ファンクにロックの要素を持ち込んで昇華させたスライ&ザ・ファミリーストーンは、後のロックやファンクはもとより他のあらゆる音楽に影響を与えました。今でも、音自体は影響を与え続けているのですが、リーダーであるスライは70年代中頃からドラッグにどっぷりつかるようになり、急速にシーンから遠のいてしまいました。とても残念なことです。
今回紹介する「暴動」は、ほとんどの楽器をスライ1人でこなし、多重録音している一風変わった作品です。まぁ、もともと彼のワンマン・バンドでしたので驚く事はないのですが・・・。しかし、内容はそれまでの彼らの作品のように楽観的な感じではなく(Family Affairなどポップなヒット曲もありますが)、当時アメリカが抱えていた人種問題やベトナム戦争の影響が色濃く反映された内省的なものとなっていて、これには驚かされました。そんなメッセージ色の強い作品ですが、聴いていて負担になるようなものではなく、自然に体がリズムを刻んでしまいます。全米1位になったのも納得の名盤です。
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