及川光博’98ツアー「翼をください」

7月21日 渋谷公会堂

 

 

7/21,渋谷公会堂にてみっちーのライブ「翼をください」が行われた。このライブは5月30日に始まった「堕天使の花嫁」ツアーの一環で,この日と翌日に行われた「翼をください」で,ツアーの最終を迎えた。なぜ,同じツアーでツアータイトルが違うのかは,「堕天使の花嫁」を観ていないのでよく分からないが,きっとどこかしら,内容が違うのであろう。みっちー人気はとどまるところが無く,去年の夏にはさほど名前が知られていなかったのにも関わらず,1年たった今,ダフ屋の多さやお客さんの入りの状況,チケット入手の困難さからも分かるように,1年前とははっきり言って比べ物にならないほどの人気ぶりとなっている。

 

「只今より,歌劇,翼をくださいがはじまります」と場内アナウンスが流れ,ステージの幕が上がった。ステージセットはいつになくかなりゴージャスで,中央にはU字型の階段が据え付けられ,照明や幕も凝っており,アナウンス上にも歌劇とあるように,芝居のようなステージセットであった。今回は,お芝居仕立てっぽい構成でステージが進められ,いつもとは違った生ミッチーであった。2幕構成(あえて,幕といわせていただく)で,行われたこのライブは,みっちーの新たな一面を見つける内容であった。

 

1幕目は最新シングルである「フィアンセになりたい」で幕を開けた。この曲をはじめ,1幕目はかなりロック色を打ち出し,ドラムやギターを全面に押し出したアレンジに変え(全然違う曲の雰囲気になっていた),ハードなみっちーを見せつけられた。こういったハードなアレンジも出来るんだなと,少し感心してしまった(やっぱりみっちーはちゃんとしたミュージシャンだと改めて思った)。

 

ステージでの内容を簡単に説明すると,1幕目の前半は「堕天使」を全面的に押しだし,ロック色を全面アピール。ただ,がんがんに盛り上がるロックというわけではなく「短調的雰囲気」なロックで,いわば重々しいロック。選曲された曲も二律背反的歌詞の楽曲ばかりであった。途中,みっちーが自殺をするというシーンがあり,奇跡的に助かったみっちーは2年ぶりにステージに復帰するというストーリー。従って後半は,堕天使ではなくなったみっちーによる,明るい曲調(ここでもやはりロック色は強い)で進められた。本幕ではMCは全くなく,本当にいつもと違う雰囲気で進められていった。この幕ではみっちーのみならず,前回の赤坂BLITZでもあったように,人気者のコーラス担当りえさんオンステージがあった。りえさんの歌った曲もやはりロック色のある物で,相変わらずハリのあるセクシーボイスを場内に響きわたらせていた。また,みっちーが復帰するというシーンの前フリでは,キーボードひろりーによるピアノによる「翼をください」のソロ演奏があり,彼女らしい音(すごくかわいい人なのでそんな感じの音や鍵盤タッチ)が響いていた。

 

10分間の休憩の後,2幕のソウルタイム(1幕終了のアナウンスの時ソウルタイムといっていたのでソウルタイムといわせていただく)が「三日月姫」で始まった。1幕目とはがらりと雰囲気を変え(といってもステージセットはそのままで,楽曲や照明が全く違う),いつもの楽しいMCや,光一郎先生(これもみっちー)によるダンス指導の元でのダンスタイムがあり,ステージと客席一体ライブが繰り広げられた。今回は,ストンプ大会も行われ,みっちーが即興で振りを作りみんなでストンプを行う。途中振り付け指導中に「あっ今のリズム違う。さっきの振り忘れて。う〜ん。ちょっとシンキングタイムね」とステージ上で振り付けを考えていたりもした。

 

この幕でみっちーが着ていた衣装は,3年前まだアマチュアだった時代にみっちーが自分でデザインしてみんなで作ったという衣装。これを聞いたときにはこの人何でもやっちゃうんだな〜と感心してしまった。しかもちゃんと衣装を取って置いて,この人気絶頂の今でも着てしまうというところがすごい!!このデザインの話が出たときに,もう一つでた話題が「みっちーくん」という人形。これはPHSの最新モデルを購入すると抽選で当たるという商品で(こういうのに取り上げられるほどになってしまったのかとも思ったが),最初にできあがったサンプルがかわいくなかったらしく,ならば自分でデザインしようと思ったみっちーが,自らデザインをしてしまった商品らしい(この人形結構可愛いんだよね。欲しいけどピッチはいらないから,まあ手には入らないけど。)。

 

とまあ,こんな話題を織り交ぜながらライブは繰り広げられ,アンコールに突入。今回アンコールは2曲やった。しかし,残念なことに「死んでもいい」は演奏されなかった。せっかくがんばってポンポンを作ったのに・・・。非常に残念である。たしかに,会報には今回はやらない(死んでもいい)とは書いてあったけど,本当にやらないんだもんな。これは本当に残念な事であった。最後はおなじみの「悲しみロケット2号」で幕を閉じた。

 

幕を閉じたあとファンサービス旺盛なみっちーは,ひょっこり顔を出してベイベー達に手を振った。本当に一瞬の出来事だったが,場内に歓声が沸き上がったのはいうまでもない。こういうところがやはり人気の秘密であろう。

 

今回は先にも述べたが,本当にいつもと違う雰囲気で構成されたライブだった。チケットの入手ができずに涙をのんだ,今は無き日清パワーステーションで去年暮れに行ったライブも,ロック色を打ち出した物だったらしいが,初めて生で観たロック色の強いみっちーもまた新鮮だった。また,本人もギターをいつもよりも多く(私が知っている限りで)披露しており,ツインギター構成の曲も3曲くらいあった(いつもは「悲しみロケット〜」位)。そして私は毎回思うのだが,どうしてみっちーのライブに来ているベイベー達は,バラードやMCの時も立ったままなんだろう。バラードはゆっくり座って聴こうよ。MCは長いから座って聴こうよ。と思うのだが・・・(スタレビのライブはいつもそういうスタイルなので)。そう思う自分って年寄りなのか?と思ってしまうが,でもバラードはゆったりと聴きたい!!と思うので,私は座るんだけどさ。でも座ると見えないんだよね(だったら立てば?)。

 

次回は「死んでもいい」をやってほしいよねと友人と語りながら,会場をあとにした私であった。