PLAY THE MUSIC  at 渋谷Egg-man  on Apr.30,1999

 

〜メンバー変更ありの久々のEgg-manライブ〜

 

<演奏曲目>

M1:A HAPPY NEW YEAR M2:願い M3:去りゆく友よ M4:東京という街で M5:優しさに変わるから M6:NO ANSWER M7:1/25の君 M8:古風な女 M9:帰郷 M9:Cryn Smile M10:No more such a lonely night M11:STAR M12:ねえ? M13:二人は最高 EC1:僕はピアノが好きなんだ EC2:みち草

 

GOLDEN GENTLES MEMBER>

Pf・Vo:光田健一 G:藤井晴稔 Key:河野啓三 Cho:斉藤久美子 Dr:杉野寿之 Per:CICO B:田中豊雪 

 

 

4月30日、光田氏の活動拠点地でもある、渋谷Egg−manで、本年最初(といってももう4月も終わるが)のライブが行われた。今回はその模様をお届けする。

 

開場時間前に会場に到着。平日ということもあり、休日に行われるライブの時より、お客さんの集まりは遅いようだ。6時少し過ぎに、なんと、STARDUST REVUE の根本要氏が、会場にやってきた。「あ、要さんだ!!」と私が驚いたのは言うまでもない。定刻通り(6時半)に開場。

 

7時ぴったりに、光田氏がステージに登場。定刻通りに、始まったのは久しぶりのような気がした。ピアノの前に座り、奏でられた曲は、「ラジオ体操」の曲。「ピアノといえば僕はやっぱりこれなんです。」と光田氏。登場時点から会場内を笑いに誘った。登場後しばらく、ピアノにまつわる話を繰り広げる。「ピアノって便利ですよね。」と言いながら、ポロンとピアノで音を奏でる。「寒いギャグを言ってもこうすれば(ピアノを弾く)、ほらね、雰囲気変わるでしょ。」と一言。いつしかのライブでも、こんなこと(ピアノって便利)言ってたなぁと思いながら聞いていた。また、コードの話などを織り交ぜ、ずっこける時の音は、半音ぶつければいいとか、不安な音はファを半音あげる(ディミニッシュコードといってモーツアルトで多用。通称悪魔の和音らしい)とか、楽しい音楽ネタを繰り広げていた。ドラえもんの曲を拳骨で弾いてみたり、優雅な「笑点」テーマ曲を聴かせたりと、場内を笑いであふれさせた。色々な笑えるネタを、ピアノを交えて繰り広げ、楽しいオープニングで、「コミックミュージシャンの楽しい音楽コーナー」というタイトルがつきそうな、雰囲気だった。この笑えるオープニングの後、「そういえば、今年入って初めてのライブ。新春のご挨拶。あけましておめでとう!」と、光田氏は季節はずれの挨拶をし、1曲目の「A HAPPY〜」を演奏。今回は、いつもと少し雰囲気を変え、1コーラスのみ、ア・カペラで披露。光田氏の声のみが、会場に響き渡った。続いて、「願い」、「去りゆく〜」を演奏。最初の3曲は、弾き語りでの演奏だった。

 

3曲演奏終わったところでメンバー紹介。「なんかさ〜すごい緊張してるんだよ。いつもと違う始まり方でさ。ほら、いつもはさ、あまり喋らなかったりくだらないギャグ言わないじゃない…」と光田氏。場内から「え〜!!」と、声が発生。気を取りなおし、改めてメンバー紹介の体勢に。まずはじめに、「メンバーの変更があります。で、バンド名変えました。色々考えたんだけど、ジェントルズというのははずせないので、GOLDEN GENTLES にしました。」と、メンバー変更とバンド名変更のお知らせをし、メンバーを1人づつステージに呼んだ。

 

トップバッターは、藤井氏。みんな内緒だよといいながらも、結局「元ZIGZAG」ということを光田氏は言う。2番手は、河野氏。演歌のキーボディストとして紹介。長山洋子バンドにいることや、トラ(エキストラのこと)で山本ジョージの演奏もやったことなど話していた。3番手は、斉藤氏。踊りが上手いんだよと紹介。また、「しばらく家の情事…って情事じゃやばいよね、事情で実家に帰ってたんだよね。」とも話ていた。4番手は、杉野氏。「トッチンはいつも来るのが遅くて、おかげで「みち草」という曲が出来たんだけど。高校時代からの同級生。」と紹介。「ゴスペラーズとかもやってるんだよね。」と光田氏が言うと、「みっちー(及川光博)もやってるんだよ。」と杉野氏。「じゃあみんなベイベーだね。」と光田氏。杉野氏はみっちーに、「杉様」と呼ばれているらしい。それを聞いた光田氏は、「じゃあ僕は光様かな。光様じゃやだな。」と一言。個人的に、みっちーのアルバムに、杉野氏の名前がクレジットされていたことは、だいぶ前から知っていたので、このネタは印象的。5番手は、CICO氏。夢の国の話題。バックで、夢の国のテーマ曲を弾く河野氏。「けいぞーは何でも知っているんだよね。」と光田氏。かきいれ時の夢の国。CICO氏は調整が大変だったらしい。6番手の最終メンバーは、田中氏。彼を紹介する前に、三枝氏が自分のユニットバンドに力をいれるため、しばらくお休みすることを伝えた光田氏。そして、新しいベーシストとして、田中氏が紹介された。田中氏は、元スクエアのメンバー。登場時に、F1のテーマ曲が奏でられた。田中氏は登場するやいなや、「その曲さ。俺やめた後の曲なんだよね。儲けそこねなんだよ。」と一言。ちなみに田中氏のあだ名は、トッキー。光田氏の1stアルバムにも参加している。

 

メンバーが全員揃い、田中氏が、1stアルバムに参加していることから、そのアルバムから何曲か演奏(「東京〜」〜「NO ANSWER」)。久しぶりに、1stアルバムの楽曲を、生でまとめて聴いたような気がした。

 

これらの演奏が終わると、笑いを交えたコーナーへ。「PLAY THE MUSIC」というタイトルにちなんで、「音楽で遊ぶ」というコンセプト(かどうかわからないけど)で、爆笑コーナーが繰り広げられた。「自分の楽器にどう親しんできたか」ということで始まったこのコーナー。「これぞギターって音はどんなの?」と藤井氏に振る光田氏。藤井氏が奏でた音で、「食いしん坊万歳!」のテーマが。「もっとかっこいいのは?」ということで奏でられたのが、「チャカチャチャーン♪」という音。「こういう音で始まる曲あったよね。」ということで演奏されたのが(といっても1フレーズ)、「ラブストーリーは突然に」。その後、ドリフのひげダンスのテーマ(最後は「亀田のあられお煎餅♪」)や、「YAH!YAH!YAH!」とチャルメラの音を合わせ、「似ている曲って一杯あるんですよ。」と光田氏。1曲で2曲分楽しめるという音楽を、この後繰り広げることに。光田氏は、音楽の能書きをたらたら述べ出したので、「光様。能書き多い。」とCICO氏。CICO氏の仕切りのもと、「1つで2度おいしいのに挑戦だ!チャレンジタ〜イム!!」と、コーナーが繰り広げられる。CICO氏の出題した曲に、光田氏が別の曲を重ねるというもの。「チャレンジタイム1」では、「ダンシング・オールナイト」に合わせて、「みちのく一人旅」が。演歌を熱唱する光田氏に場内は大爆笑。「チャレンジタイム2」では、「夜空のムコウ」に合わせ、「木蘭の涙」が。根本氏が来ていることを意識した選曲か?と少し思ったが、根本氏を意識した歌い方に、笑うしかなかった。「木蘭〜」はよくタイトル間違える人がいて、というネタで少し引っ張る。続いて、田中氏に振る光田氏。田中氏で行われたのは、「ペッパー警部」。振りつきで盛り上がるステージ。そこに、「噂を信じちゃいけないよ〜♪」と陽気に歌うCICO氏。「あのさ、これオレのコーナー。オレ新人だけど業界では先輩だから。」と、盛り上がっているCICO氏に一言告げる田中氏。「そんなにCICOちゃん歌いたいなら歌わせてあげる。」と田中氏は言い、「カップスター」のCM曲を奏でる。それに合わせて、ご機嫌に歌い上げるCICO氏だった。その後、ドラムの番になり、「ドラムで話できるよ。」という、杉野氏の台詞からしばらくそのネタに。「チキンタツタ」に始まり、有名人の名前、食べ物まで行った。あせって答えばかり言う光田氏。そんな自分のことを、「あせってるな。行き急いでる?」と言っていた。正直このコーナー、少し引っ張り過ぎかな?と思った(十分に楽しかったけど)。

 

爆笑コーナー終了後、「こんなことばかりやっている訳ではなくて、地道に曲も作ってて、次にお送りするのは、次のCDに入れたい曲です。要するに僕の好きな曲ですね。それらをやります。」と光田氏。簡単な曲紹介を含めながら、「1/25〜」〜「帰郷」の3曲演奏。個人的には、これプラス「誤解されやすい奴」も入れて欲しいと思った。CDに入っていない曲でも、「古風な女」は、ライブで演奏される率が高いと思う。光田氏のお気に入り楽曲なのだろう。ちなみに私も好きな曲だ。

 

これらの曲を演奏した後、ベースとドラムのオンステージ。その間、他メンバーは裏に下がり、衣装替え。田中氏のお披露目コーナーでもあったのだろう。田中氏のベースと、杉野氏のドラムのやり取りに耳を傾ける。歯でベースを奏でる田中氏に、場内から歓声が沸いた。しばらくすると、ドラムのリズムが、「Cryn〜」のイントロに変わった。そこで再びメンバー登場。最後のノリノリナンバーへと突入。客席総立ちで、大いに盛り上がる。「ねえ?」では、去年末のライブでお目見えした振り付けも登場し、客席もそれに合わせた。そして、「二人〜」で本編終了。

 

アンコールに応えて、メンバーステージに再登場。「なんか足りないと思っている方いるでしょう。歌い足りないと思っている人いるでしょう。みんなで歌いましょう!」と光田氏。「新しいのを作ってきました。といっても簡単です。“は〜るがき〜た”みたいなもの。といっても、“は〜るがき〜”で終わっちゃいますけど。」と付け加え、新コーラスを披露。斉藤氏の指導のもと、練習が繰り広げられる。今回のコーラスは、「僕がピアノ〜」。はっきりいって、全く新しいコーラス。CDにも入っていない。少しの練習の後、曲がついた。最後は、「けいぞ〜に捧げる曲!」と紹介され、名残惜しそうに「みち草」が演奏され、ライブが終了した。

 

久しぶりに、この会場で見たライブ。2時間45分ほどの、内容だった。オープニングのコードの話などの興味深かい話題、途中の1曲で2曲分楽しめるコーナーと盛だくさんな内容。久しぶりに「NO ANSWER」を、生で聴けたのも嬉しかった。これらの内容に、今回も楽しんだが、音の聞こえ方がいつもより悪かったような気がした。コーラスの斉藤氏の音が聞き取りにくかった。見た目では、いつものように歌っている斉藤氏。しかし、耳に入ってくる音量は、いつもより小さい。視覚と聴覚のギャップがあったように思った。コーラスも、いつもより盛り上がりにかけたような雰囲気。見切り発車っぽいと思ったのは私だけだろうか。あとは、「盛り上がってきた!」というところで、ライブが終わってしまったのも、少し残念だったように思う。いつも、あまりこのような意見を持たないが、今回は、「よかったんだけどここがもう少し…」と個人的に感じてしまった。いつものように、ピーク的な盛り上がりを感じなかったのだ(自分の気分的な問題なのかもしれないが)。勿論、楽しかったという思いはあるし、途中でのネタにも十分笑ったので、決して楽しまなかったわけではない。

 

話題は、少しライブから外れるが、今回、根本氏がライブを見に来ていた。アンコールの時、ふと気づくとステージそばで光田氏を見ている根本氏を発見。光田氏の話に、時に微笑みながら、優しいまなざしでステージを見守る根本氏。非常にその表情が印象的だった。

 

次のライブは、ginzでの2日間。そして、来月再びEgg−manでのライブ(対バン)がある。対バンでのライブも久しぶりだなと思った私。勿論足を運ぶため、帰りにチケットを購入。次のライブを楽しみにし、日々を過ごす私だ。