及川光博 独演会「うたかた。」
於 大宮ソニックシティ 2003年2月23日(6公演目)
〜感無量です〜
<セットリスト> M1:流星 M2:月下美人 M3:三日月姫 M4:まるごとフルーツ M5:ロリータの罠 M6:理想論 M7:ラヴソング M8:君がいなくても M9:展望デッキ M10:ベストフレンド M11:シャンデリアラブ M12:悲しみロケット2号 M13:強烈ロマンス M14:求めすぎてる?僕。 M15:背徳王子のテーマ EC1:ヘブンな気分 EC2:バラ色の人生 EC3:ココロノヤミ <バックバンド 「シャンデリアス」> G:原田喧太 Key:佐々木真里 Dr:阿部薫 B:TOKIE Cho:伊藤理枝 Per:スティーブ衛藤 始まり:18:12 本編終了:19:55 全終了:20:45
NHKホール公演から2週間。この間に、四国3日間ツアーが有った。開演時間を過ぎて会場に着いたが、入場を待つ列が長い。今日も多数のお客さんがいる模様。今日の席は、本会場では経験した事のない列番(他アーティストの公演も含めて)。といっても、最前列ではない。一桁列。端の席で、3人掛けの真中。どうやら、ここは皆1枚購入の人が集まったみたい(1枚で買った私が真中だから)。
2.本編
いつものように始まる。そして気付いた。この席から、スクリーンを全部見る事が出来ないということに。上3分の1くらいしか視界に入らない。スピーカーが視界をさえぎる。今回の会場のように花道がある場合は、花道にスピーカーをセットすれば良いのにと思う。
「流星」では、前方のお客さんは、座っている率が高かったと思う。ちなみに、私も座って聴いた。座間と同様に、座って聴けたのが良かった(前が立つと立たざるを得ないから)。
「月下美人」では、サビでの手の振りが、1拍目から、2拍目に変更(スネアに合わせる)。理枝ちゃんが、必死で変えようとしていた。
「三日月姫」では、「踊っていただけますか?」が、「ベイベー」。この一言に、物凄い歓声が沸きあがる。ちなみに、出だしは、「今日は日曜日。今晩は。まるおくんです」だった。
MCのスタートで、生声で、「は〜い(はあと)」をやったみっちー。「2Fの一番後、きこえますか!」も生声。これだけでも、みっちーの気分の高まりが、十分に伝わる。自己紹介は、「猿飛びえっちゃん」(古すぎっ)。「なぜかいつも盛り上がる大宮。それはなぜ?」と、みっちー。
言われてみれば、確かに、大宮の盛り上がりは毎回凄いように思う。みっちーは、「反響とか、場内の作りのせいかもしれない(盛り上がりが凄いと感じるのは)。でも、僕は信じたい。君達の愛が、本物である事を」と続けた。
「今日は気分が良い!」とも言い、とても楽しそう。「まあ、最初の3曲、歌詞間違えなかったのも有るんだけど」と、補足説明。四国3日間を周った事(3日連続は初めての経験とも)も話し、「1週間ぶり(四国ツアーから)。歌う事が、今日はとても楽しみなんです」とみっちー。
「歌う事が楽しみ」と、はっきりとステージで口にしたのを、初めて聴いたかもしれない。歌への思いが、強くなっている証拠なのだろうか。
今日のキャッチフレーズは、「ど根性プリンセス」。「最近の僕、キャッチフレーズ多いね。でも、分りやすくない?キャッチフレーズ。自分で言っちゃダメか(笑)」と、テンポ良く喋る。
昨日は、EPIC25周年記念ライブを見に行ってきた事も話していた(「まだ話して良い?」と口にしてからのスタート)。凄く、話をしたかったというこの内容。「改めて、歌って凄いなと思った」と、みっちー。歌い手であるけれど、やはり、歌って凄いなと、再認識したらしい。小比類巻かおるの、「HOLD ON ME」も歌ってくれた(ライブで聴いたらしい)。ちなみに、ライブを見ている間に、3回泣いたということも話していた。
メンバー紹介では、喧ちゃんに、「静電気で髪の毛凄いことになってるよ(笑)」と突っ込まれ、「え?どんな風に?」と言いつつ、鏡を見ながら、髪の毛を整えるみっちーが、かわいい。しかも、ぴっちり七三にして、笑いも取る(笑)。
理枝ちゃんは、久々に、みっちーに良い扱いをしてもらい喜ぶ(青春時代の曲ってなに?と訊いていたのだが、みっちーに、「青春時代はつい最近だね」と言われていた)。「ありがとう。というか、久々にそんな扱いしてもらった」と、思わず口にしていた、理枝ちゃん。
前回参加したNHKホール公演に続き、ベイベー&男子に役割有り(「人魚」と「半漁人」)。しばし、「人魚」と「半漁人」で遊んでいたが、客席の非常扉の明かりが点いたり消えたりしていたらしく、それが気になるとも口にしていた。
「今夜のポエム」は、自作を発表するコーナーとなっていた。今日は、直前に作った、詩。「敗者復活戦」というタイトル。恋に関する内容だ。振られると分っている時の、感情。最後の、「恋には、先着順は無いんだね・・・」というのが、印象的。そういえば、自費出版する?というような話しになり。拍手多数。この時、「え?本当に?ホントに?」と、嬉しそうに反応していたみっちーが、何とも言えずかわいかった。本当に、詩集出して欲しいなと(ちなみに、このツアーで披露した詩の詩集)。このコーナー前の、ピアノソロは、みっちーの「君の中へ」。最初何の曲かわからなく、サビで分った(もう、ベイベー失格)。真里さんのアレンジになるのだろうか。場内も、今回は静かで良かった。最後のフレーズを、みっちーは、ピアノに合わせて歌った。マイクが入っていないので、歌いだしの部分は聞こえなかったが、途中でマイクが入った。小声で、かすれた感じで歌うのが、叙情的。
「展望デッキ」の歌い方が凄く良かった(歌のアレンジという部分で)。
「ベストフレンド」の最初のフレーズでの、みっちーの顔つきが良い。言葉では上手くいないが、優しい笑顔という印象。途中、機材に腰掛けて歌う姿も良かった。
「シャンデリアラブ」で、みっちーと理枝ちゃんのフリの違いに気づいた。サビでの手の動きの部分。理枝ちゃんは肩に手を置くが、みっちーは置かずに、手を返している。座間の時に、みっちーを見ていて、肩に手を置いていないとも思ったが、理枝ちゃんを見た時に、肩に手を置いていたので、そうなのかなぁと思っていたが、どうやら、2人で違っていたらしい。
「求めすぎてる?僕」では、「すべすべなヒップほほ寄せて」では、ちょっとエッチな感じ。階段プレイ。「つついてみたり、していいんですか?ダメですか?!」と、腰を振る。理枝ちゃんとの絡みもエッチ。
「強烈ロマンス」では、真里さんが、前方に出て、コーラスとタンバリンを担当。今までの中で見ていなかったので、これも新たな構成だと思う。
本編ラストで、メンバーがステージを去る時に、スティーブは、エレキドラムを叩きながら退場。みっちーは、スクリーンのカメラに向かって、満面の笑顔でポーズ取っていた。
3.愛と哲学の小部屋
「なんだよぉう。盛大なコールの割には座ってるのかよぉ」と、みっちーは、ステージに出てきたのに、去る(笑)。ベイベー達が立ちあがり、みっちーを呼ぶ。キュートな笑顔で、みっちー再登場。
「頭からやっちゃったな。静電気。良いじゃん、かわいいじゃん」と、かわいく言う。「今度からエレガードしないとね」とみっちー。前のベイベーが、「頭に?」と多分言ったのだろう。「え?頭にはエレガードしないでしょ?」と、みっちーが言っていた(ちなみに、私も、「頭に?」と訊きたかったのね(笑))。
いつものように、初心者ベイベーにタイトルコールの説明をし、TV番組「Ayu Ready」の収録話をした後、チェホフ登場。チェホフは、四国3日間ツアーは不参加だったとか。そんなことから、「チェホフ久し振り〜」と、みっちーが口にした。
1つ目の内容は、「みっちーライブの前日に必ず微熱が出ます。これって恋?」。ちなみに、主婦ベイベーから(笑)。
「多分恋でしょう」と、みっちー。そして、「恋は落ちるもの。一方的に出来るものね。愛は2人もしくは世界規模で、他者と育むもの」と、よく口にしている内容が出る。この後、「ちゃお」と〆台詞を言ってしまい、みっちー本人も笑う。思いつくトークをしばらく展開。
2つ目は、「チャイナドレスを買ったんですが、どこに着ていくのが一番映えますか?」。
この回答には笑った。「ズバリ、中華料理屋さん」。個人的には、「結婚式」等の回答かと思ったが、中華料理屋と答えが来て、場内笑い。「もう、間違え無いでしょ。中華料理屋さん。店員さんが着ている事も有るから、気をつけないといけないけどね(笑)。チャイナドレスは良いよね。フォーマルにもなるし。そして、男子諸君。あれはさ〜スリットが良いのね。入ってないと寂しいよね。僕は、脚フェチなのね。バストは関係ないの。逆に大きすぎるのはどうかなぁって思うし」と続けた。バスト話になり、思い出したように、「そうえいば、MEGUMIっているじゃない?あのこが、MEGUMILKの宣伝に出れば良いのにね」と続けていた。最近CM出ていないから出たいとも。「下町のナポレオン」だから、焼酎が良いらしい(笑)。
3つ目は、「人魚姫でお勧めの本は?」。みっちーは、ディズニーの「リトルマーメイド」は、ハッピーエンドなので、納得いかないらしい。「人魚姫の話は、ハッピーエンドなのか、アンハッピーなのか、というのであって、終わりが明確じゃないところがいいのに。つまり、単館上映系なんだよね。みっちーも単館上映系で行きますよ。単館と言いながらも、全国周るけどね。懐かしの曲で涙した僕は(EPICライブのこと)、良い曲を作りたい、良い曲を歌いたいと思った」と話を続けた。
4つ目は、「シャンデリアラブが好きです。これは、みっちーが昔好きだったアイドルのことも入っているのかな?」。「この曲はね、週刊誌のグラビアを見てひらめいたんだよね。完全に頭脳プレイで作った曲。『シャンデリアラブ』って言葉は、たった400人の函館でのライブの後、ホテルで思いついたの。この曲で一番大事な部分は、『どうして誰かを好きになるんだろう』です」と、曲説明。これで最後と言っていたが、もう1枚選ぶことに。
「思いは伝えなければ伝わらないと言うけれど、思いって、一体どうすれば伝わるの?」というのが、最後の内容。みっちーは、「愛の種類って色々あるよね。『エロス』『アガペー』等。僕は、『LOVE』ってしょっちゅう言うじゃない?昔はね、正直に言うとさ、『女の子が喜ぶことを言う』っていうつもりだったのね。でも今は、男子女子問わず、世界規模の『愛』という意味。本当にそう思うの。だから、もし、僕にそれを伝えたければ、『LOVE』を大きく言ってみてください」と、正直に話をする。
最後は、誰の口調?というような声で、「愛と哲学の小部屋」のコール。そして、なぜか、先生。「起立、礼、着陸〜(笑)」とやる。これも、誰の口調なのだか。メンバーを呼ぶ時も、「おまえ誰だよ!」と突っ込みたくなる口調で続けていた。
4.アンコール
メンバーがステージに揃い、軽くトーク。理枝ちゃんと真里さんは、同じ様な衣装。みっちーに、「揃えてるの?」と訊かれていた。
初心者ベイベーには、こんな話も。「漫画の中から、飛び出してきた王子を期待して来た、初心者ベイベーもいるでしょう。ところがどっこい、すっとこどい。あ〜王子さ。『ど根性王子』さ」と。「ど根性王子」と言ったことから、「ど根性がえる」を歌いそうになってしまったというみっちー。
これに、「歌って〜〜」とベイベー達が手拍子を始める。笑いながら、その手拍子に乗せられて、結局歌うみっちー。「殿様王子 雨王子 王子に色々有るけれど この世でオンリーワン ど根性王子の及川様は 根性根性 ど根性 泣いて笑ってターンして 憎いよこのど根性王子 どっこい生きてる芸能界〜♪」と、即興替え歌(笑)。
バンドメンバーも、即興で音を添えた(爆)。本人も言っていたが、よくここまで即興でひらめくものだ。
トークの〆では、「気高く強く美しく」を皆に復唱させる。これはみっちーのモットーで、男子も女子も、こうあって欲しいと。そして、「美しく」は「プチ整形」じゃないよとも。みっちーは、「なんだか、今日はとても楽しくって」とも、話していた(「とても楽しい」という思いは、お喋りを聞いていても十分に感じられたけど)。
「ヘブンな気分」では、「ど根性王子」を引きずってか、「Come On 蛙」と入れていた。また、手拍子と歌のあわせを止めたのだろうか。合わせる流れを作っていなかった。客席とのやり取りに入る前の流れで、間違えたみっちーは、「まちがえた〜。ここまで完璧だったのにぃ(歌詞が)。あ、嘘。『シャンデリアラブ』も間違えたけど。こんなダメな僕を、どうかぶって下さい」と口にする。客席が、みっちーをぶつ素振りをすると、みっちーは豪快に倒れこんだ。この後のコールアンドレスポンスでは、「根性根性♪」と歌うみっちー。勿論、客席も同様に行ったが、「言っておくけど、それ、かっこよくないよ」とみっちーに言われる(オイ!と突っ込みたかったよ)。みっちーが間違えた曲でもあるが、スティーブも実はやってくれた。間違えて、「お囃子」を流し、みっちーに、「今の何?怒らないから、ちょっとやってみて」と言われていた。
この曲の後、今までの流れなら、「死んでもいい」だったが、今回は、「バラ色の人生」。この時、「今回はダブルアンコール無しで、『死んでもいい』も無いのかな」と、少し思った。
「ココロノヤミ」の前では、「2435人。この短時間で、そんなにもキラキラになれると。それを見られる僕はとても幸せです。皆さんには、キラキラできる、そういった魂を潜在的に持っていると思います。僕の魂は、完全燃焼しました。感無量です」と、挨拶。そして、「ココロノヤミ」へ。この曲は、微妙にアレンジ(一部)が変わっていたように思う。歌の持つ力、歌詞の持つ力が、より強く出るような、感じだった。
緞帳が一度降りた後、カーテンコールで再び上がり、メンバー一同が中央でお辞儀。カーテンコールでのみっちーの笑顔が、非常に優しい表情だった。この後、客席には、ダブルアンコールを待つ雰囲気が流れた。そんな中、客電が点灯する。予想通り、ダブルアンコールが無い終わり。客席からは、「え〜」と、がっくりの声も若干上がっていた。「ココロノヤミ」で、余韻を持たせた終わり方だった。
5.さいごに
今日は、凄くよかった。本当に良かった。結論から言うと、みっちーの歌に対する思い、歌力、歌詞の持つ力というのが、とても強く感じた公演だった。彼は「歌をとても歌いたい」気分だといっていた。それが、とても反映されていたのだろうか。前回の四国3日間公演から、1週間。この1週間の時間が、「より歌を歌いたい」という気持ちを高めたものらしいが。
「歌力」を魅せたいという、今回のツアー。ようやく、そのスタイルが出来あがってきた頃なのかもしれない。
今回、席としては、前方良かったが、端だったので、TOKIEさんは、まったく見えなかった。師匠もほとんど見えず。スクリーンも上しか見えないし。
まあ、演奏中に出るスクリーンは、隣に小さい物も設置されていて、微妙にそれで見ることが出来たが、それでも、スクリーンが見えないのは、減点材料。これにかんしては、ステージセットももう少し考慮して欲しいと思う。
それでも、大宮公演は、とてもいい公演だった。みっちーの歌は、これからますます楽しみになった。