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Report File No.4
2012.09.22 (土) @ 名古屋・新栄 CLUB DIAMOND HALL
● DATE / 2012.09.22 (土)
● Venus Saves Special
【 ACT 】Tillandsia(名古屋) / Merging Moon(東京) / CINQ ELEMENT(鹿児島) /
6ft. down(東京) / TEARS OF TRAGEDY(東京) / Los Child(埼玉) /
Rie a.k.a. Suzaku(東京) / Sound Witch(大阪) / Jurassic Jade(東京)
名古屋のイベンター、 SUB-EFFECT が主催する ” SUB-EFFECT 企画 ” は、名古屋市内で定期的に開催されるへヴィ・メタル・イベントである。
SUB-EFFECT の代表である kuma 氏は、バンド・マンとしての経歴も長く、世界標準の日本人バンドを、地元名古屋に紹介することで定評のある一人であるが、2011
年 6 月から、女性シンガーを擁する HM / HR / LOUD 系バンドに特化したイベントを、「 Venus Saves 」となづけて、スタートさせている。この日は、2012
年に開催される SUB-EFFECT 企画の中で年内最大規模となった、「 Venus Saves 」のスペシャル版。全国的に話題の、腹のすわった
9 バンドが名古屋に集結したばかりか、場所もダイヤモンドホール、しかもセンター・ステージ・セットという、なんとも豪華なロケーション。
スペシャル版だけに開演も 14 時と早かったために、当日のリハーサルは行われなかったそうだが、いつどんな場所でも最善を尽くし続けているバンドの力量を知らしめるがごとく、広いステージを縦横無尽に使ったアクションと、女性男性ともに発揮する男前のリーダーシップに、場内の誰もがぐいぐい煽られた。
終演は 21 時で相当長丁場だったが、強い個性をもったフロントマンに、メンバーそれぞれがそれぞれの工夫をこらすバンドが起こす化学変化も楽しく、興味津々のまま、気がついたら終わっていた、という、素晴らしいイベントだった。
■ Tillandsia
トップバッターは、今回参加するなかで、唯一の地元バンド、2012 年 2 月に結成されたばかりのティランジア。プログレッシブかつエキゾチックな、どっしりしたへヴィ・ロックで、ROSE QUARTZ でも活躍する Vo. J の挑発的な煽りと豊かな歌唱力がみるみる会場をのみこむ。
地元で人気のベテランメンバーが集まって結成されたバンドだけあって、早い時間にもかかわらず観客も大勢かけつけ、親近感と確かな実力で、一大イベントのオープニングを華やかに盛り上げた。
■ Merging Moon
2 バンド目は、2010 年 5 月に結成された、東京を拠点に活動するマージング・ムーン、通称マジムン。和楽器音も盛り込んだシンセサイザーと衣装が相まって、強烈なインパクトを放ちつつ、攻撃的な鋭いメタルコアでアジアン・テイストの激情を突きつける。そして、楽器隊の厚い重奏を養分にしているような、Vo.
U がストイックに放つデス・ヴォイスの凶暴性が圧倒的。
終盤のミラーボールの演出も美しく、幻想的な近未来感がより一層高まって、クエンティン・タランティーノ映画を鑑賞したときと同種の爽快感。2 バンド目にして、会場もすっかり本気になっていた。
■ CINQ ELEMENT
3 バンド目は、結成から 6 年目にして、スピニング/ブライト・スター・レコーズより、Aldious 、Cyntia に続く邦人アーティスト第3弾として、年内リリースが決定したばかりの鹿児島発ラウド・ロック・バンド、サンク・エレメント。ドラマティックな楽曲を熱くドラマティックに歌う、Vo.
Maju の美ボディにまず目を奪われるが、そのハイ・レベルなヴィーナス度にもかかわらず、腰をおとして弾きたおす、九州男児らしい男性陣も存在感が厚い。
女子を見て楽しむイベントでもあるが、それだけではない旨の、ある意味、挑戦状をたたきつけられて、イベントの三分の一が終わった。
■ 6ft. down
4 バンド目は、東京を拠点に活動するオルタナティブ・ロック・バンド、シックス・フィート・ダウン。バンド名のごとく、重く沈みゆくエモーショナルな曲にのせた日本語詞がスタイリッシュで、シンプルなモード感が会場を覆う。2012
年初頭に加入した新 Vo.ONNcha のしなやかな動きがからみつき、強さを備えたブレない歌声に惹きつけられる。
澱みと透明感が絶妙に交錯する 6ft.down ワールドが染みわたり、中盤戦にさしかかった会場の雰囲気がぐっと引き締まった。
■ TEARS OF TRAGEDY
5 バンド目は、東京を拠点に活動するティアーズ・オブ・トラジェディ。哀愁の美旋律をたっぷりもりこんだ、王道のメロディック・パワー・メタル。Vo.
HARUKA は、クリアな声のイメージを反映するカワイイ衣装。男性ならばハイ・トーンと謳われるところ、アクのない端正なパフォーマンスを補うツールとしては、ある種飛び道具的であり、見せる心意気がまた強く印象に残る。
長い髪をなびかせ何度もセンターステージに繰り出すテクニカルな速弾きギターも華やかだったが、鍵盤もきらびやかで、これまでのラウド路線から一転、会場に一服の清涼剤のような爽快感をもたらした。
■ Los Child
6 バンド目は、台湾公演も経験し、埼玉を拠点に活動する五人編成のロックバンド、ロス・チャイルド、通称ロスチャ。バンド名のとおり変な遠慮は一切なく、1
曲めからすでにラストの曲のようなテンション。息切れする気配も全くないままぐいぐい煽り、ラストの曲はことさらラストの曲で、終始圧巻のステージに圧倒された。
今回は、大トリに控えた JURASSIC JADE の Vo. HIZUMI 氏から譲り受けたという 「 赤いショール 」 をひるがえしながら登場した Vo.亜衣子 だったが、勇ましく高反発なパフォーマンスは、何度見ても心をもっていかれる。会場も高反発で勇ましかった。
■ Rie a.k.a. Suzaku
7 バンド目は、ハード・ロック/へヴィ・メタルの女性ソロ・ギタリストとして話題をさらう、リエ・エー・ケー・エー・スザク、通称リエちゃん。リエちゃんは作詞作曲、アレンジ、プロデュース、すべてをこなすマルチ・アーティストで、現在はソロ・プロジェクトとして固定メンバーはいない仕組みらしいが、メンバー全員が交互にセンターステージに繰り出し、信頼感に満ちたサウンドとステージ。
男らしい骨太ギターに、メイクをほどこしたような女性ならではのトーンに魅せられる、ワイルドで繊細なギターショウに、会場中の目と耳が奪われていった。
■ SoundWitch
トリの前は、台湾公演も経験し、沖縄から北海道まで日本全国を丹念にまわって話題をさらう、大阪のサウンド・ウィッチ。ダンサブルなデジタル・ビートを盛り込んだ、攻撃的なラウド・ロックだが、バンド名のとおり、陽の翳る魔女の森に迷い込んだような幻想郷サウンド。
Vo. TWIN は妖艶なアルト声で、うす暗がりの照明の中、ゴシックドレスをひるがえしながら熱く踊る。オーディエンスはあっという間に魔法にかかり、非日常の世界に酔いしれ熱く過ごした。
■ Jurassic Jade
魔女の森を抜けると、大トリは、人間の心の闇をつきつける魔物の棲む場所。キャリア 25 年を超える貫録と風格を見せつけるスラッシュ・レジェンド、ジュラシック・ジェイド。この日は
Venus として主役たる HIZUMI 氏のリクエストを盛り込んだセットリストで、ややレアな進行で、激しくも暖かみのある Vo.HIZUMI
氏の重低ヴォイスと怪しいダンスに心を奪われながら、怒涛の爆音で覚醒を促される。
アンコールで登場した際に、HIZUMI 氏が深い声で「 諸君の力を貸してくれー! 」と号令をかけると、会場から「おぉー!」と発声のあったとおり、満場一致で力をあわせて盛り上がる感動的なフィナーレを迎えて、イベントの幕が閉じた。
全 9 バンド、演奏時間もたっぷり、それぞれの世界観を披露し、観客もそれぞれの目指す世界に引き込まれ、楽しい時間が過ぎていった。
今後も「 Venus Saves 」は続編が次々と予定されているから目が離せない。
面白い機会はすぐそこに。
続きは WEB で!その続きはライヴ会場で!!
【 LINK 】
■ MergingMoon
http://mergingmoon.com/pcindex.html
■ CINQ ELEMENT
http://cinqelement.jp/
■ 6ft. down
http://6ftdown.web.fc2.com/6.html
■ TEARS OF TRAGEDY
http://tears-of-tragedy.com/
■ Los Child
http://loschild.jp/
■ Rie a.k.a. Suzaku
http://www.poppin.jp/rie_web/
■ SoundWitch
http://www.soundwitch.jp/
■ Jurassic Jade
http://www2.odn.ne.jp/jurassic-jade/
■ SUB-EFFECT
http://sound.jp/sub-effect/
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