光田健一 Burning Pop Piano Trio+(プラス)
on 2004.2.11 
at 原宿Blue Jay Way

〜やっぱりバンドです!〜


<セットリスト>
第1部 18:35〜19:55第2部 20:13〜21:35
M1:美しい想い出に 
M2:Love Songはもう二度と 
M3:子供と大人 
M4:この冬が終われば 
M5:君の育った街へ 
M6:オレンジ 
M7:きっと夢を見ていた 
M8:Early Bird

M9:言葉に出来ない(小田和正) 
M10:出逢い 
M11:やさしさに変わるから 
M12:愛に気付いた時 
M13:Pianoman 
M14:SAME NAME,
     DIFFERENT GIRL  M15:Cry'n Smile  M16:☆STAR☆〜スター〜 アンコール 21:35〜21:50 EC1:二人は最高
     〜Just My Love〜  EC2:みち草

<メンバー>
杉野寿之(Drums)、田中豊雪(Bass)、Cico(Per・Cho)


1.はじめに

今年1月3日に行われた、ブリリアントトリオでのコンサートで(こまばエミナース公演)配布されたチラシに、本公演のお知らせがあった。あまり気にも止めていなかったが、よく見ると、バンド形式。しかも、懐かしのトッチンの名前がある。正直なところ、弾き語りやクラシカルな雰囲気でのコンサートに、少し飽きてきていたため、これは行ってみようと、久しぶりに心を動かされるお知らせだった。メンバーの顔ぶれは、個人的にポイントが高かった。しかも、タイトルに「Burning」という文字。ここ最近では、めったにお目にかかれなかったスタイルがあるのかもしれないという、期待も膨らんだ。

こうなると、問題はチケット確保である。会場のHPを見ると、キャパシティが小さい。久し振りのバンド形式なので、かなり気合を入れないと、チケットは取れないだろうと想定。そう、いつぞやの、調布Ginzでのライブのように…。チケット取りに関しては、想定される状況をイメージしながら、欲しい枚数確保の為、作戦を軽く練った。ネットでの確保が出来ない場合、電話予約(幸いなことに時間がずれていた)と決め込み、友人と2人で挑んだ。が、これが予想に反して、かなり楽勝に取れてしまい、なおかつ、完売もすぐしなかった。むしろ、ダブルで取れてしまい、さて、チケットどうしよう…という問題が新たに生じてしまった。目論見では、即効完売で(いつぞやの調布Ginzからの経験上)ダブって取れてもすぐに欲しい人見つかると、思っていたが、大きく予想が外れたため、思ったようにチケットを捌くのは難しいかもという思いが出てきた。

仕方ないので、最近めっきりと健ちゃんライブに遠のき気味の仲間にも声を掛けたら、バンドライブということで、あっという間にチケットの行き先確定。久々に、ほぼ全員集結で、健ちゃんライブに行くという状況となった。これだけの所帯で行くのは、本当に数年振りである。

当日は、来場者順ということもあり、狙っている席を確保する為に、開場時間の約2時間前に到着し、並んで待つこととした。まあ、狙っている席は2F席なので、そんなに殺到することはないとは思ったが、1F前方が埋まったら2Fが見やすいといって、2Fに来るのでは?というのもあり、早く行くことにはこしたことがないという結論だった。

開場すると、予想通り1F前方から埋まる。2F席に行くのは、我々くらいのもの。ある意味、選び放題(笑)。2F席は、本当にしばらくの間誰もこなく、1Fが全部埋まってから、他のお客さんも登場してきた状態。

開場してから開演までは、1時間半。この間は、食事タイム。ビュッフェスタイルである。しかも、フリーフード。ご飯を食べながら、お酒を飲む。ちなみに、ボトルワインも置いていたので、飲みチームは、節約のためワインをボトルで購入。いつぞやの調布Ginzでのライブでも、節約のために、ワインをボトルで入れていたけど。あの時と同じように、ボトルがテーブルにあるのは、ここだけだった。そんなことをしているうちに、開演時間となった。


2.第1部

ステージ背面のスクリーンがしまわれ(風景の映像を流していた)、場内の照明が落ちる。そして、メンバーがステージ登場。ちなみに、グランドピアノがステージにあった(グランドピアノがあるとは思っていなかった)。

健ちゃんのピアノが鳴り響き、懐かしい曲が耳に届いた。1曲目は、「美しい想い出に」だ。健ちゃんのピアノに音が加わる。そして、久しぶりに健ちゃんの鍵盤ハーモニカの音色も聞けた。この曲自体、生で聴くのは2002年年末の藤沢インタープレイでのバンドライブ以来であるが、鍵盤ハーモニカを聴くのは大体いつ以来なのだろうか。そういえば、昔はよく使っていた楽器だったなということも思い出しながら、聴いた1曲である。ちなみに、鍵盤ハーモニカは、シンセの上にセットされ、グランドピアノとはL字配置になっている。故に、演奏する際には、L字奏法となる。

次の曲も懐かしさ一杯。私がタイトルをよく忘れる曲。「Love Songはもう二度と」だ。今回もCDジャケットで確認するまで、タイトルを思い出すことが出来なかった。好きな曲の1つなのに、なぜか、曲とタイトルが頭の中で結びつかない。この曲もまた、前回生で聴いたのは、先ほどの曲と同様。あの時のメンバー構成と今回は違うこともあるが、あの当時よりも、今回の方がより懐かしいという思い。それは、トッチンのドラムがあるからなのだろうか。

2曲続けての後は、トーク。相変わらず、おしゃべりがとめどなく続く(笑)。メンバー紹介も兼ねていた。相変わらず、CICOちゃんは、いじられる。今回の「+」は、CICOちゃんらしい。CICOちゃんは、「じゃあ、トリオって名付けなくたっていいじゃん」と言う。久し振りに健ちゃんのステージに参加したトッチンも、CICOちゃん同様にいじられていた。髪の毛が伸びて、犬みたいというのを散々口にされた(笑)。先ほどの演奏曲も紹介する予定だったようだが、タイトル紹介をしようとした頃には、「何でしたっけ??」と自ら口にしてしまい、結局タイトル紹介は無し。ただ、演奏直後はこんなことを言っていた。「ロック系な曲をやると髪の毛逆立ちそうですね。って、髪の毛の話はあまりしたくないんですけど」と。誕生日がもうすぐとか(プレゼントおねだりもちょっと含めて)、相変わらず思いつくことをしゃべっているが、そのおしゃべりの雰囲気に、懐かしさを感じた。そして、相変わらず長い。

次に続く3曲は、弾き語りをバンド用にアレンジしたもの。「子供と大人」は、公開レコーディング以外で聴いたことあったか?と思う位、久し振り。ちなみに調べたところ、2001年11月27日、調布Ginzで行われた弾き語りライブで聴いただけである。実際に、めったに披露されていない曲だったことが判明。個人的には、この類の曲は好みである(が、あまり生で聴けない)。

「この冬が終われば」は、「火曜サスペンス」や「土曜ワイド劇場」でエンドロールもしくは、最後のシーンで(犯人がつかまるところ)流れそうな感じがした(あくまでも、個人的解釈)。ピアノと鍵盤ハーモニカの音色からスタートし、ボサノバのリズムで繰り広げられる大人の雰囲気。「君の育った街へ」も、ブリトリで聴くのとは大きく違う。やはり、バンドでの演奏というのは、雰囲気を変えるものである。健ちゃんも言っていたが、骨太に変化する。

この後も、先ほど同様に、長いおしゃべりタイム。アルバム「ブリリアントトリオ」の話しも交えつつ、「最近は、光田さんはクラシカル路線に変わったんですか?ときかれるんだけど、弾き語りやクラシカルなものをここ最近やってきて、そしてやっぱり行き着くのは懐かしい仲間かな」とつなげていた。トッキーの話をするときに、元スクエアということは当然のごとく伝えていたが、この時、スクエアの曲のワンフレーズを健ちゃん・トッキー・トッチンで一斉に演奏。同じ曲を一斉にやってしまうことが、長年の仲間という証なのだろうか。トークは、ここでも色々と展開するが、最近はニュースによく登場する、吉野屋ネタも登場。昨日牛丼を食べに行ったという話。その時に見かけた中学生が、大盛り食べた後、並を注文していて驚いたということや、その中学生の態度が横柄だったので、注意の言葉が喉まででかかったということをしゃべっていた。このネタを、CICOちゃんに同意を求めながら進めていたが、最後まで話した後に、健ちゃんは気付いた。「あ、そうだ。CICOちゃんは、昨日一緒に行ってないんだ。こっちの3人だ」ということに。そして、CICOちゃんをのけものしに、「昨日おいしかったね〜」と話す。この光景を見て思い出したのは、昔のトッチン。よくトッチンだけ知らないネタを、ステージで行っていたなということ。それが今回は、CICOちゃん。ここのトークも全般的に面白かったが、特に笑えたのは、「僕、王子様キャラなんで(笑)」と健ちゃんが言った事。なんとなく、ツボ。お店の人から、オレンジジュースの差し入れもあり。ちなみに、このオレンジジュースが、次曲タイトルの決め手である。

新曲「オレンジ」。健ちゃんは、先ほどお店から貰ったオレンジジュースにちなんで、このタイトルにしたらしい。元の仮タイトルは、「君に会いたい」。とはいえ、「オレンジ」が合わないという事はない。「オレンジの月」という歌詞がある。「切ない曲」と紹介された曲である。

CICOちゃんのパーカッションソロから始まったのが、「きっと夢を見ていた」。民族音楽系のイメージが漂う、CICOちゃんのソロ。そこにトッチンのドラムが重なり、ベースが入り、健ちゃんのイントロ。このイントロで、ようやく曲判明。激しい演奏のやり取りが見もの。健ちゃんのピアノソロのはじけ方も見事。クラシカルな演奏でのはじけ方とは違う。このはじけ方にも、懐かしさを覚えた。

激しい演奏の後は、小休止の意味もあるだろうと思われる、トーク。CICOちゃん、腰に手を当て、先ほどのオレンジジュースを飲み干す。エッグマン時代に行っていた、オロナミンC一気飲みの映像が思わず頭に浮かんだ。ステージでもそんなネタが少し出ていたが(笑)。

第1部のラストは、「Early Bird」。ブリトリバージョンも良いが、バンドだと、より元気な感じがする。


3.第2部

15分程休憩を挟み、第2部スタート。健ちゃんのみ、ステージに登場した。どうやら2部は、弾き語りから始まるようだ。と思っていたら、トークからの展開。小田さんの新曲「まっ白」にコーラスで参加した事、その時の小田さんとのやり取りなど含め、時に客席に笑い声を発生させながらトークを進める。 2部の最初は、小田さんへの尊敬の念を込めて「言葉に出来ない」。小田さんのカバーで、健ちゃんがこの曲を披露するのは初めてであるが、なかなか良かった。合っている。ちなみに、健ちゃんによれば、チャレンジ曲だったらしい。

続いても弾き語りで、「出逢い」。しっとりと聞かせる部分も忘れていないところは、昔から崩していないスタイルと言えよう。

メンバーが再度ステージに揃い、先ほどの弾き語りの空気を打ち破るかのように、トーク展開。確か、各人のお知らせもここで行っていたような気がする。トッキーが、スクエアの25周年記念DVDが発売される話をし、半分くらい映っているからと言えば、「画面の半分ずっと映ってるの?」と健ちゃん(笑)。
そんなやり取りも交えつつ、やはり話は色々と動く。健ちゃんは、近所のラーメン屋で起こった出来事を話す。ラーメン屋にいた、小学生の女の子とそのおじいさんの会話を展開した。その女の子は、給食をクラス全員、左手で食べていると言う。その理由は、クラスメイトの女の子が右手を怪我して包帯しているから、その子に合わせているから。カウンターに座っている6人は、皆でいい話だな〜と頷く空気が流れ、ラーメン屋の店主も同様。すると、女の子は「でもね、先生は右手で食べてるの」と言う。店主は、「けしからん!」と言い、カウンターには良くない空気が流れたとか。そんな空気を打ち消そうと、「きっと先生は左利きなんだよ」と健ちゃんはその女の子に言ったらしいが、女の子は黙々とラーメンを食べていたとか。次曲紹介も絡めていた記憶があるが、定かではない。

散々しゃべった後、「やさしさに変わるから」、「愛に気付いた時」を2曲続けて演奏。前者も久し振りに生で聴いたような気がする。後者は、ブリトリで聞く弦楽との絡みとはまた違った印象で、バンドバージョンもなかなか味のあるバラード。

この後も、笑いを交えたトーク展開。今回のこのライブの練習は、実質2回だったとか。笑えたのは、トッチンがガクトのファンクラブツアーでラスベガスに行くという話をした際に、トッキーが、「ガクトのファンだったの?」と突っ込んだこと。勿論ファンとしての参加ではなく、サポートメンバーとしての参加である(トッチンは、ガクトのツアーメンバー)。

「Piano man」からは、トークを挟まずに続けて最後まで演奏。「Piano man」は、弾き語りでは何度か聴いているが、バンドでは、リズムを刻むドラムやパーカッションとのピアノとの絡みが、耳に心地良かった。 ボイスパーカッションというべきなのか常に悩む、健ちゃん独特の口パーカッション(笑)。これから始まったのは、「SAME NAME,DIFFERENT GIRL」。この曲、どうしても最初に数年前に行われた公開レコーディング時での、仮タイトルが私の頭の中には印象として強い。仮タイトルは、「DIFFERENT」部が「ANOTHER」だった。バンドバージョンということもあり、今まで聞いていたよりも、気持ちテンポアップでの演奏。公開レコーディングの時にお土産で貰った、「個人練習」というCDのジャケット写真を思い出した1曲でもある。鉢巻をした健ちゃんの写真が、頭に浮かんだ。にしても、健ちゃんのボイパ。笑いを誘う言葉を並べるが、この姿をみると、脳内分泌活発しているのか?と思わずにはいられない。お客さんとのコールアンドレスポンスも、交えていた。最近は、「九九」がお好みのようである。

「Cry'n Smile」では、コーラス大会付。先ほどの曲からトッチンのドラムが力強くつながり、1番を演奏した後、「おっとこの曲は、みんなのコーラスが〜♪」と展開させ、コーラス練習に突入。適当に半分に分け、コーラスの練習。CICOちゃんが手本を示すと、どうしても「デバ夫人の吐息」を思い出してしまい、笑ってしまう。同じ様なお客さんも他にいたようで、それに気付いたCICOちゃんは、「何でここで笑うんだよ」と、突込み。ここで気付いたが、先ほどの曲でのコールアンドレスポンスは、このコーラス大会に備えての前準備だったのかもしれない。この曲は、トッチンのドラムが最もしっくり来る(というよりも、耳慣れしているというべきなのだろうか)。

「☆STAR☆〜スター〜」では、トッキーこと、田中豊雪氏のチョッパー選手権(といってもトッキーだけだが)が有り、トッキーのベースソロを堪能。途中、スタレビの「夢伝説」のフレーズを取り入れたりしていたところが、ポイントだろうか。トッキーのベースソロは相変わらず、インパクト強し。健ちゃんは選手権から曲に戻るつなぎで、「渚のハイカラ人形」も少し取り入れ、楽しい雰囲気満載。健ちゃんのピアノも、弾んでいる。楽しい雰囲気満点の中、第2部終了。


4.アンコール

第2部終了後、いったんステージから立ち去るが、ものの2分程で再びステージへ。ちなみに、この間トッキーはコンタクトレンズを、カレーを食べ終えたお皿の上に落としたとか(笑)。

アンコールは、懐かしの曲で構成。「二人は最高」は、友人が2部終了時に「これに『二人は最高』が有ればいいのになぁ」と言っていたので、ナイスタイミング。最近、弾き語りバージョンで聴いたが、やはりこの曲はバンドで聴いた方が、若々しさが出る。演奏中、マイクがぐるりと回ってしまい、健ちゃんも笑う。そういえば、昔はマイクが回っていたこともよくあって、健ちゃんはよく直していたなということも思い出した。そんな光景も久しく見ていなかった。

「みち草」は、トッチンを待っている時に(トッチンは、昔はよく練習に遅れて来たそうだ)出来た曲と紹介。本当に生で聴くのはかなり久し振りだった。


5.さいごに

今回のライブはかなり楽しめた。この一言に尽きる。そして、改めて思ったことは、どうも、私は昔の曲の方が好みだということ。最近の曲は、歌詞は割と好みだったりもするが、今回バンドバージョンで聴いて、改めて、いいなとは思ったが、慣れ親しんだ曲には好みから行くと負けてしまう。単に、耳慣れしている部分も大きいと思うが。久し振りに、「NO ANSWER」も生で聴きたいなとも思った。

そういえば、健ちゃんの鍵盤ハーモニカは、かなり久しぶりに聞いたと思う。グランドピアノとのL字奏法は、なかなか良かった。

トークは、相変わらず。というより、昔のままの掛け合いが生きている。今回、CICOちゃん以外に、トッチンが結構いじられていた。久し振りに一緒というのも嬉しかったのかもしれない。

来月の同メンバーでのライブ、平日のしかも月曜日だし、みっちーツアーも始まるから、行くの辞めようと思っていたが、心が揺らいだ。悩むところである。