FMナイトストリート 1990.8.28 XTC 3日目

 

はい皆さんこんばんは伊藤銀次です。今日は「伊藤銀次の夏合宿 ロック大図鑑 夏季集中講座」の3日目ですが、いよいよXTCの歴史の最終回です。4日目は、別枠になっていますから。「ビッグ・エクスプレス」「スカイラーキング」「オレンジズ&レモンズ」のヒストリーをずっと追っていきたいと思っていますので、よろしく。Beat Goes On!

♪XTC「Wake Up

彼らの7作目のアルバム「ザ・ビッグ・エクスプレス」のオープニングに入っている曲です。これは前回の「ママー」と比べると一転してハードな色彩というか、XTCらしさが戻ってきたような鋭さがあって、期待感がつのるアルバムでしたが、イギリスのチャートでは38位と、相変わらず振るいませんね。ここんとこ、非常に「ママー」あたりから、XTCの人気が落ちてきて、一時は「ニューウェイブ期待の星」みたいに言われた時期もあったんですが、それ以降どうもちょっと人気が低迷しているんですね。これは有名なコメントがあるんですが、売上がイマイチなのでそれに関してアンディ・パートリッジが、「ヴァージンの社内に僕たちのファンがたくさんいるんだ。だからこの会社にいられる」というふうな非常に特別視した扱いがありますけども、やっぱりXTCは初期の頃と比べてどんどん曲作りがうまくなってきているし、詩が最初の頃の、薄っぺらいというとおかしいけど、ロックロックしたものから、非常にコンセプチュアルになってきていることは確かであります。

この「ビッグ・エクスプレス」の発売当時は丸い変形ジャケット、ビッグ・ホイール、つまり車輪というか、機関車の部品というか、というふうなジャケットで、「ブラック・シー」のときは潜水夫の格好をしてましたけど、今回は機関士になって顔をススで黒く塗ったりしてます。それに合わせたような、内容もイギリスの小市民的な、まじめに生きてるけどどうもうだつが上がらない人たちにスポットが当てられたような内容の詩が多いです。この「Wake Up」という曲も、普通のサラリーマン的な人の歌ですがね。

さて、続いて2曲目に入っている曲’84年にシングルカットされまして55位までいっております。

♪XTC「All You Pretty Girl」

これもXTCらしいと言えばらしいですが、今までのアルバムに比べて、アレンジメントがすっきりしているにもかかわらず、非常に複雑に聞こえるんですよね。このビッグ・エクスプレスはどの曲も複雑に聞こえるというか、アバンギャルドな色彩がすごく強いんだよね。特にアンディ・パートリッジが全部で11曲くらい書いてるんですよね。コリンが3曲くらいですよね。だからアンディ・パートリッジ色が非常に強い、とんがったレコードですが、そのせいかアンディ・パートリッジがオレンジズ&レモンズを発表したときに「今度のアルバムは僕たちのアルバムではベスト3に入る」と言って他の2枚は「イングリッシュ・セトゥルメント」とこの「ビッグ・エクスプレス」だというふうに語っていましたけどね。ビッグ・エクスプレスのファンの人たちはいるでしょうか?僕は非常に姿勢は買うんですが、ベスト3には入ってません。でも過激性っていう意味では、非常に後期に向かう一つの勢いになってるのかもしれませんがね。

さっきの「Wake Up」もシングルカットされていますが、チャートインしていません。このあたり人気としてのXTCの低迷ぶりがうかがわれますよね。やっぱり彼ら自身が非常にレイ・デイビス的な諧謔(かいぎゃく)の世界に詩が入っているので、次から次へと出てくる若いジェネレーションの心をつかむような詩でなくなってきてるということは確かなのかなという気がしますけどね。でもやっぱり、こういうちょっと屈折した音楽が好きな人たちにとってはたまらない音楽ですよね。僕も非常にこの感慨越智的な詩が好きですけどね。

それでは続いてこれもシングルカットされていますが、チャートインしていません。

♪XTC 「This World Over」

さて続いていよいよ、トッド、ラングレンとのコラボレーションですね。「スカイラーキング」に入っていきたいと思いますが、これはなんと、ほぼ2年に近いブランクがあって発売されましたけどね。いよいよXTCのアメリカ進出ということが問題になっていたわけですよね。この間にポリスだとか、いろんなグループが順を追ってアメリカに進出していってみんな成功したんだけど、大物であるXTCは非常に二の足を踏んでいた。サウンド的に非常にアメリカ的でない。もっともこれほどイギリス的なグループはないですからね。イギリスの中でも偏屈な音作りのグループ、どうやってアメリカへ進出するかっていうのは非常に難しかったんじゃないかと思うんだよね。本人たちも、自分たちは絶対向こうでは無理なんじゃないかと、絶対に売れるわけがないと言ってたみたいなんですが、ヴァージンレコード側がXTCを説得して、アメリカ人のプロデューサーでやれば売れるんじゃないかと言う事でいろいろたくさんのプロデューサーの名前を挙げたそうですが、その中にアンディ・パートリッジが知ってた人が一人も居なくて、そこでコリンが推薦したのがトッド・ラングレンだったんです。これはコリンとかがトッド・ラングレンの大ファンで、なんと言ってもトッド・ラングレン自身がビートルズのファンで、「ストロベリーフィールズフォーエヴァー」のカバーを演ってたりするところが、非常に屈折したところで合ってるというかね。でもアンディは、あんまり興味を持っていなかったみたいですよね。そしてレコーディングが始まって出来た作品が「スカイラーキング」ですが、これは今までのXTCのサウンドプラス、なんというのかねー、イギリス的な暗さではなくてアメリカのフラワーサウンドの持つ華やかさが加わって、実に華のあるアルバムになったんですよね。

まずこの中からこの曲を聴いて頂きたいと思います。

♪XTC「Grass」

このサウンドは今までのXTCでは1回も聴いたことのない独自のサウンドですけど、生の弦もふんだんに使われていて、非常にその雰囲気が、サージェント・ペパーズを思わせたのが非常にウケた所ですね。確かにアメリカではこのアルバムは非常にウケました。カレッジチャートでも非常に人気があったようですがね。でも実際の作業ではトッド・ラングレンとアンディ・パートリッジが非常に衝突を繰り返したようで、トッド・ラングレンのことを好きなのは、デイヴ・グレゴリーとコリンなんですね。この二人はもう、大好きで、なんせトッドのスタジオへ行った時に、あまりの古臭いスタジオでXTCが驚いたんですが、コリンなんかは、「や〜、こんな古いスタジオで、あんな音が作れるんだから、やっぱトッドはすごいよなー」なんて驚いてたみたいですが、アンディは終始諧謔「んー、どうも、んー、いいのかなー」みたいな感じで結構衝突したみたいですね。しかもトッド・ラングレンは、ミキシングする時とかトラックダウンをする時はメンバーを入れずに自分独りでやるという人で、それも気にくわなかったみたいですがね。アンディがそのころのことをこういうふうに言ってますが、「トッド、ラングレンはお医者さんで、スカイラーキングという作品が赤ん坊だ」と。「それで私は赤ん坊の父親だ」と。「その赤ん坊の病気をめぐって医者と父親が口論した。」と言う感じがね。でもまあその甲斐があって非常に独特の緊張感のあるアルバムが生まれました。というのは、トッド、ラングレンもいろんな人をプロデュースしてますが、同時期に「ブルジョア・タッグ」というアルバムもありましたけど、「ブルジョア・タッグ」の場合ははっきり言ってトッド・ラングレンが、寄り切っている感じがするんだけど、このアルバムは、トッドとXTCがお互い譲ってないという所が非常にすばらしいアルバムを作ってまして、僕はこのアルバムは非常に評価しております。

それでは、この中からまたシングルカットされたナンバーですが、

♪XTC「The Meeting Place」

なんかスタジオにこもってずっと作り始めたXTCが、ようやくのことになんとなくスタジオ的な、完成度の高いアルバムをだんだん作れて来ているというわけで、ライブをやめた直後の「ビッグ・エクスプレス」というのは、どことなくこうしっくりこない固さがありましたけど、今回はいいプロデューサーに恵まれたという気がありますが、

さて、続いては2曲続けて、このアルバムから紹介したいと思います。とにかくこのアルバム何がいいって、明るいんですよねー。XTCのアルバム、イギリスとアメリカでずいぶん内容が違ったりするんですが、今回「スカイラーキング」の中では、アメリカのスカイラーキングの中には「Dear God」というシングルが、結構カレッジチャートですごく人気があったもんで、収められていますが、イギリス盤、そして日本盤の方にはこれが入ってなくて「マーメイド・スマイル」という曲が入ってるんですね。だからこれ、両方持ってないと、一つになんないっていう、まったくこの!他は全部重なっているというのに。だから今もう「Dear God」のシングルなんて、貴重版もいいとこですよねー。黒盤ですけど。そして、これもスマッシュヒットというか、なかなか僕、ポップなナンバーで好きですが、「That‘s Really Supergirl」2曲続けてどうぞ。

♪XTC「Dear God」

♪XTC「That‘s Really Super,Supergirl」

この「Super,Supergirl」なんかは、本当にXTCとトッド・ラングレンの接点で整理している音楽という感じですけどね。

さて、いよいよXTCのメインラインの中では最後、最新アルバムになってしまいますが、「オレンジズ&レモンズ」、いや〜、これほど売れた、日本でですよ。(笑)これほど売れたレコードはないでしょうねー。かの、六本木のウェーブなんかでは平積みしていました。この番組のリスナーである、Silverboy君がロンドンに行ったときには平積みもしていなかったという、日本で一番人気のあるXTCということで、実はヴァージンの裏から仕入れた話ですが、この、「オレンジズ&レモンズ」が売れなければ、ヴァージンとの契約も危なかったというXTC、起死回生!何とか世界で売れたようですね。ということで、こんなこと言って、XTCファンに水をかけたようですが、リアルにお届けしていますがね。それではこの中から、もうこの曲本当によく聴きましたけどね。もう一回また聴きたいと思います。

♪XTC「Mayor Of Sympleton」

今回は、前回のトッド・ラングレンのプロデュースしたアルバムと比べると、わりとバンドっぽくなったっていう感じがしますけれど、でもドラムは生ドラムじゃなかったりするわけで、この辺が面白いところですよね。この「オレンジズ&レモンズ」は生ドラムではなく、打ち込みなんですね。だけど、すごくバンドっぽいという。前回は非常に密室的な「サージェント・ペッパーズ」的なアルバムだったために、よりアクティブな、そしてポップなものを作らなきゃいけないっていう要求があったんだと思いますが。

そう、今回は、アメリカレコーディングなんですよ。前回と同じ。ロサンジェルスでレコーディングしてますが、この時の面白い話があって、ずっと、アンディ・パートリッジは帽子をかぶって歩いていたそうですね。暑いので。太陽が嫌いなんですね。(笑)どうも、太陽サンサンが嫌いで、5ヶ月居たけれど、一度もスイミングプールに泳ぎに行かなかったという、雨とか霧とか、そういうものが好きだというわけですがね。本当にアンディ・パートリッジは面白い人でね。’82年にステージをやめて以来、ずーっと、自分の故郷のスウィンドンという所にこもったきりで、自分の家でデモテープを作るような生活を続けてるわけですよね。ライブをやめたことに関しても全然後悔していないという、「お客さんとのコミュニケーションについてはどう思う」と言ったら「いや、ステージをやってる時からコミュニケーションなんかは全く無かった」と。「大体あんなステージと客席が離れてて、どうやってコミュニケーションを取るんだ」というね。要するに「コンサートはただの集団ヒステリーみたいなもんで、自分の見たいヒーローを実物で見れるということでお客が興奮しているだけだ。フットボールやボクシングの試合と同じものであって、コミュニケーションとは何も関わりの無いものだ」というふうに言ってるんですね。いやほんとに。ただ彼は、非常にレコードを通してのコミュニケーションというのはものすごく信じていて、「自分たちが作っているレコードというのは、作家にとっての本とか、絵描きにとっての絵と同じようなものである」ということで、「僕たちはそれを非常に大事にしている」と。「僕たちが朝、何を食べるとかどんな趣味だとかいうことは関係なくて、僕たちが作っている音楽を通してコミュニケーションを取っていきたい」という、この辺がXTCらしいという気がしますよね。自分のタイプについても、「僕はどっちかというとアクティブな人間ではなくて、図書館員とか、そういう思索家タイプの人間なんだ。見てて分かるだろう?」というふうに言ってるんですよね。だから僕これなんかすごく分かるんだよね。何もロックは、毛むくじゃらでゴリラみたいな人がやるのが必ずしもロックじゃないと。家で本を読んだり、ミステリーを楽しむような人のためのロックがあってもいいんじゃないかと。XTCこそ、本の好きな人のためのロックではないかという気がするんだよ。本当にこれは、心励まされる気がしますよね。僕も本当、そういうタイプの人間ですね。

それでは次の曲に行きたいと思います。これもシングルカットされてますよね。変形シングルって言うのかな。これはファンの間では非常に話題を呼びましたね。

♪XTC 「King For Day」

ということでお届けしてきましたけど、XTCの、何と言うかイギリス独特の伝統を重んじた頑面さと、それとパンクバンドから出て来たという革新的な部分とのギャップで出来てる音楽が、僕は最もイギリス的で好きなんですよね。もうキンクスとか、あの辺からずっと伝統的ですけどね。パンク野郎がここまで音楽を作り上げることが出来たということで、なかなかのもんですが。それでは、もう一曲「オレンジズ&レモンズ」からいきたいと思いますが、あ、もうちょっと喋ってくれって言うことですね。はい、生番組は難しいですね。

アンディ・パートリッジは、「自分が王様になったら、飛行機とか、そういうものはやめて、テレビも必需品とは思えない、やめたい。馬や牛を遣わして、飛行機よりは気球で旅したい」と、こういう人なんですよね。僕もすごくこれ共感を覚えますがね。「やっぱり若い頃は非常に腹立たしい音楽とか、パンキーなことをやっていたけど、だんだん今はそういう音楽をやりたいとは思わない。良い良いレコードを作っていきたい」という、そういう、自然に年を取ってきてるという感じがしますけど。

それでは、この中から

♪XTC「The Loving」

♪XTC「Chalkhills And Children」

はい、今バックには、「オレンジズ&レモンズ」の一番最後に入っている曲が流れています。僕これ結構好きなんですよ。ビーチボーイズっぽいんですよねー。末期の頃のね。

さて、XTC最新情報としては、XTC「Exproad Together」という、以前の’78年から’80年までのダブ、エクスペリメンツを集めたCDが発売されたばかりです。そして、近々「ラグーン・ボーン・バフェット」という、B面とか、そういったものを集めたものが出るようですので、そちらのほうも楽しみなところですが、このあとは、アンディ・パートリッジのプロデュース作品なんかを紹介したいと思います。

さて、明日ですが、「伊藤銀次の夏合宿 ロック大図鑑 夏季集中講座」はいよいよ4日目に突入して、最終日になります。そして、XTCのメインラインのヒストリーはここまで来ましたが、「ザ・デュークス・オブ・ストラトスフェア」という、最大のプロジェクトが残っております。この裏XTCの全貌について、銀次が、メスをばっちり当てて解剖したいと思いますので、ぜひ、お楽しみに。大特集であります。


このXTC拾遺集っていうのは、XTCのメインラインから外れてはいますが、非常に大事な落とせない作品というのを、別枠で御紹介しています。

日本人をアンディ・パートリッジがプロデュースしてるっていうのは鈴木さえ子だけですよね。初めてXTCのメンバーが日本人をプロデュースしたわけですが、1987年、「スタジオ・ロマンチスト」というアルバムの中の作品を手がけています。今日お届けするこの曲は、サンダークラップニューマンの「Something In The Air」という曲なんですが、このプロデュースを頼むときに、鈴木さえ子が例の「スカイラーキング」のアルバムを聴いて、そのなかのストリングスが非常に気に入ってプロデュースを頼んだんです。デイヴ・グレゴリーのストリングスアレンジですがね。このアルバムではデイヴ・グレゴリーもストリングスを担当しています。そしてアンディ・パートリッジはギターを弾き、なおかつバッキングボーカル、ベースも弾き、パーカッションも弾いています。そして、鈴木さえ子と共にプロデュースをしているわけです。

♪鈴木さえ子「Something In The Air」

なかなかアバンギャルドな作品でしたね。途中でなんか「ストロベリーフィールズ」が聴こえたような気がしましたけど、著作権は一体どうなってるんでしょうか?ということで非常に弦の感じ、「スカイラーキング」の中の弦と非常に良く似ていましたよね。

さて続けて今度は鈴木さえ子の同じアルバムの中に収められていますが「Happy Families」。実はこれはアンディ・パートリッジがこの時書き下ろした曲なんですね。もちろん英語で書いた曲をピーター・バラカンさんが日本語に訳して、それを鈴木慶一と鈴木さえ子がよりこなれた日本語に、だからま、3人で共作したようなもんですかねー。日本詩を。日本語の詩は非常に不思議な、面白い詩ですが、これはのちに本人が気に入って、アンディ・パートリッジが、XTCとしても取り上げて彼らの「オレンジズ&レモンズ」の中からの2枚目のシングルカットナンバー「King For Day」の12インチの中に「Happy Families」のXTC版が入っていると。さらにこの「Happy Families」は「スリーメン・アンド・ベイビー」という映画のサントラの中にも使われたということでですね、チャンチャン!ということで、これは非常に珍しいことですよね。人に書き下ろした作品を、また自分でも取り上げているということで、非常にXTCのほうの「Happy Families」は入手が難しくなっていますがね。ということで、今日お届けするのは、鈴木さえ子の「Happy Families」

♪鈴木さえ子「Happy Families」

なかなかの作品でしたね。結構原詩に忠実な訳ですが、これは注釈がないとさっぱり分からないと思いますがね。歌詞カードになかなか面白い注釈があって、私は一人で楽しんでおりましたが。これドラムのサンプリングからほとんどの楽器全部彼らが手がけるという、なかなかリキの入った、よっぽど気に入ったんでしょうね。

さて続いては1990年、ライラック・タイムを手がけたものから聴いてみたいと思いますがね。ライラック・タイムのサードアルバム「And Love For All」というアルバムですが、これプロデューサーはジョン・レッキーとかステファン・ダフィ自身、アンディ・パートリッジ自身の一緒くたになっていますがね。やっぱり、アンディ・パートリッジが入ると、非常に音が特徴的なので分かりますよね。前のアルバムでは非常にネオアコっぽい、そして、ちょっとイギリスのトラッドっぽい暗さも交えた割とストレート線でしたが、んー、アンディ、パートリッジが入った瞬間にこんなふうになってしまうんですね。

♪ザ・ライラック・タイム「All For Love & Love For All」

この作品はアンディ、パートリッジがプロデュースをして、ミックスをジョン・レッキーがやっておりますがね。この辺はやっぱり、デュークスのコラボレーションチームだけあって、息が合ってますがね。途中なんかビートルズの「I Should Have known Better」のハーモニカが聞こえたような気がしたんですがね。私の空耳でしょうか?

さて、続いて、これはすごいんですよ。アルバムタイトルが「1967」ですがね。「Throgh The looking Grass」という、イマジナリー・レコーズという、インディーズから出ているんですが、これは1967年の数々のヒット曲をいろんなグループがコンピレーションで取り上げてるんですがね。例えばドアーズの「ブレイク・オン・スルー」とか、「20 センチュリー・フォックス」とか、トゥモローの「マイ・ホワイト・バイスクル」、ラブの「セブン&セブンニーズ」、それからジェームス&ボビー・ピュールファイの「アイム・ユア・パペット」それからビートルズの「ストロベリー・フィールズ」そしてクリームの「ストレンジ・ブルー」、「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」グレン・キャンベルの「ジェントル・オン・マイ・マインド」ナンシー・シナトラのこれは007の主題歌「ユー・オンリー・リブ・トワイス」ソニー&シェールの「ザ・ビート・ゴーズ・オン」とかね。全部で14曲入ってますが、これの中になんと、XTCのコリンの、バンドというよりもこれは一人でやっているんだと思います。なんせXTCのメンバー、特にコリンとデイヴは過去の60年代のヒット曲を、自分たちの家でデモテープを作るのが大好きで有名な話ですが、これはコリンが多分一人でずっとスタジオで作った音だと思いますが、これが良く出来ております。ひょっとしたら、トッド・ラングレンよりも良く出来ているかもしれません。ただし、コリンの歌はあまり耳慣れていませんよね。なんとなく、リンゴ・スターの歌う、ビートルズといった感じがありますけど、コリンズ・ハーミッツというグループ名になっております。

♪コリンズ・ハーミッツ「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」

んー、なかなかオタッキーな奴め。苦心してますよね、最後の所がね。いろんな解釈があると思いますがね。なかなか入手が難しいかもしれませんがね。

 

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