click to next

夏の太陽は白と黒
そのあまりの残酷さに
思わず掴んでいたもの
そこから手を放した

朦朧とする記憶と聴力
望もうと 望むまいと
私の存在は 八月の痕となって
この場所に刻印されてしまった

引力

蜜のように 甘く滴るもの そして
罠の如く 冷たく酷いもの

強い光に惹き付けられ
抱き竦められた次の瞬間
それが影であることに気づく
救いようのない程

夏の太陽は白と黒
そのあまりの残酷さに
思わず掴んでいるもの
私はそこから手を放す

八月の記憶
力尽くの刻印が 今でも
心を惑わせる

            
next
copyright(c)2002 tamami all rights reserved.