SMRYTRPS / SMRYTRPS


『変わり続ける中で ひとつ 変わらぬ空気の振動を求め続けよう』


6MC1DJのサムライトループスの1stアルバム。この人たちとの出会いの作品。
このCDの帯にも書いてある『ポップミュージック』のリリック「噛めば噛むほどに味出るガム」。正にそんな感じのCDです。正直最初は「ん?」って感じでした。でも聴いてるうちに個々のMCのおもしろさ、そして曲のおもしろさに惹かれていきました。
トラックの製作はベース弾きということもあってかJAZZ風味なタカツキ、きれいな音からノリノリな感じまでいろんなタイプを作るY.O.G.、他にはないとにかく独特な音を作るzomなどなど。それぞれ特徴ありつつ、全体的にファンキーな感じです。トラックだけじゃなくMCたちのノリ的なところもファンキー。
作り方がラフな感じのするところがけっこうあるんだけど、その中に「狙ってるなー」って思えるところがいろいろあってすごくおもしろいです。そういうのが聴いてくうちにって部分なんだろーなーって思います。
そしてとにかくこの人たち自身が楽しんでるって感じ。笑いがふんだん盛り込まれてます。
そんな感じで盛りだくさんな内容。なが〜く聴けるいいアルバムです。

@INTRO / SMRYTRPS all stars
ビートボックスY.O.G.、口スクラッチタカツキに乗っけるメテオのイントロフリースタイル。初めてだとけっこうビビります。「こんな声聞いたことね〜」みたいな。登場からインパクト充分。

AS.O.U.L / Takatsuki. meteor, zoe, semmy, DJ NABE
タカツキ作のベースの効いたノリノリトラックにハイテンションマイクレー。特にすごいのがメテオ。イントロに続き曲でも登場一番手。いきなりすごいフロウ、リリックを聴かせてくれます。この人は本当にオリジナル。Takatsukiヴァースの最後のリリック「人の云う灰色の街からも〜」のところは最高。1曲目でいきなりやられちゃいました。 キニナルところがひとつzoeの「むつぎだす言葉が」って「つむぎだす言葉」の間違いじゃ...。曲の最後にはDJ NABEの超絶スクラッチ。『昼グースカで夜ぶらぶら〜あんたのおかんも泣いてるで〜♪』

BTheme Of Shy-Guys / Shy-Guys(Y.O.G. & meteor)
Y.O.G.とメテオによるシャイガイズの曲。トラックはY.O.G.。ギターのカッティングの効いたトラックにふたりのノリノリラップが。このはっちゃけ感大好き。ほんとに楽しんでるなー。

C細胞のjazz / Takatsuki, zom, Y.O.G.
いい声三人組によるウッドベースとドラムのシンプルなトラックのJAZZ風味の曲。トラック、ラップなどとにかくいい雰囲気漂ってるのですが、この曲はリリックもいいです。中でもやはりTakatsukiは素晴らしいです。上にあげたリリックもTakatsuki。フックのリリックもいい感じ。Y.O.G.もかっこいいね。リリックだけみるとzomはちょっと見劣りしちゃうかな...。でも曲としての完成度は高いと思います。

Dナイナリヨ
あふぉスキット。サムライメンバー(主にメテオ)によるフリースタイル。『こんなこと言ってるやついたよー「昨日キテレツ見たー?」「見てないナリー」「見てんじゃん!」』などなど(笑) 絶えず笑い声聞こえてきます。かつてこんな曲をまともにCDに収録したアーティストはいるのか...。最高ですね(笑)

EBring it on / bring it out(SMRYTRPS) / SMRYTRPS all stars
サムライの結成のきっかけになった曲。そして名曲。ウッドベースの短いたったの1フレーズのループで音数の少ないシンプルなトラックに、リーダーTakatsukiから始まる個性的なメンツによるマイクリレー。とにかくみんなかっこいいですね。特に好きなのがTakatsukiとzoe。Takatsukiはリリックがかっこいい!zoeはなんて言うんだろう...。「いかんなく」「ぜいたく」「境目なく」など「あう」で同じ韻を何度もくり返していたり、跳ねるように言葉を区切ったりなど、とにかく韻踏みがうまくそして耳にすごく残る。 とは言えみんなかっけぇ。正に『違いすぎる その一言に尽きる』。

F銭とれるラッパー  / meteor
meteorソロ。この人はフリースタイラーってこともあってかリリックがいろんなところに跳んできますね。ただそうやって何気なく聴いていてもパッと耳に入ってくる言葉がいっぱいある。テーマ(?)は「ラップで飯を食う」ってことなのかな。他の曲でもでてきたりするのでこの言葉にはけっこうこだわってる感じします。トラックはY.O.G.、いいコンビ。ここからそれぞれのソロ。

Gもどろう(ILL LATIN 2002 MIX) / Takatsuki
Takatsuki 1stから「もどろう」のDJ illgambler remix。この人のリミックスはフロアってのを意識してるのがすごく感じます。テンポも少し速め。リリックの世界にぴったりな感じのシンプルなオリジナルも大好きだけどわりとこっちのテンポよくラップする感じも好き。

Hシーラカンス(Coeracanths mix) / Y.O.G.
Y.O.G.1stに収録の「シーラカンス」のセルフリミックス。ある一匹のシーラカンスを主人公に自分、そして自分の住む世界をみた物語。Y.O.G.の独特の所々の早口フロウ、歌うようなフロウ。この曲すごい好きです。ただこのリミックスはどうなのかな...。深海ということをイメージしての最初のヴァースの音のこもり具合だったりするんだろうけど、オリジナルの方がよりイメージにあった感じでいいな。でもとにかくすごい好きな曲。

Iポップミュージック  / Siphone Code
zom&zoeのサイフォンコードによる曲。トラックはzom、この人のトラックはほんと独特です、おもしろい。そしてこの2人はいつもなにかしらかけあいしてくれるのですごい楽しい。この曲もどんどんマイク回る回る。「ポップ」って言葉に対して。すごくおもしろいリリック。この曲はリリック、フロウともにzomがいい感じ。フムフム〜。

JMUY BONITO / H.T.M.
H.T.M(ハト 飛ばし 名人)によるスキット。不思議な音が一分半ほど。ソロ曲が続いたところでちょっと一息って感じでしょうか。ちなみに「MUY BONITO」は「非常に かなり」の意。勝手にスペイン語と解釈して翻訳ツールにかけてみました(笑)なので合ってるかは全然わかりませぬ。むしろ信じないほうが吉です。

Kon a スカル tip / SMRYTRPS all stars
トラックはスカルピオの「ぼぼん ぼぼん ぼっぼーん」って感じのベースのフレーズの単純なループ。構成もはっきりしてない感じでそれぞれがフリースタイルでマイク回してるだけのような曲。とにかくラフな作りなんだけど所々「お?」って思えるような感じ。微妙にキニナルところがあるというか。Takatuskiの二回目のヴァースのはじけっぷりが好き。Y.O.G.の『cleep in a cleep in a...』ってフレーズはY.O.G.1stの「Kaleidscope」から。Takatsuki、Y.O.G.、semmyとサムライの年長者組みだけ二回づつヴァースがあります。

Lミミモトーク
耳元でぼそぼそと喋られるような声が聞こえるだけの曲。かなり謎。でも所々聞き取れるところが...無い。

Mカイドウ / meteor, Takatsuki, zoe
もともとはメテオソロとして出された曲が自主発禁になった後、Takatsuki, zoeを迎えて復活(って予想です)。フックがすごいすごい。この調子で曲続いたらそら発禁なるわって感じ。でもメテオ自身のヴァースはわりと普通でいつもの感じ。この曲はやっぱりTakatsukiでしょう。ソロでは絶対に出てこないであろうエロリリック!これかなり好きです。こういうのあるからタカツキ単体だけじゃなくてサムライで聴くのもすごいおもしろいんですよね。残念ながらzoeもいつも通りな感じ。聴きどころはメテオのフックとTakatsukiのエロリリック。

N水猫旅立  / meteor, Takatsuki, Y.O.G.
このアルバム1オシャレなトラックの曲。さすがY.O.G.。メテオはここでも新たなフロウ。この人は本当にいろんなことやってておもしろい。天才。Takatuskiはソロセカンド収録の「黒猫は眠らない」の原型になったようなリリック。このときから書きたかったテーマなんですかね。ぜひ比べて聴いてみてください。Y.O.G.もいいリリックです。『猫』のイメージはタカツキのヴァースから、『水』『旅立』はY.O.G.からって感じ。そんな風にイメージが浮かんだので【おまけ】作ってみました。最後に見てね。

Owelcom to "KAMINOGE" studio
ボーナストラック。上野毛スタジオとはタカツキ宅にあるスタジオのこと。

【おまけ】

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