「いや、俺内申4も足りないじゃん。笑いもんじゃん」 先生「いや、けどお前は生徒会もやってるし、部活も活躍してるし。それに今年から絶対評価だから、数字(内申のこと)はあんまり重視されないと思うぞ」 絶対評価とは、ちょうど私達の世代から始まったもので、例えば今まで5は全体の7%だけしかつけちゃだめだったのが、何人でもつけていいことになったという決まりである。つまりある程度先生が望む基準に達していれば、5は取れるのだ。高い成績を狙うのが少なからず容易になったのである。しかし裏をかえせば、教師の独断で決まる数字など、高校は見ないということなのであろう。 「うーん、けどやっぱり厳しいと思うよ」 先生「まあそりゃ厳しいよ。けどお前は即興で話すことが得意だろ。有利だと思うよ」 確かに私は即興で話すことが得意である。しかしそれだけで受かるとは到底思えない。 「やっぱさ、もうちょい考えさせてよ」 先生「いや、もう決まったから」 「・・・・!?」 先生「もう決めちゃったからよ。はい、じゃあこれ自己PRカード。(これも私達の世代から始まったもので、三つの質問に対して自分をPRするというものである。例:なぜこの学校を志望したか、校外活動でなにかやったかなどなど)清書しといて。あとお前成績の「績」って字間違えるなよ。「積」になってたぞ」 完全に向こうのペースである。私はその場に立ちすくんでしまった。最初のころは、推薦で受かったら一般より1ヶ月ぐらい早いからたくさん遊べるなー、などと思っていたのだが、現実が見えてきたのでその夢はあきらめた。その矢先に担任からのこのセリフである。振り回され人間である。 家に帰って早速面接の練習である。聞かれそうな質問に対しての答えをあらかじめ用意し、レポート用紙にまとめたが、志望理由などは自己PRカードに書いてあることとほぼ一緒である。手抜きに近い。まあ気付きはしねぇだろ、と思いながら筆を進めていった。 時は12月。第三回目のVもぎの結果が返ってきた。R高校の評価は・・・ 「C」 !! 1ランク上がったのだ。私は大手を振って喜んだ。コメントの「推薦はほぼ無理であるが」という文字を見ることもなく・・・。 なんか暗いまま8へ続く |