HOUND DOG



HOUND DOGについてはもっと早く書くつもりでいたのですが、言いたい事が色々有り過ぎて、自分の中で「どうやっ
て書こうか?」と上手くまとまらなかった。 
それは今書いてる時点でも変わりはないのだけど、とりあえずは思う事を全部書いてみます。 

79年、「仙台に凄いバンドがいる!」と言う当時のアマチュアバンド雑誌(雑誌名は忘れたけど)に書かれた特集を
見て初めて『HOUND DOG』の名前を知る。 
名前はご存知の通りELVIS PRESLEYの曲名からとっている。 
この時点では、まだHOUND DOGは大学生でプロデビューしてないにも関わらず、東北ライブツアーなどを ワンマン
でやってる、とんでもないアマチュアバンドでした。 
そして翌年の80年、CBSソニーより「嵐の金曜日」でレコード・デビュー。 
この「嵐の金曜日」は素晴らしい楽曲にも関わらずぜんぜん売れなかった。 
しかし、『レコードは売れないけどライブではいつも超満員』『ライブバンドHOUND DOG』の伝説の始まりです。 

ここで『伝説』と言う言葉をあえて使いました。なぜ伝説なのか?少し書かしてもらいます。 
まず、『HOUND DOG』は年間のライブ数、多い時で200本以上こなしてます。 
今売れてるバンドで年間200本以上ライブをこなせるバンドがどれだけいるでしょうか? 
これは単に数字だけの問題ではないです。その200本の内訳にも注目して欲しいです。 

当然プロで在る以上、「お客の入らない場所ではライブをやらない。」訳ですから、大体ツアースケジュールでは 東
京、大阪、名古屋、福岡、仙台など、いわゆる主要都市が中心でやる事がほとんどです。 
ただそれだけで考えると200本のライブはやりたくても出来ない。なら、200本こなす為には、主要都市以外で も
やらないとこなせない。そうなった時に地方の人口が少ないとこでもライブをする事に成るのですが、そこでも お客
が入らないといけない。と言う事は「200本のライブをこなす=全国どこでも人を呼べる」、こう言う図式に成る訳で
す。 
その1つを例として上げると90年、東京夢の島でライブしたのがきっかけで、毎年どこかの島(瀬戸内海の小さな
島など)で10年間ライブをしている。 

また、そのライブ自体の構成にも『HOUND DOG』らしさが出ている。 
今でこそライブ構成にいろんな演出がされたりするけども、当時のライブではただ自分たちの楽曲を聴かすだけのも
のが多い中、『HOUND DOG』のライブでの演出は他に類を見ない物だった。 

私が行ったライブでは何曲か楽曲を歌い終えると5分くらい会場全体が真っ暗に成り、その間にステージの上に埠
頭の様な情景を作り、木箱のコンテナの上で大友がアコースティックギター片手にスローバラードを歌い出すなど、
『見せるライブ』をやりだしたのも『HOUND DOG』が初めてだったと思う。 
そんなライブが話題に成り『HOUND DOG』のライブには、多くのミュージシャン達までもが良く来ていた。 

また、87年1月26日〜2月6日、武道館10days、全日満杯で、入れなかったファンの為に「+1day」として、2月
10日、全席無料招待のライブを行ったり、90年7月29日、大友プロデュースにより、熊本県八代市の港内にてイ
ベント“スーパーサンデー”を行うが八代市の中学校の10校中9校がコンサートに行くことを禁止され、これに反発
した中学生が約2,000近くの署名を集めるなど、その時来れなかった中学生の為に翌年の91年3月29日、熊本・
八代市総合体育館にてチケット代が高い、終演時間が遅い、ロックを聞くと不良になるといったことから、市の教育
委員会がライブ入場を禁止にした禁止事項をすべてクリアーした上で、料金無料(卒業証書が入場券)会場は室
内、終演は7時という事でライブイベント “SUPER FRIDAY” を行う。また各地のライブ開催にあたり、「自分の
手でライブを創りたい」ファンを集めプロのスタッフに変わって体験出来る場を設けるなど、常にファンの身に成ったラ
イブを行っている。 

まだまだ言いたい事が在るのだが、最後に『HOUND DOG』の楽曲について話させてもらうと、個人的には初期の
方が好きですね。1番好きな曲?と言うより1番良く聴いたのは2ndアルバム『STAND PLAY』に入っている『アフタ
ーコンサート』。 
恐らくこの曲はファンの人でも余り聴かない?と思われるマイナーな曲だが、私は何度と無くこの曲に励まされてい
る。この曲の1節に『今はまだ誰も知らないヒーロー』と言うフレーズが出てくるんだけど、この『今はまだ誰も知らな
いヒーロー』は、裏を返せば『いつかはきっと誰もが認めるヒーローに成ってやる!』と言う気持ちの表れだと私は受
け取っている。 
「幾度と無く打ちのめされても、這い上がって行く」みたいなパワーの源でもあった。 
この曲は是非、今何かに頑張っている人に聴いてもらいたい。きっと力が湧いてくると思います。 

ちなみにカラオケでは『ラスト・シーン』が十八番だったりします。