4公演目:千葉県文化会館
1998.11.22
〜お客さんに拍手!〜
〈曲目〉
M1:月の輝く夜に,M2:Joy To The Future,M3:今夜だけきっと,M4:屋根にノボって,M5:Going
Back to 1981〜1981年メドレー(シュガーはお年頃,銀座ネオンパラダイス)〜Going Back to 1981,M6:IN MY LIFE(ビートルズ),M7:追憶,M8:ワイン恋物語,M9:木蘭の涙,M10:君に贈るHolly
night,M11:君のために・・・,M12:少年,M13:Sweet Harmony,M14:プラトンの嘆き(ミュージカル「我が退屈な人生」より) ,M15:THANK
YOU,M16:と・つ・ぜ・ん Fall in love,M17:GET CRAZY
EC1:ビキニスタイルのお嬢さん,EC2:Sweet Snow Magic,EC3:Good
Times & Bad Times,EC4:どうして
11月22日,千葉県文化会館にて本ツアーの4公演目が行われた。今回はその模様を,かつしかシンフォニーヒルズとの違いや印象に残った点などに触れ,レポートする。
大きな違いといえば,ツアーの構成が若干変化していたことである。前回足を運んだとき(かつしかシンフォニーヒルズ)には,根本氏の一人芝居による曲紹介はなかったが,今回は登場していた。友人に話を聞くと,これは3公演目の大宮ソニックシティーから始まったようである。この一人芝居は,彼と彼女の会話でよくツアーで行われている物である。根本氏の「日曜ドラマスペシャル〜踊るリンパ腺,渡る世間は恋ばかり〜この後,8時からの始まりです。」というMCの後時報が鳴り,光田氏により「渡る世間は鬼ばかり」のオープニングテーマのイントロが奏でられ始まった。これによって紹介された曲は,「君に贈る〜」から「少年」の3曲である。今回の会話の内容も,大いに笑った。途中,男と女の位置がどっちだったか分からなくなってしまった根本氏は,男と女の位置が入れ替わったりもしていたが,それはそれで観ていて楽しめる要素の一つである。今回この芝居の特徴として大きく上げられるのは,効果音付きであったことだ。この効果音は,キーボードの光田氏とパーカッションのVOH氏によって付け加えられた。雨が降ってるなと言えば,雨音が,彼女の問いに対する彼の答えが不正解だった場合は“ブーブー”という音が,鼓動が激しくなれば心臓の音が,ちょっとまずいことが有れば,“チャララ〜ン,チャラララララ〜ン(よく替え歌で“鼻から牛乳”と歌われる曲。確か,「トッカータとフーガ」だったと思うが・・・)”とパイプオルガン音で奏でられたりと,各シーンに合わせ,キーボ−ドや打楽器により効果音が奏でられた。その効果音の効果絶大で,はちゃめちゃな(?)根本氏のお笑い彼と彼女の会話を盛り上げ,なかなか楽しい雰囲気を醸し出しており,客席からは大きな笑いがあふれていた。
大きなに対しての小さな違いといえば,選曲に若干の変更があったことである。選曲はステージ構成における重要な要素であるので,これを“小さな”というのは少しばかり心苦しいが,数曲変更と言うことで“小さな違い”とした。変更があったのは,かつしかの時に1曲目で行った「1st Album全曲紹介」が無くなり,変わりに「Going Back 〜」の中に1981年メドレーが加えられたことである。「Going
Back 〜」自体がデビューの頃のことを歌ったものであるので,その中にその年の曲を組み込むというのは,良いやり方だなと単純に思った。もう1つ変更があったのは,12曲目に「少年」が入ったことである。タイトルリスト表(スタレビの場合,演奏曲目が終演後,掲示されるのだ)を見ると,この曲だけ手書きだったので,日替わり曲のような扱いになっているのかも知れない。
印象に残っている点を,いくつか挙げる。1つ目は,根本氏の「遠赤外線バンドだ。」という言葉である。これはいきなり,「みなさんは焼き鳥はお好きですか?」という突拍子もない台詞から始まったもので,「炭の遠赤外線効果が,より一層おいしさを出している。」との説明の後に出てきた言葉である。根本氏によると,「人知れず活動しているけれど,それはちょっと寂しいけどみんな知ってくれないし・・・,だけどもここに来れば,こんなにもたくさんの人が暖かく迎えてくれて,楽しんでくれる。そんなところが遠赤外線なんだ。」ということらしい。これは上手い喩えだなと感じた。
2つ目は「行ってらっしゃい」という言葉だ。これは自然に客席から発生した言葉である。ステージも残すところ1曲位の頃だったかと思う。「これから北陸の方とかに行き,本格的なツアーが始まります。」と根本氏が言ったことに対して,客席から一斉に自然と発生したのだ。普通ならばかけ声程度になるのだろうが,スタレビのお客さんならではというのだろうか。自然と生じる一体感の中で,自然とそろって客席のあちこちから声があがっていた。私自身も自然にこの言葉を言ったが,本当にそろっていたのには驚いた。
3つ目は,メンバー5人からのお客さんに対する拍手である。先ほど挙げた,「行ってらっしゃい」の前の出来事だったと思うが,メンバー自体を盛り上げていったお客さんに送られたものである。根本氏が「負けた・・・」と思うほどの,お客さんのパワーが有ったからのものであった。はっきり言って,千葉県文化会館はどういうわけだか大変盛り上がるのだ。根本氏自身も,「去年のこともよく覚えている。ここは本当にすごい!」と言うほどなのである。
最後に,ステージが終わりメンバーがステージから去った後,おなじみの(といっても,掛け声をかける人がいないと行わないことだが)3本締めが,お客さんからメンバーやスタッフに送られた。この催しはいつから始まったものなのか忘れてしまったが,ほぼ全員のお客さんが参加するのである。こういうことをしてしまうのが,スタレビのお客さんなのである。初めてスタレビのコンサートに訪れたお客さんも参加してしまうこの催しは,他の人たちのコンサートでは見られないだろう。こういうのに参加しても良い!と思わせるステージ作りを行うのが,スタレビなのである。そして,この雰囲気に引き込まれ,スタレビの世界に入ってしまうという構図ができあがるのだ。こういう,とても素敵な世界を何度も味わいたくて,足を運ぶ回数が増えていくのである。
次回は,ツアーでは初めて地方公演を目にする,沼津市民文化センターである。さて,ここでは何が待ち受けているのであろう・・・。
【番外】
前回のレポートでの間違いを発見(といっても,その時はそう思っていた)!
ハワイアンコーナーでのこと。ラッパを持って登場したのは,VOH,光田の両氏と思っていたが,寺田氏も持っていた(何せ,2階席だったのでよく見えなかった)。また,「Sweet
Snow Magic」でのコーラスを「スイスイ」と書いたが,よく聴くと「スウィートスウィート」だった。