かつしかシンフォニーヒルズ

1998.11.12

〜ホールにいながら野外の雰囲気?スタレビだからこそやってしまった企画・・・

驚きと笑いのツアースタート!〜

 

〈曲目〉

M1:1st Album 「STARDUST REVUE」全曲紹介,M2:月の輝く夜に,M3:Joy To The Future,M4:今夜だけきっと,M5:屋根にノボって,M6:Going Back to 1981,M7:IN MY LIFE(ビートルズ),M8:追憶,M9:ワイン恋物語,M10:木蘭の涙,M11:君に贈るHolly night,M12:君のために・・・,M13:Sweet Harmony,M14:プラトンの嘆き(ミュージカル「我が退屈な人生」より) ,M15:THANK YOU,M16:と・つ・ぜ・ん Fall in love,M17:GET CRAZY

EC1:ビキニスタイルのお嬢さん,EC2:Sweet Snow Magic,EC3:Good Times & Bad Times,EC4:どうして

 

待ちに待ったツアーが,かつしかシンフォニーヒルズで幕を開けた。チケット入手時から指折り数えて,この日がくるのを楽しみに待っていた。今回のツアーでは一体何を見せてくれるのか?という高鳴る期待を胸に会場に足を運んだ。ラジオ等で根本氏は「野外は時間の経過が陽の光でわかるでしょ。今回のツアーは,ホールにいながら野外の感覚を味わうというのをやってみようと思う。」と言っていたので,もしかしたら客電(客席の照明)を付けたままで行うのか?と予想をしていた。そして,その予想は見事に的中した。客電が落ちないので,メンバーが登場する瞬間が分からないまま,気付くとギターを片手にした根本氏を先頭として,メンバーが続々と登場してきた。今回のツアーは,今までずっとツアーにも参加していた,SAXの山本公樹氏が参加しないため久しぶりに5人構成のステージとなった。そのため,メンバーの配置にも変更があり,上手側(ステージ向かって右)にいたVOH氏が下手側(ステージ向かって左),その右隣に光田氏,中央に根本氏,その隣にいつも下手側にいた柿沼氏,その隣にいつも後ろにいた寺田氏が上手側になっていた。メンバーが勢揃いし,まさに明るいままでコンサートがスタートしたのである。こういう手法は,はっきり言ってスタレビならではだと思う。普通の人じゃ,こういう企画を考えないだろう。根本氏によると「おまえらがオレらを見るように,オレらもおまえらの楽しんでいる様子を見たいんだ!」ということらしく,スタッフの反対に合いながらも説得をし,明るい状況でのコンサートと言うことになったようである。

 

1曲目は,ソロ活動でのインストアライブでよくアルバム全曲紹介をする,光田氏の影響が少なからずあるだろうと思われる,「1st Album 全曲紹介」だった。スタレビのデビューアルバムは,17年前の物である。はっきり言って,これを持ってきたのには驚いた。しかし,1度にたくさん,昔の曲を生で聴くことが出来て,とても嬉しかった。その後,本ツアータイトルの最新アルバムの曲が2曲,名曲「今夜だけきっと」,そして最新アルバムから「屋根にノボって」,イントロの時点で大歓声が起きた「Going Back to 1981」が明るい会場のまま演奏された。この間,照明が明るいままということや,初日と言うこともあって,お客さんの反応も「はてどうするべきか。立とうか立つまいか・・・」という,とまどいの雰囲気が見られた。何せ,客席が明るいから,先頭立って立とうものならとても目立つし,それに追従して誰も立たなかったときには本当に,思いっきり目立つ状態だったのだ。しかも,開演後に席につこうものならばこれも目立つという状況だった。とまどいを隠せないお客さんに対して根本氏は,「とまどっている感じがよく分かるな〜」と言っていた。ビートルズのカバー曲「IN MY LIFE」が演奏される頃,客電が落ち,いつものコンサートの雰囲気になった。根本氏が最近とてもお気に入りという「追憶」,最新シングル「ワイン恋物語」が演奏された。「ワイン〜」は本当に,良い曲だとつくづく感じてしまった。その後,根本氏,光田氏以外のメンバーがステージをいったん去り,この2名で「木蘭の涙」が演奏された。2名で披露されたこの曲は,初のピアノ弾き語りアレンジで,とてもしっとりとした雰囲気を醸し出していた。柿沼氏がメインヴォーカルの「君に贈るHolly night」,私がスタレビという存在を知るきっかけとなったドラマの挿入歌としても使われたことのある「君のために・・・」,最新アルバムより「Sweet Harmony」,同じく最新アルバムではモーニング娘。の石黒彩ちゃんが参加している「プラトンの嘆き(ミュージカル「我が退屈な人生」より)」が演奏された。「プラトン〜」は,石黒彩ちゃんの「誘っちゃおうかな」という台詞を誰が言うのか?というのをポイントに置いて聴いていた。確か,柿沼氏が言っていたかと思う。また,VOH氏の“遠吠え”をナマで聴き,前半押さえ気味であった客席も,ここから盛り上がりの体制に入っていった。「THANK YOU」では,メンバー1人づつワンコーラス歌い,客席を中央から2つに分け,おなじみの大ア・カペラ大会が催された。久しぶりにツアーに登場した「と・つ・ぜ・ん Fall in love」,盛り上がりの楽曲「GET CRAZY」では,いつもならばVOH氏のテナーサックスと山本氏のアルトサックスの掛け合いが見物となるのだが,今回は山本氏がいないことから,ドラムとベースバトルという形になっており,疲れやすいベーシストと言われている,柿沼氏のがんばり具合がとても見物となっていた。

 

アンコールでは,今年夏の野外イベントで大好評(とても大受け)だった,あのハワイアンのコーナー(スタレビの部屋その13参照)が再現された。再び観たい!と思っていたので,アロハシャツとレイを身にまとったメンバーが登場したときには,場内から大歓声(といっても野外に参加した人たちだけだと思うが)が起きた。バンド名も相変わらずの「パラダイス柿沼with東京アラモアーナショッピングセンターハワイアンズ」(メンバー名は,パラダイス柿沼,マンモス根本,ジミー寺田,マンVOH林,スマイリー光田)で,例のごとく根本氏と柿沼氏はウクレレを小脇に抱え,VOH氏と光田氏は小さなラッパ(おもちゃ?)を抱えて登場した。そして,野外でも披露された“ボン・キュッ・ボン”コーラスのある「ビキニスタイルのお嬢さん」がウクレレの伴奏で歌われ,場内には笑いの渦が発生した。その後「日本にもこんなに素敵な夏の歌があるとは思いませんでした。」と根本氏が怪しい英語なまりの日本語で曲紹介をして,歌われたのが「Sweet Snow Magic」だった。この曲が始まったとき,何の曲?と思っていたが,聴いていくと「あ〜これか!ってどこが夏の歌なんだ!」と思った。しかも,こんなにも曲調が変わってしまうのなんて・・・ということにも驚き,「スイスイ(スウィートにかけているのだろう)♪」というコーラスの時(こんなコーラスなんて・・・)に,付けた振り付け(昔わらべが「めだかの兄妹」でやっていた“スイスイ”の振り)も笑いに拍車をかけた。さらに笑いの的となったのは,間奏部分で加山雄三氏の「ぼくのお嫁においで」が,VOH氏と光田氏のラッパで奏でられたことと,「幸せだな〜」という寺田氏による台詞であった。なぜこの曲に,「君といつまでも」の台詞なんだと,考える間もなく大笑いしてしまった。もう,原曲とはまったく違う物になっていたのは言うまでもない。この曲が終わると野外の時と同様に,ステージ上にてついたての後ろで衣装替え(といっても,アロハシャツを脱ぐだけ。下には全員Tシャツを着用)をし,「Good Times & Bad Times」が演奏され,ラストに「どうしても最後に歌いたかったんだ」と根本氏が言って,最新アルバム1曲目の「どうして」が演奏され,ツアー初日の幕を閉じた。

 

本ツアーは,根本氏の1人芝居によるいつもの曲紹介が無く,またおちゃらけVOH氏もいなく,ちょっといつもと違う構成かなと思った。今回は初日と言うこともあり,やはりメンバーはお客さんの反応は如何な物か,お客さんはどういう構成なのかという様子伺いが強かった。このステージや客席の微妙な緊張感というのが,初日ならではである。この緊張感がどのようにほどけて,どのようにはじけていくのかというのが今後の楽しみである。次に足を運ぶのは,例年異様な盛り上がりを見せる千葉県文化会館である。ここまでの間に2公演あるので,どうなっているかが楽しみである。