虹色カオス
参考音源(BUCK-TICK /
COSMOS)
深い霧の中、僕は立っていた。
立ちこめる花の香りに飛び交う無数の水色、
そびえる大樹のその横で。
白装束を纏った裸足の僕は、憂いの実を口に含む。
体内に拡がる甘い蜜。
浮き出る血管、こぼれ落ちる紅。
心地よい気分に身を委ね、
静かに視線を下ろしてみよう。
膝下、草木がなびいている。
ダラダラ伸びた黒髪に止まっていた虹色の蝶が
ふわり空へと飛び立った。
道筋追う僕の視線に、大きな黒鳥が目に入る。
前髪の隙間から見えるその鳥は、
羽をはばたかせ時間の流れを変えていた。
綺麗なお花を咲かせるため。
近くを流れる川のせせらぎに
繋いだメロディをせっせと添える。
小さな病室、ベッドの上。
今日も僕は目を閉じたまま・・・。
貴方の為だけに唄いましょう。
イケ(心の淵)
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