恐怖の河川敷便所

河川敷便所の恐ろしさ、とくとご覧あれ。

 

中学二年生のころである。当時の私は運動が得意で、陸上部と野球部をかけもちしていた元気さんであった。当時はどっちかというと陸上優先ではあったが、(今は野球)ついに野球部に試合の話が飛び込んできたのである。
 わかる人にはわかると思うが、中学校の部活の試合というのは立派な野球場でできるわけではない。河川敷という、 川が流れているそばのグラウンドでやるのである。
 そして、さらにわかる人にはわかると思うが、河川敷の便所は電話ボックス型のボットンである。(本当に余談だが、「ぼっくす」と打って変換したら「凶」と出た。びっくりした。) また、必ず2台並んで設置されている。
 さて、野球部一行は河川敷に着き、軽く汗を流した。すると、後輩のいじられキャラ、佐野君が便所に行くといってそそくさと行ってしまった。当然これを黙って見届けるわけにはいかない。
 当時完全に先輩をなめきっていた私達は、先輩の忠告に耳を傾けず佐野君にばれないように後をつけ、彼が便所に入ったのを確認し二年生ほぼ全員で便所のドアの周りを囲んだ。
 準備は整った。まずは、一斉にドアを蹴りまくった。
 同時に「出て来いコラァ!」 「くせぇぞ!おい!」などの罵声を浴びせる。
 次の瞬間である。佐野君は隣の便所からノコノコと出てきたのだ。
 部員全員の頭の上にクエスチョンマークである。そして、こう考えた。
 (佐野君がそっちから出てきたってことは、 こっちには違う人が入っているんだ!)
 結論が出た時にはもう遅かった。「誰だコラァ!!」 うわぁ。変なおっさんが出てきたよぅ。だが部員の一人が盾となり、「みんな、逃げて!逃げて!」と私達の犠牲となってくれた。
 逃げてる間も、「ぶっ殺すぞ!!」などの声が聞こえてきたが、どうにか逃げ切った。しばらくすると盾になった彼も私達と合流できた。全員が彼を称えた。
 だがその後の試合結果は言うまでもなく惨敗であった・・・


HOME