四方を囲む抽象画。
迷いこんだのはざらついた絵画の世界。
中央で揺れる一つの影、 新たなキャンパスを底辺から塗りつぶす。 筆が導く低音に足元を奪われ、 響き渡るしゃがれた声が 色彩にこびり付いては僕を脅す・・・。
影は見向きもしない。 形を選びはしない。
呼吸し始めた油絵、人喰い絵画のその中央。 空に憧れ両手をかざせど 真っ赤な大地に沈みゆく・・・。
僕のカラダは額の中、僕等は既に油絵の色彩。
イケ(心の淵) 戻
*04.2月作成。フリーペーパー”空空01”掲載、04,6/26一部修正。