スターダストレビュー野外ライブ「FACE TO FACE」

at.スポーツランドSUGO〜

1998.8.22

 

8月22日,あいにくの曇り空で満天の星空の下ということにはならなかったが,スタレビ夏の野外イベントが行われた。今回のライブはブロック指定のみだったので,開場の3時間ほど前に現地入りをし,サーキットの音とリハーサルの音を聞きながら,ピクニック気分で開場するのを待った。

開場すると,なるべく良い位置を確保すべく,場所取りが行われていた。といっても,激しい取り合いではなく,結構紳士的に進んでいた。開場してからも開演までまでに1時間位有るため,そこでもまたピクニック気分で開演を待った。

18:00から始まったこのイベントは,OPENING ACTにデビューして1年ほどの「Something Else」(3人構成のバンド)を迎え,彼らの演奏で幕を開けた。スタレビファンクラブの会員にもなっているメンバーがいるこのバンドは,アコースティックバンドで,スタレビ好きがいるだけあってコーラスをたくさん使っていた。ちなみに彼らはデビュー前は千葉駅構内で演奏していたらしい。このバンドは3曲演奏した。

そしていよいよ,スタレビのステージとなった。メンバーは全員ラフな普段着で登場(といってもサポートの山本公樹は鮮やかな緑のジャケットスタイルだったが,これも彼にとっては普段着なんだろう・・・)。オープニングは初めてライブで聴く「I Belive In Love」だった。開場を待っているときにこの曲が聞こえていて,「おっっ!!これは!!今日聴けるんだ!!」とはしゃいでいた曲だったので,もう最初からボルテ−ジは一気に急上昇状態。しかもこの曲は“ノリノリ”な曲なので,本当に客席も最初から大盛り上がりだった。こんな調子で,始まったライブで演奏された曲達は,ホールツアーでは最近演奏していなかったものや,1度もツアーで私自身が耳にしていない曲が次から次へと目白押しに,やってきた。

 

なぜこの前の「Good times & Bad times ツアー」ではやらなかったんだという声が多かった「大切なあなた」も3曲目あたりに演奏され,お客さん参加のコーラス大会(この曲のコーラスは“あなたコーラス”と呼ばれている)が繰り広げられた。また,この曲では根本氏が「あっ間違えちゃった」と途中,中断し,根本氏の声から再度出直して,息ぴったりにメンバーも合わせるという滅多に見られない光景を目にし,盛り上がり方はホールでは味わえないほどの急上昇ぶりだった。

 

演奏曲目の順番は,もう覚えていない。あまりにもインパクトの強い(これもあれも聴けるの!!)曲が満載されており,曲数も多かった。とにかく,ホールとは全く違う趣向であったということだけは言える。イベント的要素が強いため,「作り込んだ物にはしない」と根本氏は以前語っていたが,本当にその通りであった。勿論,スタレビの定番曲も演奏された。この定番曲も普段はなかなか一度に聴くことの出来ない,「今夜だけきっと」,「トワイライト・アヴェニュー」,「夢伝説」が惜しげもなく演奏され,10年ぶりに演奏したという「夕暮れのスケッチ」(この曲,CDで聴いたときに,良い曲すぎて感動したことがある)も,ナマで聴くことが出来た。柿沼氏による「9月の海」もよかった。本来は根本氏のボーカルだが,どうやら柿沼氏は夏になるとこの曲をやりたいと言っていたらしく,柿沼氏がメインボーカルを取ることとなったようだ。

 

今回の企画物はGSメドレーと,アンコールで行われたハワイアンコーラスだった。GSメドレーは,三谷氏が脱退した後ずっとライブでは聴くことの出来なかった「Crazy Love」につなげて行われた。この前のツアーではディスコメドレーが行われたが,今回のこれはその発想の延長上であろう。懐かしの「バン・バン・バン」を含め,3曲が演奏された。全曲ともフルコーラス知っていたのには,自分でも驚いてしまった。アンコールで行われた,ハワイアンはメンバー全員アロハシャツとレイを身にまとい,根本氏と柿沼氏はウクレレを抱えて登場した。このときのグループ名は「パラダイス柿沼with・・・・(残念なことにここの部分を忘れてしまった)ハワイアンズ」とし,メンバーもスマイリー光田(光田健一),パラダイス柿沼(柿沼清史),ジミー寺田(寺田正美),マンモス根本(根本要),ダンディー山本(山本公樹),VOH林(なぜかそのまま)と,メンバーの特徴(笑顔がキュートな光田氏は“スマイリー”,柿沼氏はなんでパラダイスなんだ?いつもマイペースでご機嫌な人物だからだろうか・・・,寺田氏は無口と言われているので“ジミー”,ちっちゃいけどでかく見えるということから根本氏は“マンモス”,いつも気取っている山本氏は“ダンディー”,なぜかVOHさんだけそのまま)に合った名前に変えていた。ここで演奏されたのは「パイナップルプリンセス」と「ビキニスタイルのお嬢さん」だった。とにかくこのハワイアンのコーナーは大爆笑だった。登場してからのメンバー紹介自体が笑いを誘った。根本氏が適当にウクレレを弾きならし,バンドの紹介やらメンバー紹介やらを行った。柿沼氏がリーダーということになっているが,どう見ても根本氏がリーダーとしか思えなかった。「パイナップル〜」でも「ビキニスタイル〜」でも怪しい振り付けがあり,ウクレレコミックバンドという感じだった。特に笑えたのが「ビキニスタイル〜」で,“ボン,キュッ,ボン”コーラスに合わせた振り付けが(バスト・ウエスト・ヒップを形取った振り付け),かなり笑いの種となっていた。そもそも“ボン,キュッ,ボン”という言葉をコーラスにしてしまうこと自体,普通では考えられない。そして,途中途中ではいるスマイリー光田による,思いっきり甘〜い声の「ワン,ツー,スリー,フォー・・・」という台詞と,それに合わせた指先(手を前に出し,人を差しすように人差し指をつきだし,その指をくるくる回していた)がすごくエッチっぽく,悩ましく,これも笑える材料だった。このメンバーの中で,最もこの役が当てはまっていたと思うので,光田氏を選んだのは正解。こんなコミック状態になってしまっている中,相変わらず気取っているダンディー山本もおかしかった。また山本氏のバストを形取る手つきがいやはや何とも,エロチックだった。このハワイアンは是非とももう一度見たい。ビデオに収めて欲しいくらい,本当に楽しい企画だった。勿論,根本氏と柿沼氏のウクレレもよかったし,コーラスもよかったが,もうビジュアル的なインパクトが強すぎて,とにかく笑えるコーナーだった。

 

そんなこんなで,あっと驚かされるものが次から次ぎへと矢継ぎ早に飛び出し,本当に楽しい内容だった。野外で見ていると言うこともあるが,お祭り的な物にしたいと根本氏が以前語っていたように,本当にお祭り的な内容だった。ホールに比べてMCは少な目だったが,とても楽しそうに演奏しているメンバーを見ているのも楽しかったし,あまり作り込まれていない内容もすごくよかった。とにかく仙台まで行った甲斐があった。もう一度見たい!!と心底思わせてくれた(ホールの時もそう思うけど)。来年も是非野外ライブツアーを行って欲しいと思う。