■電話



私が中学生の頃、部活を終え帰宅すると母が電話をしてました。 
まぁ、それは良く有る光景なのですが。 
30分・・・1時間・・・。 
中々電話を辞めません。 
私は部活で疲れていて、しかも腹ペコ状態だったので、母に「お腹空いてるんだけど。」と催促をしました。 
さすがに母も、「ごめん、ごめん。」と言って電話を切って食事の用意をしだした。 
  
食事の用意が出来て、「さぁ、食べよう。」と思った時、 
母が「あ!忘れてた。」と大きな声を出すもんだから、 
私も思わず「どうしたん?何を忘れてたん?」って聞いた。 
母、「さっきの電話、○○ちゃんからあんたに電話やったんや。」 
その○○ちゃんと言うのは、当時私と付き合っていた彼女なんです。 
私、「は?人の彼女と1時間も喋ってたん?」 
母、「イヤ、2時間半や。」 
イヤ、時間の話はどうでもいいやけど・・・。 
初対面の相手と一体どんな話をしてたのか・・・? 
私は急いで彼女に電話をすると、「楽しいお母さんだね。」と言う聞き飽きた言葉が返って来た。 
  
私は呆れながらも「ウチの母親には嫁姑問題などは無縁なんだろうなぁ。」と 
子供ながらに思うのであった・・・。