さえない
10歳も違うおじさん 全然かっこよくない
服のセンスも悪いし 話も下手だし、すぐ目を逸らすし
でも バイクに乗る姿だけはカッコイイと思っていた
下らないメールを毎日送ってきた
返信するのも億劫になるけど 返信しないとすぐ心配してくる
電話するとちっとも話さない
でも、いつだって私のこと考えてくれているのが分かった
こんな人、こんなおじさん、誰に紹介できるのよ？
付き合ってくれなんていわれてないの
そんな言葉いらないって あんた 付き合ってるつもりだったの？
ちくりじわりと嫌味を振り回してみせたところで
ちっとも堪えた様子を見せてくれない 面白くない
好きだからしょうがないなんて 平気で言ってのける
何て図々しいの近頃のおやじは
でも
気が付いたら私はあなたの腕の中で眠っているし
一緒にお風呂に入ったらあなたの膝の上に乗ってぎゅってしてるし
今まで描くことだって屈辱的だったあなたとの将来像を
ふと思い浮かべては照れくさくなる
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