それから少し
僕らは悲しくなったんだ
理由は誰にもわからなかったし
誰1人として上手く説明する事もできなかった



■サービス料■

僕らは自分で選んだと思いたいんだ
だからどんなにステキなものも
押し付けられたものに価値はない

何かをするとき
まるで消費税のように
善意をつけるのが当然だなんて
まったく正気じゃない

困った時は神様を思う
僕らは神様がいないって事を
確認するために祈っている
それで身の回りにある歪みを
納得しようとしているんだ



■深度■

あの時
元気だと言った
君は酷い嘘つきだ

だって僕は何も知らずに笑ってしまった
ここを見ていない君の眼差しに
気付けなかったんだ
透明と水色とに上塗りされて
見通せない漆黒
君はもう決めていたなんて

僕は最悪の気分だって笑った
いつもと同じだって思ってた
穏やかな水面の真下は激流
何もかも飲み込まれて
今はもうない



■コールドプレイ■

たまらなく眠い
さっき起きたばっかりなのに
指先が驚く程冷たくて
僕はもうダメかもしれない
僕はもうダメかも

すべては自己完結している
もう終了しているんだ
ただ悪夢がやってきて
くり返し思い出させる
僕の身体中を
猛毒が駆け抜けていくんだ

僕は見放されたような気分だ
置き去りにされたような気分だ
もう終了しているんだ
そしてこれから始まるっていうのに
僕は今も落ちていっている最中だ



■3秒間の奇跡■

ほんの少しの祈りが必要なんだ
君が知ってるより
ほんのちょっと余計に僕は疲れてた

あの風の強い日
雲の切れ目から差し込んだ日の光は
奇跡のように美しかったけれど
僕が見つめていたのは3秒間だけ
他の事に気を取られていたんだ
君にも見せてあげたいなってね

胸を痛めてくれるかな
僕のために
ほんの少しでいいんだ
僕の目にした短い奇跡の時間だけ
そうすれば僕は
また大丈夫だって言うよ



■君の音■

君はオルゴールのねじを巻き続ける
もうその必要はないんだよ

何も言わないですむように
君は音を流し続ける
悲しい歌が
この部屋に満ちているんだ
驚くべき低温
もう嘘はつけないよ

耳を塞いでも手後れだ
音は聞こえてしまった
そのオルゴールが壊れている事を
僕は昔から知っていたんだ