友井賢太郎CONCERT
〜ビッグバンドとあでやかなる歌姫たち〜 
at 富山県民会館(大ホール) on 2003.3.21

〜総勢24名の大所帯〜

コンサート告知チラシ


<セットリスト>

M1:PIANO SOLO 
M2:MARKET PLACE 
M3:SMOKE ON THE WATER 
M4:グレンミラーメドレー 
M5:DON'T GET AROUND MUCH ANY MORE 
M6:SUPER STAR 
M7:IT DON'T MEAN A THING                
M8:LUPIN THE 3RD 
M9:SATIN DOLL 
M10:東京ブルース 
M11:NO MORE BLUES 
M12:OVER THE RAINBOW 
M13:MISTY 
M14:卒業写真 
M15:FANTASY 
M16:CARAVAN 
M17:MOONLIGHT SELENADE 
M18:TAKE THE A TRAIN
EC:PIANO SOLO


<メンバー>※パンフレット掲載順にて
Pf&Key:友井賢太郎 
Bass:武田悟 
Dr:米原嘉孝 
Per:サミー岡倉、愛ちゃん 
Vo:根本かえ、TARA、古里あゆ、佐藤ひろみ、門嶋友美 
Sax:チャーリー浜西、ティーチャー境、寺井リナ、西方サリ、島崎裕一 
Trombone:ティーチャー川内、公平、剛太朗、堀敬人、矢木ヒロミ 
Trumpet:コッシー腰触、ティーチャー荒木、まこと、香山誠、舟嵜信之

START 18:37   END 20:20



1.はじめに

去年3月15日に、高岡文化ホールで行われたコンサートから1年ちょっと。去年は、主催が友井音楽事務所ではなかったが、今回のコンサートは、事務所自らの主催だ。ホールでのコンサートは、実に371日振りとなる。去年のレポートに目を通すと、今年は、去年よりも楽曲数が増えていたんだなァと、単純に思う。とはいえ、公演時間には変化は見られない。

このコンサートのお知らせを、解剖室で行ったのは、いつのことだっただろうか。去年内に、お知らせをしたような気もするが、まだまだ先だと思っていたコンサートが、こうして終わってしまった。このレポートでは、友井さんと記載するのも面倒なので、普段呼び慣れている、「兄貴」と彼のことを記載することを、ここに記しておく。

当日は、朝早くに関東地方を出発し、渋滞情報に「マジで〜?」と言いながらも、15:00頃富山入り。お寿司を食して、会場近くのホテルにチェックイン。会場へは、開場時間の18:00を過ぎてから到着。入り口で、兄貴の奥さんが、着物姿でお客様たちを迎えていた。思った以上にお客さんがいる(失礼!)。座席は自由。「けん太組」と名づけられた兄貴ファンクラブメンバーの席は前方に用意してあるということであったが、あえて、後方の席に着いた。この会場には初めて来たが、割と見やすい造りのようだ。

座席中央の最後列には、ドラムセットが。ここで誰かやるのか?と、開演前に思ったと同時に、変わったことやるなとも思った(ホールの客席にドラムセットを置くことが凄いと思う)。客席でドラムという手法、個人的には、気になる演出だ。


2.本編

開演予定時間を少し回った所で、客電が落ち、「さぁ始まるぞ!」という雰囲気が、場内に流れ出した。ステージに注目していると(おそらく誰もがその行動を取っているはず)、客席の中央付近から、「皆さんこんばんは〜!」と兄貴の声が聞こえてきた。ピンスポットライトに目を向けると、そこには兄貴の姿が。サテン地の真っ赤な燕尾服を身にまとい、マイクを片手に客席に茶々を入れながら、ステージに向かってゆっくり歩く。予想もしていなかった登場シーン。それにしても、相変わらず、赤がよく似合う男だ。ステージに上った兄貴は、ピアノの椅子に座る。この登場、兄貴によると「普通じゃない事をしたかった」という理由かららしい。客席から驚きのどよめきが上がったことで、兄貴の作戦は成功だったはず。

貰ったパンフレットによると、1曲目は、「PIANO SOLO」(パンフレットには、セットリストが記載されていた)。イントロダクション的な意味合いのスタートだろう。兄貴が、鍵盤に指を乗せる。聞こえてきたのは、ショパンの「ノクターン」。これ系統で、ソロをまとめるのか?と思っていたら、ここは兄貴。思いっきり、予想を覆され、演歌などが織り込まれた。「真っ赤な太陽」の場面で、ステージの暗幕が上がり、ベース、ドラム、パーカッションのバンドメンバーが登場し、演奏に混じる。いきなり派手で、フュージョン的な印象になるステージ。ドラムは、米原さんだったので、外雄君は?と思いつつ、パーカッションに目を向けると、ここにも外雄君の姿はない。今回は出ないのだろうか?それとも、客席のドラムセットに座るのだろうか?と、この時に思った。パーカッションが2人というのにも少し驚いていたが、男女ペアのパーカッション構成というのも、さらに驚いた。男性陣達に負けず劣らずの、パワフルな彼女もなかなか良い。PIANO SOLOは、多分「真っ赤な太陽」迄のことを指す筈。この後、兄貴はステージを去り、この間はパーカッション2名のソロ。

パーカッションソロから、次曲へそのまま展開。兄貴は、衣装を替えて、まさかのギターを抱えての登場。最初の登場方法といい、ギターといい、驚かされっぱなしだ。この登場に、場内がシーンとしているわけは無く、拍手で盛り上がる。

3曲目の「SMOKE ON THE WATER」まで、演奏は止まることなく、一気に行われていた。「SMOKE ON THE WATER」では、座って聴くのも、なんだか勿体無いなと、個人的には思ったが(笑)。この曲で、ホーンセクションも登場。音の厚みも増し、なかなかかっこ良い。この曲でも、兄貴は確か、客席に降りていた(武田さんも一緒に降りていたと思う)。それにしても、武田さんもかっこいい(これはある意味、詐欺だと思うけど)。パワフルな音が響く。リズム隊は、要として、パワフルな音を響かせていると思う(PA調整も、音を大きくしているのかな?)。

かっこよく演奏を終えると、「チャック開いていたの気付いた?」と兄貴。どうやら、衣装を替えた際にチャックを閉め忘れたようで、開きっぱなしだったらしい(笑)。あえて、口にしてしまうところが、兄貴らしい。

「グレンミラーメドレー」は、兄貴のご両親が好きなグレンミラーでという選曲だとか。トランペットの音が軽快に響き渡り、メドレースタート(3曲メドレーだったと思う)。

ここで、本コンサートのサブタイトルにもなっている、歌姫たちが登場する。全5名の歌姫たちが、順に呼ばれて登場。歌姫のトップバッターは、あゆさん。
兄貴の紹介後、ホーンセクションの音が響く中、あゆさんはステージに登場。そして、自慢の喉を響かせる(「DON'T GET AROUND MUCH ANY MORE」)。
続いては、根本さん。ムーディーな、ホーンのイントロが響く中、登場。「SUPER STAR」というタイトル。どこかで聴いたこと有る曲。火曜サスペンスか、土曜ワイド劇場でだろうか。どちらにせよ、サスペンス系の2時間ドラマで聞いたことがあるような印象が有る。彼女を見るのは、初めてだ。
3人目は、TARAさん。彼女も、初めて見る。ファンク系もよく合いそうな声だなと思った。
4人目は、友ちゃん。彼女が出た時に、後ろのお客さんが、「あの子、人気有るんだよ」と喋っていたのが聞こえた。パンフレットのセットリスト表で見た時、「LUPIN THE 3RD」は、インストの楽曲だと思い込んでいたが、予想に反して、歌物だった。しかも、友ちゃんが歌うというのが、個人的に意外。この曲では、兄貴はピアノではなく、キーボードを触っていたと思う。
5人目のラストの登場は、大御所の佐藤ひろみさん。去年聴いたときと同様に、安定感が有り、どっしりした、貫禄バリバリの歌声。

歌姫が全員登場したところで、トーク。兄貴とひろみさんが、トークを展開する。ひろみさんは、「王子様」と兄貴に向けて言う。なぜ王子?と思っていると、兄貴の衣装が、フリル付きのシャツだから(黄色だったと思うけど)。2人は、このコンサートのCMネタを繰り広げるが、関東人の私は、CMがどのようなものか分らないので、トーク内容は理解できなかった(歌姫全員と兄貴が参加した内容ということは分ったけど)。先程歌った順に歌姫1人ずつと、トークを展開する兄貴(メンバー紹介も兼ねている)。歌姫たちの紹介の後は、バンドメンバーの紹介。ひろみさん以外の歌姫たちは、ステージに用意された椅子に座る(バーカウンタースタイルのセット)。ホーンは各セクションが、5人ずつの構成。トークによると、通常は3人ずつパターンが多いらしい。ホーンメンバーの紹介をしている時に気付いたのは、結構色々なビッグバンドがあるなということ。いくつかのバンド名も合わせて紹介されていて(所属)、富山って凄いと思った。コッシーさんの紹介の時は、パンフレットに「腰触」と書いてあるけど、本当は違うと言っていた。本当は、「越沢」と書く(去年のメンバー名では、ちゃんと書いてあったけど)。4月から就職するという現大学生のトロンボーン(だったと思う)担当の男の子には、「がんばってね、世間は冷たいよ」と言うひろみさん(確かに、当たっているけれど)。この紹介の後、ホーンメンバーはステージを去ったと思う。

この後も歌姫の時間。先程の登場とは順を変えての歌の披露。最初は、ひろみさん。ここで気になったのが、この曲への展開方法。構成上に台本等が有るのは勿論のことだと思うが、ここでの展開は、いかにも台本通りですという感じがしてしまった…。ちょっと無理がある展開のように、個人的に思ったから。でも、ひろみさんの演歌は素敵なので、それは歓迎。「東京ブルース」を歌い上げたひろみさんは、ステージを去る。歌い終えたら、ステージを去る構成のようだ。
2人目は、根本さん。「NO MORE BLUES」は、カルロスジョビンの曲。
3人目のあゆさんは、「OVER THE RAINBOW」に「SWEET MEMORIES」を織り交ぜて披露。
TARAさんの、「MISTY」が続き、最後は、友ちゃん。
「卒業写真」を選んだのは、1年間東京に勉強に出ることにしたからということらしい。友ちゃんの日本語歌は、どうも、英語的発音の名残が出る癖があるように思う。以前からその傾向はあったが、今回はそれがさらに強くなっているように感じた。良い部分と悪い部分の差があるが、発声方法なのか、発音方法なのか、英語歌を旨く歌うために身につけてしまった癖なのか、それは分らないが、個人的には、気になる部分。勿体ないなと、感じた。

歌姫が全員去った後、ドラムとベースのソロプレイ。米原さんのドラムが力強く響いいたかと思えば、武田さんのベースも厚く響く。ホーンセクションが再び登場し、「FANTASY」。兄貴は、ショルダーキーボードを演奏しながら登場。しかも、ローラーシューズを履いていたので、ムーンウォークのような動きも披露。

「CARAVAN」には、なんとなく懐かしさを感じた。光田健一さんが兄貴と富山でイベントを行った時に、よく演奏していた曲。2人の息の合った演奏を、ふと思い出した。今回は、ビッグバンド形式。あの時よりも、やはり、厚みと迫力が有る(楽器の数が違うし、種類も違うから)。

「MOONLIGHT SELENADE」で、兄貴は再びピアノを触る。この後、客席に向けて最後の挨拶。「僕らしいショーをやっていきたい」と挨拶をし、スタッフメンバーも称える。

ラストの「TAKE THE A TRAIN」は、兄貴が高校時代に感動したという大好きなアレンジバージョンでの演奏ということ。突如後ろのドラムの音が聞こえ、振り向くと、外雄君。ドラムのそばにいたのに、外雄君が、ドラムセットに来たことに気付かなかった。外雄君は、演奏を終えると(一部演奏)、急いでドラムセットから降り、客席をまたぎ、走って客席を後にした。歌姫も登場し、リレー形式で歌う。ホーンメンバーがステージ前に出てきて、ノーマイクで演奏。最後は、兄貴を取り囲んでの演奏シーンとなった。拍手の中、お辞儀をして一同はステージを去る。


3.アンコール

アンコールの手拍子に応えて、兄貴が再登場。最後もオープニングと同様に、ピアノソロ。とてもよく知っている曲だが、タイトルがまったく思い浮かばない。しばらくすると、ステージ袖から手拍子と掛け声が聞こえ、それに合わせる様に客席からも手拍子が起きる。メンバーは、両サイドのステージ袖から登場し、兄貴のピアノを取り囲む。笑顔溢れるステージメンバー。兄貴のピアノが終わりを告げると、客席の拍手と共に、コンサートが終わった。


4.さいごに

2時間弱のコンサート。意外な登場等もあり、楽しんだコンサート。兄貴の早着替えの多さにも驚いた。この後は、軽く食事をして、配布されたアンケートに記載されていた打ち上げ会場に向かった(誰でも参加できる)。参加費1000円のこの会。会場内に入ると、ここでは、自由気ままな演奏が繰り広げられていた。兄貴のお父さんの演奏まで聴け、予想外の内容。1時間程楽しませてもらい、駅前の屋台ラーメンに立ち寄り、就寝した。