HIP-HOPと言うのは、黒人文化そのものな訳でして、それを黒人以外が出来るわけがないと、そのように思っていました。エミネムに出会うまでは。
白人でありながら、今やHIP-HOPシーンを背負って立つエミネム。彼の正確かつ高速なライムは、一聴して彼とわかるほど個性的で、ハイクォリティ。ラップの大きな魅力である言葉遊びの妙は、英語圏の人間でないと正確には理解できないかもしれないが、歌詞も強烈で個性的らしいです(スラングなんかわからん)。
彼のスキルは、紛れもなく幼少時代のトラブルから得たものであり、そして成功した今となっても、離婚や裁判など、決して幸せとは言えない人生から更なる飛躍を遂げているものと言えます。もちろん、そればかりではなく、『Hailie's Song』のような最愛の娘のことを歌った曲もあるにはありますが、彼の原動力の大半は怒りだと断言できます。このアルバムに関しても、『Without Me』のPVでウサマ・ビン・ラディンの格好をしてバッシングを受けましたが、この経験でまたすごいものを作ってくれることを楽しみに待ちたいものです。
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