Janne Makkatainen ライヴレポート "最高の夜をありがとう!!" TOPに戻る
No.2 2012.10.27(土)
@ さいたまスーパーアリーナ
LOUD PARK 2012
10/27(土)は、さいたまスーパーアリーナで行われた国内随一の大規模メタルフェス 「 LOUD PARK 2012 」 に参戦して参りました。
■ CHRISTOPHER AMOTT
「 ARCH ENEMY 」 を2度も脱退してます(笑)。
今回は自信のソロバンドでヴォーカルも兼任。
今回初めて観ましたが、やはり素晴らしいギタリストですね。
■ CIRCUS MAXIMUS
個人的に今回の目玉。
ノルウェーが生んだ新世代プログレッシヴメタルバンドの待望の初来日。
素晴らしいアルバムを 3 枚リリースしている彼らが、どんなセットリスト、パフォーマンスを観せてくれるのか興味津々だったのですが...素晴らしいショウを観せてくれました。
不穏なイントロ 「 Forging 」 から 「 Namaste 」 でショウがスタートした。
最新作 「 NINE 」 の中でも比較的分かり易い部類の曲で、キャッチーなメロディと勢いは次に続く 「 The One 」 にも引き継がれる。
バンドはアルバムで聴ける通りのテクニカルでドラマティックなサウンドを見事に演出している。
ドラマー以外は皆、短髪というメタルバンドらしくない...(笑)のも気にならない位、素晴らしいバンドです。
2nd の名盤 「 ISOLATE 」 からのアップテンポな 「 Arrival of Love 」 がスタートした瞬間、一層盛り上がりが大きくなる。
ギターとキーボードの美麗なユニゾンも難なく決まり、至極キャッチーなメロディを艶やかな美声で歌い上げる 「 マイケル・エリクセン 」 のヴォーカルが素晴らしい。
これまたキャッチーで軽快な 「 I am 」 の後は、激しいドラムフィルから 「 Abyss 」 がスタート。
この曲を聴かずには帰れないって位に待ってました。
スピーディーに目まぐるしく展開する中にドラマティックなメロディを丁寧に織り込んだ、 「 これぞCIRCUS MAXIMUS 」 と叫びたくなる曲で、サビはもちろん大合唱。
そして何と!デビューアルバム収録の 「 Alive 」 を演ってくれた事が、この日一番嬉しかった...。
個人的にこのバンドで一番好きな曲...。
中間部の、アコギとピアノの劇的過ぎるメロディのユニゾンから感動的なサビになだれ込む...正に非の打ち所の無い名曲です。徐々に盛り上がっていくアウトロも最高。
小型版 「 ジョン・ペトルーシ 」 の様な印象の 「 マッツ・ハウゲン 」 は流麗なフレージングとトーンを操る素晴らしいギタリストで、新世代ギター・ヒーロー筆頭なのでは。
まるで雪景色を見ているような美しいイントロを持つ 「 Game of Life 」 が終わり、最後を締めるのは最新作でもラストを飾る 「 Last Goodbye 」。
イントロの、あまりに切なく美しいメロディに鳥肌が立ち、涙が出そうになりました...。
初来日で彼らは期待を上回る最高のライヴを観せてくれました。
単独でもまた絶対来てくれると信じてます。
そしてマイケルには 「 THE MAGNIFICENT 」 も是非継続していただきたい。
■ HALESTORM
曲も全く知りませんでしたが、ヴォーカル&ギターのお姉さんがパワフルな歌声で、セクシーでカッコ良かったです。
途中であの 「 セバスチャン・バック 」 が乱入し、 「 SKID ROW 」 の 「 Slave to The Grind 」 をデュエットも。
■ HIBRIA
ブラジルの熱き鋼鉄集団を 2009 年に続き、今年も観る事ができました。
最新作と同じ 「 Nonconforming Minds 」 で灼熱のメタルショウがスタート。
その後も 「 Shoot me Down 」 、 「 Welcome to The Horror Show 」 と攻めの手を緩めない。
そしてお待ちかねのデビューアルバムからの 「 Steel Lord on Wheels 」。
強烈なギターリフに疾走するリズム、熱く燃えるようなメロディ...これぞパワーメタルと叫びたくなるような名曲を叩き付ける。スキンヘッドで凄まじい熱唱を聴かせる 「 ユーリ・サンソン 」 は相変わらず凄い。
セットは最新作 「 BLIND RIDE 」 からの曲を中心にたたみ掛けるが、クールなギターリフを持った「 The Anger Inside 」 や、まさかの 「 PANTERA 」 のカヴァー 「 Cowboys from Hell 」 も飛び出した。
彼らは正統派パワーメタルに現代的なテクニックを持ち込んだ技巧派集団なので、演奏は非常にテクニカル。
弦楽器隊3人がステージ横一列に並び、タッピングのユニゾンをバッチリ決めるところなどは、憎い位にカッコ良い。
ドラマーも非常に手数が多く観ていて飽きない。
ラストは代表曲 「 Tiger Punch 」。
これが盛り上がらないはずがありません。
今回も彼らは全身全霊のメタルショウを観せてくれました。
■ DRAGONFORCE
彼らを観るのはかなり久々でしたが、相変わらず驚異的なスピードで押しまくる楽曲が痛快です。
最新作は未聴ながら、曲を知らなくても覚えやすいメロディに溢れているので彼らのライヴは十分に楽しめます。
懐かしい 「 Fury of The Storm 」 や 「 Through The Fire and Flames 」 で会場は凄まじい盛り上がりを見せ大合唱が巻き起こる。
凄まじいスピードでも一切手を緩めない 「 デイヴ・マッキントッシュ 」 のドラミングを中心に、曲芸的なプレイを魅せる 「 ハーマン・リ 」 と 「 サム・トットマン 」 のギターコンビを観ていると、ひたすら飛び跳ねて飛ばしまくっていた初来日の頃に比べると良い意味で垢抜けたバンドになったと感じました。
注目のニュー・シンガーの 「 マーク・ハドソン 」 は声や節回しに若干まだ若さが感じられましたが、ブロンド長髪で長身なのでフロントマンとしての見栄えはバッチリ。
バンドは最後にスピーディーでメロディアスな永遠のアンセム 「 Valley of The Damned 」 を叩きつけ、アッという間に怒涛のショウが幕を閉じた。
■ SEBASTIAN BACH
「 SKID ROW 」 で一時代を築いた荒くれヴォーカリスト 「 セバスチャン・バック 」 は正に 「 ロックスターはこうあるべき 」 といったオーラに満ち溢れたフロントマンの鏡のような人。
「 SKID ROW 」 は通ってないのであまり詳しくないですが、 「 Youth Gone Wild 」 はやっぱりカッコ良かった。
■ BUCKCHERRY
ちゃんと音を聴いた事が無かったですが、全身刺青だらけのメンバーたちが叩き出すロックンロールは素直にクール。
■ SONATA ARCTICA
フィンランドのメロディックメタルの雄。
最新作は未聴...(汗) 。フェスなので攻めのセットで来るかと思いきや、最近の曲が多めで知らない曲が多数...。
「 Black Sheep 」 や 「 Fullmoon 」といった初期の名曲と最近の曲とでは観客の盛り上がり方が全然違うのが笑えます...(笑)。
自分たちの表現したい事とファンの求めるものが見事に食い違っているのが明確ですが、素晴らしいバンドである事に変わりはないので、 「 トニー・カッコ 」 には是非その辺も再考願いたいですね。
「 Don't Say a Word 」 は文句無く素晴らしかった。
■ IN FLAMES
スウェーデンのメロディックデスメタルの礎を築いた偉大なバンド。
自分は初期作を少しかじった程度ですが、やはり百戦錬磨の強者は安定感があり、観ていて気持ちが良いです。
■ HELLOWEEN
ドイツが生んだメロディックパワーメタルの創始者がフェス初参戦。
最新作から攻撃性全開の 「 Are you Metal? 」 で勢いよく走り出したバンドは、それに続く 「 Eagle Fly Free 」 で場内に狂乱の渦を作り出した。
パワー、スピード、メロディが一体となった至高の名曲は何十年経っても色褪せる事はないですね。
ヘヴィな 「 Where The Sinners Go 」 に続き、往年の名曲群でたたみかける中で 「 I'm Alive 」 、「 Steel Tormentor 」 が聴けたのは嬉しかった。
「 アンディ・デリス 」 は聴けばすぐに彼だと分かる個性的な歌声で巧みに観衆を操って見せる。
終盤は誰もがよく知る 「 Future World 」 、 「 I Want Out 」 「 Dr.Stein 」。
やはり名曲を多く持つバンドは強いですね。
来年の 「 GAMMA RAY 」 とのカップリングツアーも超楽しみです。
■ SLAYER
フェスのトリを飾るのは、帝王 「 SLAYER 」。
2009 年同様、彼らは王者としての誇りと威厳を大観衆に叩き付けてくれました。
怒涛の勢いで繰り出される名曲の数々を前にしては、首がいくつあっても足りません...(笑) 。
特に戦場の爆撃を思わせる 「 War Ensemble 」 、死の匂いが立ち込める 「 Dead Skin Mask 」 、メロウで不吉な 「 Seasons in The Abyss 」 など...理屈抜きに素晴らしかった。
もはや異形なるお姿の…(汗) 「 ケリー・キング 」 と、療養中の 「 ジェフ・ハンネマン 」の代役の「 EXODUS 」 の 「 ゲイリー・ホルト 」 はスラッシーなリフを容赦無く刻み続け、圧倒的手数の 「 デイヴ・ロンバード 」 は CD で聴くより遥かにパワフルなドラミングで度肝を抜かれます。
そして全てを掌握する 「 トム・アラヤ 」 は、激しい咆哮とは裏腹に、曲間では後光が射した仏のような表情を浮かべる…。
これほどのオーラを纏える人間は世界中探してもそうそういるものではない...。
邪悪なリフがリードする 「 Postmortem 」 、破壊力抜群の 「 Angel of Death 」。
ラストは 「 Raining Blood 」 で血の雨を降らせ、 LOUD PARK 2012 は大盛況の内に幕を閉じました。
「 CHILDREN OF BODOM 」 は 「 HELLOWEEN 」 と時間が重なった為、断念…。
…結局エクストリームなステージには一度も行かず終いでした。
やはりフェスはたくさんのバンドが観られるので最高です。
参戦された全国のメタルヘッドの皆様、お疲れさまでございました。
Stay Metal!