佐藤正人の“音楽セミナー”


第8回 「アンサンブルについて5」

1 トロンボーンアンサンブル
  (1)トロンボーンアンサンブルについて
  (2)レパートリー
2 ユーフォニアム(バリトン)・チューバアンサンブル
  (1)ユーフォニアム・チューバアンサンブルについて
  (2)配置について
  (3)レパートリー

1 トロンボーンアンサンブル
  (1)トロンボーンアンサンブルについて
トロンボーンアンサンブルについて
 トロンボーンアンサンブルに触れる前に、トロンボーンについてですが、 トロンボーンは大変に表情豊かな楽器で、ピアノやメッツォフォルテのレガートでは、 人の声のように柔らかく甘く歌え、一度フォルテになると堂々たる、重厚な響きを出す……。 そしてソロや吹奏楽、オーケストラのなかでも素晴しさを発揮できる楽器ですが、 アンサンブルにおいては、ハーモニーの美しさに尽きるといって、過言ではないでしょう。 名手たちの組んでいるTrbクァルテットの演奏を聴くことは、他の楽器の人(特に木管)お勧めです。

・聴くことも大切な練習
・いつでも「良い音」のイメージを持って練習しよう!それに向かって努力するのが上達の第一歩。
・自分の腕を磨こう。(当たり前ですが・・・これが難しい)
 「時間がなかった」「体調が・・」「楽器の調子が・・」「メンバーが揃わない・・」
 言い訳したくなるものですよね!?がんばりましょう。
・自分のパートをしっかり吹けるようにしよう。(他の人のせいですか?)
・他のパートを聴きながら吹いてみよう。
・スコアをみて自分の役割を考えよう。
・デュエットをしよう。(相手と合わせる練習になります。)
 Trbの曲集は「拍子」「リズム」「テンポ」「曲想」「時代の様式」「地域性」
 あらゆる表現の勉強になるものが用意されています。
・みんなで音程を合わせる練習をしよう。ソルフェージュ命。赤本!
  (2)レパートリー
作曲者/編曲者 曲名
〜二重奏〜
ブラゼビッチ コンサート・デュエット
ペダーソン トロンボーンのための10のデュエット
〜三重奏〜
チェイス 8つの小品
〜四重奏〜
マシス トロンボーン四重奏のための組曲
ドンディーヌ トロンボーン四重奏のための組曲
フラッケンポール トロンボーン四重奏曲
ペータース トロンボーン四重奏のための組曲
サンサーンス 交響曲第三番よりアダージョ
ロス トロンボーン四重奏曲
テレマン コンチェルト
チェイス ロンド
チャップマン 3つの都市の組曲
ウーバー 4本のトロンボーンのための「3つの小品」
クーツィール 4本のトロンボーンのための「5つの即興曲」
ガーシュイン ポートレイト
フィルモア トロンボーンファミリー
2 ユーフォニアム(バリトン)・チューバアンサンブル
  (1)ユーフォニアム・チューバアンサンブルについて
 数ある同族楽器のアンサンブルのなかでも、比較的歴史の浅いアンサンブルで、 1960年代、アメリカにおいて実験的に始められたこの主のアンサンブルは、1967年 R,ウィストン・モーリスが指導するテネシー工科大学ユーフォニアム・テューバアンサンブルが出現するにいたって、 現在のスタイルを確立しました。 以来、ユーフォニアム・テューバアンサンブルは、全米中に広まり、アンサンブルの一分野として、 確固たる地位を築いています。
日本では、1970年代より実験的に始められ、現在では、専門家、一般、音大生のアンサンブルを中心に全国的に活動をしています。
 このアンサンブルの大きな魅力は、男性合唱にも似た豊かで力強いサウンドが大きな特徴です。 編成は大小様々なスタイルがありますが、標準的なものとしてはEu.2・Tu.2の四重奏、 Eu.2・Tu.1、またはEu.1・Tu.2の三重奏があります。
 技術上のポイントとしては、バンドのなかの役割のように、いわゆる影の部分、支えの部分だけでなく、 よりソロイスティックな演奏法が必要です。 明るい音、明確な音符処理、そして音楽的により積極的な姿勢をもって、演奏することが大切でしょう。
  (2)配置について
配置は、曲や編成により若干異なりますが、基本配置のポイントとしてはユーフォニアム、チューバは ベルの向きによってバランスや全体の響きが変化しますので、練習場や演奏会場での調整が大切となるでしょう。
  (3)レパートリー
作曲者/編曲者 曲名 編成
〜三重奏〜
Wilbye Two English Madrigarls
Wilder 10 Trios
ネリべル ルーダス 3Tu.
〜四重奏〜
P.Tchaikowsky/J.Fletcher Sleeping Tuba Waltz Eu.2Tu2
J.S.Bach/Werden Jesu,Joy of Man's Desiring
William Byrd/Winter John Come Kiss Me Now
A.Frackenpohl Pop Suite
G.Jacob Four Pieces
Henry Mancini/Krush The Pink Panther
J.P.Sousa/Werden Hands across the sea
J.P.Sousa/Werden Semper fidelis
J.P.Sousa/Werden The star & stripes are forever
J.P.Sousa/Werden washington post
Bartles When tuba waltz
青島宏志 グノーム
ニーハウス キーストンチョップス
ニーハウス チューバレイション
ニーハウス スリーピングジャイアンツ
シューレー チェロキー
スティーブンス パワー
スティーブンス ダンス
スティーブンス ムーンダンス
スティーブンス マンハッタン組曲


★お薦めレパートリー★(トロンボーン&ユーフォ・テューバ編)
作曲者/編曲者 曲名 出版社
チャップマン
R.Chapman
3つの都市の組曲
SUITE OF THREE CITIES
C.F.PETERS
ウーバー
D.Uber
「3つの小品」作品29
THREE MINIATURES,Op.29
EMSEMBLE
PUBLCATIONS
テレマン
G.P.Telemann
4声のコンチェルト
CONCERTO for Four Parts

ドンディーヌ
D.Dondeyne
トロンボーン四重奏のための組曲
SUITE pour Quatuor de Trombones
MUSICALES
TRANSATRANTIQUES
クーツィール
J.Koetsier
「5つの即興曲」作品55
CINQ IMPROMPTUS, Op.55
MARC REIFT
ネリベル
V.Nelhybel
ルーダス
LUDUS
.C.KERBY
ニーハウス
L.Niehaus
キーストーン・チョップス
KEYSTONE CHOPS
KENDOR
スーザ/モリス
J. P.Sousa
エル・キャピタン
EL CAPITAN
BRASS PRESS

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