新車発表会



先日或る自動車会社の新車発表会に行ってきました。
中々華々しい演出で楽しませてもらったのですが、
この新車発表会。
私達消費者に発表するまでの過程は余り知られてないですが、
ちょっとそのあたりの事についてご紹介します。

当然1番はじめには「どんな車を作るか?」から始まる訳ですが、
まず新車のコンセプトを考えます。
スポーツカーにするのか?大衆車にするのか?等です。
それが決まれば今度は車のデザイン。
車デザイナーにより外見、内装などが決まります。
そしてそれを元に粘土で模型を作る。
「今時粘土?」と思いの人も居るかもしれませんが、この粘土が大切らしいのです。
この粘土模型は自動車会社によってそのスケールはまちまちですが、
大体1/10〜1/50で作ります。ここでいい加減に作ってしまうと後々大変になるので、
凄く精密に作ります。
そして、その粘土模型をCGにかけそれを元に1/1の模型を作ります。

新車発表会に展示されているのは皆さん本物の自動車が展示されていると思われていますが
実はこの1/1模型が新車発表会に展示されています。
この事は余り知られていないですね。
模型と言っても鉄、アルミなど本当の材料が使われていますので外見からだと見分けがつきませんが、
「単なるハリボテ」なので当然動きません^^;

では「なぜ本物の自動車を展示しないのか?」
これには訳が有ります。
1言で言ってしまうと「まだ部品等を作る会社が決まってないからです。」
1台の自動車を作るには数多くの部品、パーツが必要に成ります。
これらは自動車メーカーが作るのでは無く、車部品会社やその下請け会社など
数多くの会社が作り、自動車メーカーに卸す訳です。
新車発表会の段階ではまだ決まっていないと言う事です。

少し脱線しましたが、1/1の模型が完成して新車発表会と成る訳ですが、
この新車発表会にも色々な段階が有ります。

まず、マスコミ向けの新車発表会。
「今度このような自動車を出します。」と言った紹介に成ります。
まだこの段階では撮影は禁止。携帯も禁止。
最近の携帯にはデジカメが付いているので撮影されない為です。
では「なぜ撮影禁止なのでしょうか?」
新車デザインが他社自動車メーカーにバレないように。と思いきや、
それだけでもないようです。
関係者曰く「この段階で撮影され、それがどこかへ掲載されると言う事は、
『どんな管理体制しているのか。』と言うモラル的な問題。」と言う事らしいです。

そして次に部品会社向けの新車発表会。
先にも書きましたがまだ部品会社が決まっていませんので、ここで全国各地から
部品会社の社長クラスを呼び発表します。
これも自動車メーカーによって多少前後しますが1000人ほど招待されます。
なので1回の新車発表会だけでは裁ききれないので3〜4回に分けて部品会社向けの新車発表会をします。

次に各販売店向けの新車発表会。
全国に有る販売店の店長クラスを呼び発表会をします。

そして最後に消費者向けの新車発表会。
実にここまで来るのに5〜6回の新車発表会が有るんです。
いやいや大変ですね^^;