転校



小学3年の冬。

「今度、明石(兵庫県)と言う所に引っ越すのよ。」と母が言いました。
それまで大阪の豊中に住んでいたので当然転校と言う事に成ります。
その話を聞かされた時、兄達は「友達とかと離れたくない。」とイヤがってましたが、
私はなんだか遠足気分の様な感じで、少しワクワクしていた様に思います。

転校する事を告げようと次の日の朝、職員室に向かい担任の先生のところへ向いました。
私のクラス担任の先生はまだ教師成りたての女性の先生だったのですが、
「今度、明石に引っ越す事に成りました。」と先生に告げると、
ワンワン、大きな声を上げて泣きだすではありませんか。
私はビックリしたと同時に、「転校を楽しみにしていた。」と言う罪悪感の様なもの感じ
なんだか悲しくなって来て、先生と一緒になって大きな声で泣きだした。
周り先生達も「どうしたのか?」という感じに集まって来て、収拾がつかない状態へとなってしまう。

どうにか落ち着いた先生と2人で教室に向かい、クラスのみんなに報告をし、
1日中、鼻をぐずぐず言わせながらの先生の授業を受けた事を今でも鮮明に覚えています。


良く「手紙を書くからね。」と言う言葉耳にします。
でもどれだけの人がそれを実行し、持続しているのでしょうか?

私もそのクラスの友達と何度かは手紙を交わしました。
仲の良かった友達で中学校入学くらいまでの3年ほどです。

でも、この担任の先生とは私が成人した時まで、2、3ヶ月に1度は手紙が来てました。
年数にして12年間です。

そしてその1番最後の手紙には、こう書かれていました。
「今度、結婚する事に成りました。教師を辞めて実家の島根に行きます。
○○君も、もう成人ですね。自分の夢に向かって精一杯頑張って下さい。」

先生の様な人が教師を辞めてしまう事はとても残念に思います。
それと『自分の夢に向かって精一杯頑張って下さい。』
これはどうも守れてないようです。
私は何時まで経っても教師泣かせなダメな生徒ですね・・・。