■陰の落下■ キミの声が聞こえる ああでも遅すぎた 僕の身体は落下中 振り向くのは もう厭なんだ 助けなんて 救いの言葉さえもう 要らないから あの空へ解けて消えるために 忘れて忘れて忘れて 何一つ残らなくていい ああこれでやっと 僕は幸せだ ■足りないもの■ 全てに呪いを吐いて そこにある片っ端から火を放ちたい それでも何も終わらないだろう だから本当はそんな事も 玩具を取り合う子供達の 小さな抵抗ほどにも 本気で思ってなんかいない 与えられる箱舟なんて無い とっくに見放された どこかが足りない僕達の 約束された不安定 体中軋んでくり返す 毎日を まるで夢のように生きている ■システム■ 暗がりを見つめる事ができるだろうか 自分にどうしようもない事は 何ごともなく 僕のせいじゃない ■蔓草■ すきだったもの まるで 暗がりの中 あの白い白い羽根はどこから来るのだろう ■冷たい床■ いずれなくなると信じてた こわいものは どこに潜んでいたのか 床下から這い出すよう溢れて 部屋に満ちていく 黒、白、水色、また黒、黒、、、 ループする静寂のなか 時折紛れる旋律 目を閉じたら 空気に溺れていくようで 息苦しさに耐えかねて 肺にたまった憂鬱を 吐き出すように息をついた |