Janne Makkatainen ライヴレポート "最高の夜をありがとう!!" TOPに戻る
No.8 2013.07.23 (火)
@ 名古屋・今池 BOTTOM LINE
FAIR WARNING
皆様こんばんは!
「 暑い 」 と口にすれば余計に暑くなりますが、やはり暑いと言う他ありませんね...。
さてさて、遅くなりましたが... 7/23 (火) は名古屋ボトムラインにて行われた、ドイツが生んだメロディアスハードロックの王者... 「 FAIR WARNING 」 のライヴに参戦して参りました!
「 FAIR WARNING 」 は 1992 年のデビュー以来、活動休止やメンバーの離脱を乗り越えながらも常に高品質のハードロックを作り続けてきた、職人集団であります。
彼らの作り出すメロディは時代が変わっても、語り継がれる程の光を放ち続けています...。
自分は彼らを観るのは 2009 年の LOUD PARK 以来、意外にも単独ライヴは初参戦でありました。 そして最新作 「 SUNDANCER 」 は未聴だった為、ライヴレポのクオリティが若干下がる事をお許し下さいませ。
もったいぶった演出も特に無く...(笑)メンバーがぱらぱらと現れ、ライヴは最新作から 「 Troubled Love 」 、 「 Keep It in The Dark 」 と実にこのバンドらしいパワフルでメロディアスな曲が続き、観客は新曲にも熱い反応を示すが、続くデビュー作からの 「 The Heat of Emotion 」 には、更に熱い盛り上がりを見せる。
まるでどしゃ降りの雨の中で燃え続ける炎のような美旋律に早くも胸がいっぱいになる...。 何という美しく切ないメロディだろう...。
攻めの手を緩める事なくバンドは 「 One Step Closer 」 をプレイ。
終始エネルギッシュにステージを動き回る 「 トミー・ハート 」 の情熱的な歌声が響き渡る!
そしてその後はダメ押しの 「 Out on The Run 」。
アップテンポなビートに大合唱のコーラスと、ライヴで盛り上がらない筈が無い、文句無しの名曲である!
続く 「 Here Comes The Heartache 」 は比較的新しいアップテンポナンバーだが、 「 闘魂 」 と書かれたバンダナを巻いたギタリストの 「 ヘルゲ・エンゲルケ 」 は現在はスカイギターではないが、それでも普通のギターでは出せない超高音域までカバーしている。
何フレットあるのだろうか...。彼はあまりアクティヴにステージを動き回るタイプではないが、職人的なキレのあるプレイが素晴らしい!
ロックドラマーのお手本のような躍動感溢れるリズムを叩き出す 「 C・C・ベーレンス 」 は、見た目は田舎の農家のおじさんにしか見えないが...(爆)、素晴らしいドラミングとのギャップとコミカルなキャラで笑わせてくれる。
そんなC・Cのビートから 「 Don't Give Up 」 が始まった!!
トミーの熱の込もった歌声と 「 諦めるな! 」 「 夢を持ち続けろ! 」 というポジティヴなメッセージは、きっと聴く人全てを勇気付ける力があるだろう!本当に素晴らしい曲だ。
トミーが引っ込んだ後、ヘルゲが耳馴染みのある日本の、あの 「 桜桜 」 のメロディを奏で始め、それにバンドが加わりインストゥルメンタルへと発展していく。
今回のサポートのサイドギタリストは 「 ヘニー・ウォルター 」ではなく、名前が分からないがツインリードにコーラスに実に良い仕事をしている。おまけにイケメン!
トミーが戻り、「 Generation Jedi 」 が始まった。
この Jedi ( ジェダイ ) とはスターウォーズのジェダイの事で、特撮オタクのトミーならでは(笑)。重いシャッフルビートが会場を揺らす。
新曲の 「 Send Me A Dream 」 に、ポップでキャッチーなメロディが心地良い 「 I'll be There 」 。
「 Hit and Run 」 、 「 Natural High 」 と新曲が続くが、一度聴いたら覚えてしまうキャッチーさも彼らの大きな魅力の一つ。
そしてここからは、ショウの終盤に向けてのハイライトの連続...。
「 Still I Believe 」 はこのバンドの幾多の名曲の中でも指折りの、とても感動的なロックナンバーで、今夜はライヴならではのスペシャルヴァージョンで披露された。
心を震わすメロディとはこういう曲の事を言うのだろう...。
ヘルゲ率いる 「 DREAMTIDE 」 のメンバーでもあるサポートキーボーディストの 「 トーステン・リューダーヴァルト 」 は要所要所でサウンドを華やかに彩り、とても良い仕事をしている、FAIR WARNING のライヴには常に欠かせない存在。
感動に浸った後は、また更にヴォルテージを上げて、懐かしい 「 When Love Fails 」 。
情熱的なトミーの側で、優しい微笑みを浮かべながら神々しいオーラを放つ 「 ウレ・リトゲン 」 は天才的ソングライターであると同時にベーシストとしても並み外れている。
割りと地味になりがちなハードロックのベースとは違い、彼のプレイは独特なグルーヴとメロディが曲をより奥深いものにしているのが分かる。
因みに、ウレは自らの個展を開く程の画家でもある。
「 I Fight 」 でも力強い観客の掛け声で会場が一体となり、これぞハードロック!と叫びたくなるサウンドを叩き付ける!
唯一残念なのは、以前在籍していた 「 アンディ・マレツェク 」 がプレイしていたこの曲のギターソロを、ヘルゲは自身の解釈で弾いてしまっていた事か...。
それ程までに、この曲のメジャーとマイナーを絶妙に行き来する素晴らしいギターソロを弾いていた。アンディの脱退は今更ながら悔やまれる。
曲のエンディングでC・Cがツインバスドラムを轟かせ怒涛のエンディングを迎えると、トーステンが 「 あの 」 フレーズを導き出し、本編ラストの 「 Save me 」 へなだれ込む...。
自分はもう、この出だしのキーボードフレーズだけでノックアウトされました...。
あまりに美し過ぎるハードロックにはただただ感動するしかない...。
トミーは渾身の力で歌い上げ、もちろん観客も精一杯に応えてみせる。
どんなに罪深い人間の心も洗い流してしまう程の力を持った至高の名曲を響かせ、バンドはステージを降りた。
しばらくしてメンバーがステージに戻り、ヘルゲのハードエッジなギターリフから 「 Angels of Heaven 」 が始まった。
ポジティヴなパワーを全開にした正に非の打ち所の無いハードロックナンバーに観衆は大合唱で応える!エンディングのヘルゲの超高音を駆使した美旋律はいつ聴いても鳥肌モノ。
曲が終わり、ここでトミーが話し始めるが、何と次の曲を間違えてコールしてしまうというハプニングが発生...(笑)。
「 次はLong Gone! 」 ではなく(笑)、「 Jealous Heart 」。
最新作からのキャッチーなナンバーだが 「 ヤっちまったわーい 」的なトミーの表情が何とも笑えます。
そして待ちわびた最高のバラード 「 Long Gone 」!
LOUD PARK 09 のステージでは自分はこの曲で号泣してしまいました...。今夜もやはり涙が出そうな位に、切なく感動的なメロディに酔いしれる。失恋した後の夜の浜辺が、これ程似合う曲は他に無いでしょう...。
切ない余韻を力強いビートが切り裂き、懐かしいデビューアルバムのオープニングを飾っていた 「 Longing for Love 」 、そして情念の炎を宿した灼熱の 「 Burning Heart 」 を叩き付け、最高のハードロックショウが終了した。
時代がどこまで移り変わろうが、本当に良い音楽というのは必ず残る...。
人にポジティヴなパワーと明日を生きる希望を無条件に与えてくれる 「 FAIR WARNING 」 のロックこそ、後世に語り継がれるべきものであるという思いを強くしました。
メンバーの温かい人柄と真のミュージシャンシップで、最前線で活躍するこのバンドをこれからも応援し続けます。
キャッチーで取っつき易いので、ロック初心者の方にもオススメです。
暑い夏にはゴリゴリのメタルも良いですが、熱く爽やかなメロディアスハードロックも、また格別です。
皆様も楽しい夏をお過ごし下さい。
それではまた!
Stay Metal!