夏の太陽は白と黒
そのあまりの残酷さに
思わず掴んでいたもの
そこから手を放した
朦朧とする記憶と聴力
望もうと 望むまいと
私の存在は 八月の痕となって
この場所に刻印されてしまった
引力
蜜のように 甘く滴るもの そして
罠の如く 冷たく酷いもの
強い光に惹き付けられ
抱き竦められた次の瞬間
それが影であることに気づく
救いようのない程
夏の太陽は白と黒
そのあまりの残酷さに
思わず掴んでいるもの
私はそこから手を放す
八月の記憶
力尽くの刻印が 今でも
心を惑わせる
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