3.ライブ構成について

 

ここでは、ライブ毎の構成についてまとめる。

 

 

3−1 各ライブ構成について

 

表3−1に、各ライブの構成表を記す。表内にある、「曲数/h」は、単純に総ライブ時間を演奏曲数で割ったもので、1時間当たりに、何曲演奏できているかを見る指標とした。つまりは、1時間あたりの演奏曲数が少ないほど、MC等の演奏以外の時間が多い事になる。

 

表3−1 各ライブにおける構成表

項目

 

総演奏曲数

弾き語り曲数

弾き語り比率

新曲披露数

新曲比率

アンコール曲数

アンコール比率

ライブ時間(h)

曲数/h

ライブタイトル

Welcome to KEN's Park worldその1

13

2

15%

1

8%

3

23%

3.8

3.5

Welcome to KEN's Park worldその2

13

1

8%

0

0%

3

23%

4.5

2.9

サンデーワイドショーVol.1

10

2

20%

2

20%

1

10%

2.0

5.0

サンデーワイドショーVol.2

11

3

27%

2

18%

2

18%

2.0

5.5

サンデーワイドショーVol.3

18

5

28%

2

11%

1

6%

4.0

4.5

走れ!ハイエース!!(FINAL)

12

1

8%

2

17%

1

8%

2.0

6.0

1998→1999

22

2

9%

1

5%

3

14%

3.5

6.3

PLAY THE MUSIC

16

3

19%

0

0%

2

13%

2.8

5.8

恋するエッグマン

23

2

9%

5

22%

4

17%

4.0

5.8

有楽町であいまSHOW!

22

3

14%

4

18%

3

14%

3.5

6.3

たった1時間だけ、あなたといたい

16

7

44%

4

25%

6

38%

2.3

7.1

SEPTEMBER SONG CONCERT〜Introduction〜

17

3

18%

6

35%

3

18%

2.5

6.8

SEPTEMBER SONG CONCERT

21

4

19%

1

5%

4

19%

3.5

6.0

総計

214

38

18%

30

14%

36

17%

40.3

5.3

平均

16.5

2.9

18%

2.3

14%

2.8

17%

3.1

5.3

 

 

3−2 ライブ構成の考察

 

表3−1より、次の事がわかる。

 

l         ライブ初期時代においては、著しく1時間当たりの演奏曲数が少ない。実際にこのライブに参加していても感じたが、MCは、長かったように思う。また、Style−Oの時間もあったので、本表ではそれを考慮していない事からも、他のライブと大きな差が見られたとも推測できる。

l         サンデーワイドショー関連ライブでは、新曲コーナーもあった事からも、どの回に於いても新曲披露の平均値を越えている。

l         アンコール演奏は、平均して2.8曲。また、構成の割合からも平均17%であり、意外と多いのでは?と、筆者は思う。この事からも、1曲でアンコールを終えるのは、あまり光田氏は好まないのではないかとも推測できる。

l         ライブでの演奏曲数は増える傾向にあるが、ライブ時間はとめどなく増えつづけている傾向は見られない。1時間当たりの演奏楽曲を見てもわかるが、初期に比べ、演奏する時間が増えていることが、この結果からもわかる。

 

 

 

4.チケット料金と会場利用料金の関係について

 

表4−1に、チケット代と会場利用料金についてまとめる。「Welcome to KEN's Park worldその1」については、筆者が確認できない状況。「Welcome to KEN's Park worldその2」と、同料金のはずだろうという推測で、記載した。また、座席指定と立ち見がある場合は、指定の料金、ライブハウスにおいては前売り料金にて、記載した。

会場利用料金とチケット代の関係を見るために、分かる範囲での会場利用料金と会場のキャパシティを記載した。「会場の最大キャパシティ×チケット代−会場利用料金」を計算し、会場に支払う金額以外に使うことが出来る金額を算出した。なお、会場利用料金と会場キャパシティについては、「ぴあmap ホール・劇場(首都圏版)」を参考にした。会場利用料金については、ライブの開催曜日と時間から、おそらくこの枠の料金だろうという想定にて、明記した。また参考図書は、2001年9月発行の為、ライブ当時とは料金に相違が見られるかもしれないことを、断っておく。

 

表4−1 チケット料金と会場利用料金

ライブタイトル

チケット料金…@

会場利用料金…A

会場キャパシティ…B

@×B(最大値)…C

C-A

Welcome to KEN's Park worldその1

\3,500

\350,000

350

\1,225,000

\875,000

Welcome to KEN's Park worldその2

\3,500

\350,000

350

\1,225,000

\875,000

サンデーワイドショーVol.1

\2,800

\200,000

350

\980,000

\780,000

サンデーワイドショーVol.2

\2,800

\200,000

350

\980,000

\780,000

サンデーワイドショーVol.3

\3,800

\350,000

350

\1,330,000

\980,000

走れ!ハイエース!!(FINAL)

\3,300

\150,000

350

\1,155,000

\1,005,000

1998→1999

\4,200

\680,000

200〜250

\1,050,000

\370,000

PLAY THE MUSIC

\4,200

\350,000

350

\1,470,000

\1,120,000

恋するエッグマン

\4,200

\500,000

350

\1,470,000

\970,000

有楽町であいまSHOW!

\5,250

\532,000

100〜180

\945,000

\413,000

たった1時間だけ、あなたといたい

\3,500

 

80

\630,000

 

SEPTEMBER SONG CONCERT〜Introduction〜

\3,150

 

 

 

 

SEPTEMBER SONG CONCERT

\5,250

\300,000

530

\2,782,500

\2,482,500

平均

\3,804

\360,182

 

\1,270,208

\968,227

 

 

チケット料金については、会場にもよるが、確実に値上がりしていることは否めない。どのアーチストでもそうだが、初期時代においては、人を呼びやすい料金設定で、人気が出てくると徐々に値段が上がって行く。光田氏のチケット料金も、その法則に則っているように伺える。会場もホールコンサートが増えてきており、ホールにおいては、5000円を超える。今思えば、2800円時代が、非常に懐かしい。今の段階では、チケット料金の平均は、4000円を割っているが、今後、この平均額は上がると思われる。筆者としては、人気が出てくれば多少料金が高くても、チケットは売れるという認識が、売る側にあるに違いないと、昔から思っているので、チケット料金が人気のバロメーターと思っている。

会場利用料金が高いと、チケット料金が高くなるものと、筆者は思っていたが、実際は違っていた。草月ホールは、Egg−manより、低料金であるが、チケット代は高くなっている。このことからも、会場利用料金とチケット料金が比例していないということが分かる。

また、会場利用料金以外に使うことが出来るお金の目安を見る為に算出した、「会場の最大キャパシティ×チケット料金−会場利用料金」の結果を見ると、草月ホールで行われた「SEPTEMBER SONG CONCERT」が、最も高い値になっている。また、最も安いのは、ON AIR WESTで行われた「1998→1999」。両者の差は、実に200万円強。個人の印象として、「有楽町であいまSHOW!」が、初ホールということもあり、照明など今までに無い演出を見ることが出来ていたライブであるが、会場利用料金を差し引いた残額が、下から2番目で、思ったよりも低かった(会場キャパシティが大きく関係していると思われる)。

ただし、この算出は、あくまでも目安として算出したものなので、実際とは、大きな相違があるのではないかと考えられる(実際には、会場を利用するだけではなく、機材のレンタル料金や楽屋の利用料金等、発生しているだろう

 

 

 

5.まとめ

 

以上までの内容を、ここにまとめる。

 

l     渋谷Egg−manで行われた本数は、全体の4割を占めていた。このデータからも光田氏が、活動の拠点と言っている事を、裏付けできる。ただし、最近においては、ホールコンサートが行われるようになり、活動の拠点といわれてきたEgg−man(現在は、CLUB eggsightであるが)は、昔話になっていくのではないかと推測する。

l     光田氏が、ライブの年にすると公言した、1998年には、全体の4割以上の本数をこなしていた。

l     各ライブに頻繁に登場している曲もあるが、予想以上に、選曲はバラけていた。平均すると各曲の演奏回数は、約3回。ライブの回数に対して5割以上の確率で演奏されているのは、比較的に盛り上げる役目の楽曲。

l     ア・カペラ大会は、初めて取り入れた「サンデーワイドショーVol.3」以降、毎回行っていることからも、光田氏自身が非常に気に入っているのではないかと、考えられる。ただし、「僕はピアノが好きなんだ」のア・カペラ大会は、1回限りで終わってしまい、光田氏本人がイマイチだったと感じたのではないかと推測(筆者は、このライブに参加していたが、事実、イマイチかな?と感じていた)。

l     最近の傾向としては、光田氏の引出しを沢山開いて、様々な局面を見せるような、選曲になってきたと筆者は、考える(「有楽町で会いまSHOW!」で、演奏されたインストゥルメンタルの選曲等から)。

l     ライブの構成を見ると、新曲披露は積極的に行われており、弾き語りも毎回行われている。近年においては、最初の頃とは比べものにならないほど、1時間当たりに演奏している楽曲が増えた。このことは、ある種無駄なMC(勿論、楽しいトークであるので、参加している筆者にとっては無駄とは思わないが)を省きながら、演奏を前面に押し出すスタイルになってきたのではないかと、考えられる。

l     チケット料金はホール公演において、5000円を越している。会場利用料金と比例しているのだろうと、筆者は考え、調べたが、比例しているわけではないようだ。人気が出れば、チケット代が上がるものと、筆者は考えている。

l     これからも光田氏のライブ活動は地道に行われるだろうが、構成などにおいて変化を見せていくものと、推測される。特に、ここ1〜2年が、大きな変化時期ではないかと、筆者は思う(ライブでの演奏楽曲構成を過去と近年とで比べた結果から)。

 


あとがき

 

簡単ではあるが、今回初めて、このような考察を作成した。もっと突っ込んで調査等を行えば、もっと形が違うものが出来るのではないかと思う。ただし、単なる1ファンのレベルとしては、この程度の考察でも良いだろうと思う。

 

「考察」というタイトルがついている割には、考察と呼べるものかどうかと、少々疑問もあるが、まあ、タイトルを考察としてみた。データを十分に活用した内容じゃないと、指摘されそうな気もするが…。

 

この考察に取り組んだ後に、2001年もライブを行うという事実が発覚。ライブのお知らせが届いたので、「このまとめは、このお知らせに記載されたライブまでを対象にするべきなのかどうなのか」と、少々悩んだ。作業を取り組んでしまっていた事もあり、結果的には、当初決めた期間で行う事とした。だから、本当は、2001年のライブ本数は、「0回」とはならないのだが、この考察上では、「0回」。

 

この考察を作って、漠然と実感していた内容と大きく違ったのが、1曲目とラストに選ばれた曲。同じ曲が何度か選ばれているだろうと思っていたので、こんなにも色々な曲が、選ばれているとは思わなかった。

 

話は変わるが、この考察を行う事については、数人にしか公言していない。公言をした友人には、「考察を作ってみたいな」と漠然と思いついた頃にも、言っていた。にも関わらず、手をつけたのはその数年後。一応、頭の中に漠然としたイメージがあったが、作業に取り掛かるまで時間が掛かった。ただ、取り組んでしまえば、それなりに、考えもまとまり、少しづつ形になる。取り組んだ後も、一気に進めれば良いものを、作業をサボったりしていた。まあ、急いで仕上げなければと、思ったのは、やはりライブのお知らせが届いてから。「とにかく、このライブが行われる前には仕上げよう」と、思い一時期サボった作業を再開し、ようやく完成。

 

ライブなどを通して、光田氏を見て、その周りの方々(メンバーもスタッフも含めて)も漠然と見てきた。FCの会報を通して感じる事もある。ジェントルハーツ・ミュージックオフィスに対して、非常に強く感じているのは、組織力。大きい会社が良いかといえばそうではなくて、組織としてとても力があると思う。同じ目標の基に、皆が動く。だからこそ、まとまりのある動きとして外に見えると思う。ファンへの接し方が、人によって違う事が無い。筆者は複数のFCに入っているが、最も素晴らしいFCだと思っている。

 

最後に、謝辞として。

KEN’s Parkの会報、オフィシャルHPの「Live Data」を、データをまとめる上で、参考にしました。セットリストや、レポートを参考にし、不足データを補いました。有難うございました。

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