夜の散歩道 
 私が生きてきた・・・。そんなことばたちの自己主張です。                    

            エッセイ&詩&詞集 
        酒でも片手に、どうぞ・・・。
 
・ワルツな夜・
だってほらピアノも酔っているじゃないか・・・。あいつの声がまた聞こえてくる、煙にまみれた心の中に、おかげでボトルもあいちまって、もうたちあがる事も出来やしない。たのみがあるんだ、あんたにひとつ、昔愛した女の話でも、いらついたその喉で聴かせてはくれないか?あんたの記憶がたしかなうちに・・・。         疲れさせるあいつの言葉も、今じゃとても懐かしい。歌うすがたを隅から見ていた、そう今夜の様に・・・。 ゆきずりの夜のまぼろしを、知らず知らずにさがしてしまう。あいつの残したあの言葉、忘れることすらできないんだ。 そうあのピアノのメロディのように・・・。 ゆきずりの夜のぬくもりを、知らず知らずにさがしてしまう。あの夜のあいつのメロディが、今夜も心で、ワルツを踊っているからさ・・・。
・天使が棲む森・
タイのドンムアン空港に着いた私は、とりあえず北へ向かおうと、三等列車に乗りこんだ。窓にガラスはない、木枠である、各駅停車のため駅に着くたびに、物売りが乗りこんでくる、肉や魚を焼いたにおい、ドリアンのにおい、生ぬるい風、止まらない汗・・・・。戦後の闇市はこんな感じじゃなかったのかな・・・。  7〜8時間たって目を覚ますと、あたりはもう真っ暗である。私は窓の外に向かって目を凝らした、そこには日本ではなかなか見る事ができなくなった、ほんとうの暗闇があった。ここには天使が棲んでると私は、信じている。  ピサヌロークまでの、10時間近い各駅停車の旅だった。
・呼ばれて訪れた山・
美しい海が目的で、ここに来たわけじゃない。バリのウブドに滞在してるのも、ガムラン、ケチャ、そしてあの山があるからである・・・・・・。   からっとしてるのは湿度がないせいだろう、燃えさかるたいまつの炎がすさまじい。伝統芸能だとしてもここまでの舞踏があるとは、森の中の遺跡で行われたケチャは、神に捧げる何かの儀式の様に思えた。椰子の酒アラックがうまい、気ずくとすっかりすすだらけだ。         ウブドから車で30分ぐらい走った所にその山はある。ヒンドゥの三大神、シヴァを祭神とするブナタラン・アグン、ブラフマを祭神とするキドゥリン・クレテ、ヴィシュヌを祭神とするバトゥ・マデ、これらを中心とする30余りの寺院を総称して、この山をブサキ寺院と呼ぶ。          物売りや、しつこいガイドに目もくれず私は上を目指した。 頂上に着き私は始めて、後ろを振り返った。圧巻だった。目をつぶり風を感じた、生かされてる、と感じた・・・。帰国後5分でできた曲「太陽の子供」、私は歌わせられてると感じながら、歌っている。
・太陽の子供・
沈みゆく夕日を、今日二人で見てた。喜びや悲しみを連れて、今日一日が終わる。幾年もの間人の営みを見下ろし、あなたは何を思うのか・・。そうさ俺らは太陽の子供、生まれた国や肌の色など関係ない、今日一日をまっとうし、明日を夢見るすべての生きとし生けるものにやすらぎを・・・。  昇りくる朝日を、今日二人で感じた。永遠(とわ)の幸せを願い、今日一日が始まる。幾年もの間何もなかった様な顔をして、俺らの未来を照らす。そうさ俺らは太陽の子供、生まれた国や肌の色など関係ない、今日一日をまっとうし、明日を夢見るすべての生きとし生けるものにやすらぎを・・・。  そうさ俺らは太陽の子供、生まれた国や肌の色など関係ない、夢をあきらめない強い力を持ち、愛するあなた微笑みを・・・・。 
・隠れ家・
そこは街外れにある、何も知らないと通り過ぎそうな、住宅街の中にある。木造の店内は、タイムスリップしたと思わせるような骨董品の数々、ダルマストーブ、古びたジャズのレコード・・・。20数年間かわらず、時代を見続けてきた、力強さがある。私がここに通い始めて2年になるが、恥ずかしい言葉で表現すると、心のオアシスと言った感じである。変わ続ける時代に、変わらないもの、変わらない時間に心が癒される瞬間である。こだわり続けているコーヒーを飲みながら、何も考えない時間が過ごせる、至福の時である・・・。多摩市にある喫茶店 邪宗門 ここであなたも忘れそうな事や、忘れてしまった何かを思い出す、贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
・依存の法則・
この話は、危険ですので、子供は絶対まねをしないでください。えー、ほらなんか期待したでしょ?期待したあなたは、もう一人では生きられない。
・イタンジ・
どうしようもない夜に、一人部屋見回せば、空腹なのに臭い屁ひとつ、外にも出れぬ様な不精ずら、気にしちゃいないが頭を掻いて苦笑い。夢見心地で酔い心地、タバコの煙を眺めてる。内なる旅人の孤高の異端児よ、水に映る月をつかまえに行こう。                                                  どうしようもない日々に、すべてを捨ててさすらえば、途方に暮れてアクビをひとつ、道すがらおとずれる喜怒哀楽に、くだらねぇといきがって笑いとばせ、夢見心地で酔い心地、タバコの煙を眺めてる。三千世界を旅する異端児よ、悲しむ事なかれ、なる様になるさ。                                           夢見心地で酔い心地、タバコの煙を眺めてる。三千世界の孤高の異端児よ、夢は枯野を今日も駆け巡る。